紫電Pの雑記帳

ニコニコのブロマガ閉鎖に伴い移転しました。主にアイマス関連の記事を書きます。2021年9月以前の記事はブロマガから移行したものです。

MA4曲「ピピカ・リリカ」のミリシタ実装に思う、クッソめんどくさい古参Pの雑感

 

 

 

 10/8のミリシタ生配信で、高槻やよいのメインコミュ三周目の曲として、MA4曲「ピピカ・リリカ」が実装されることが発表されました。発表からの時期で言えば、22年1月発表の紬の三曲目である「折紙物語」がおそらく実装間近となっているのを思えば、20年8月発表でやよいのソロとしても最新曲ではないピピカ・リリカは実装されてもおかしくはなかったのですが、やはり「まさか」と思った人は多かったのではないでしょうか。まして、7月に開催されたSUNRICH COLORFULの演出を取り入れた形でしたから。

 そんなわけで、今日は大きな話題になった「まさかのMA4曲実装」とそれにまつわる雑感について、短く書いてみようと思います。

 

idolmaster-official.jp

 

 

 いきなり私事で恐縮ですが、私は普段、ツイッターのフォローは500程度に抑えています。これは過去にだいたいフォロー返ししていた結果、某事件の時にTLが残念なことになった反省からくるものなのですが……それはそれとして、例えばアイマス関連で意見のベクトルが違っても傾聴に値すると思う方は、自分の立ち位置や考え方を整理したり、一種の相対化のきっかけになるのでありがたい存在だったりします。

 

 今回はそんな方の意見が、この記事を書くきっかけでした。

 

・以下引用

 

 

 この意見というか懸念自体は、よく理解できるものだと思います。また、かれこれ10年近く――というか、今やアイマスの歴史の半分以上を並立している両ブランド間を巡る考え方というのは、ユーザーだけでなく演者やスタッフ個々人の考えも十人十色で、おそらく絶対的な正解はありません。

 ここまで巨大化したアイマスというコンテンツは、全貌が把握できないくらい大きくなり続ける山に似ています。いつ、どのルートで、どうやって登るかは人次第ですし、そもそも頂上こそが至高とも限りません。軽装で山麓をハイキングするのだって立派な登山です。

 深刻なレベルで呪いをぶちまける姿に成り果てた登山者でもない限り、それぞれが尊重されるべきでしょう。

 

 

 さて、それで私はどうだったか……と言うと、MA4については過去二回ほど書いています。

 

siden-p.hatenablog.com

siden-p.hatenablog.com

 

 端的に言えば、MA4は各ドラマパートの描写からしてもいわゆるミリオン世界線ではなくスタマス世界線合わせのCDであること(765Pが海外にいるのではと推定できる描写があることからしても)。また、「Coming Smile」は「細氷」と違い、特定の世界線に縛られないしミリオン世界線でしか生まれ得ない曲でもない……といったことに言及しています。

 MA4曲は全体の傾向として、OFA世界線だからこその背景を持つ曲が多いMA3曲と違って、あらゆる世界線で歌われていいタイプの曲ばかりではないかと思います。MA3曲もキャラによって違いはありますが、その時点ではASのみの765プロで、曲を巡るPとアイドルと一対一の物語、そしてステージで対決する現役最強アイドルの玲音あっての曲というバックポーンがあります。(OFAのDLCにはミリオンとシンデレラのメンバーもいますが、本筋には一切絡みません。おそらく石原体制の頃から模索されていたスタマス構想の布石でもあったのでしょうが)

 

 そういう意味では、ミリシタに「Pon De Beach」を突っ込んできた時の方が私は衝撃でした。

 結果から言えば、ポンデはOFAとの整合性はつけつつ、曲のコンセプトを活かした形での実装で、プレーしたユーザーからはその内容に特に批判が上がることもなかったかと思います。そもそも、ミリオンライブのシナリオ・世界観を監修&統括しているのはSPからアイマスのシナリオチームに加わり、それこそOFAでシナリオの中核を担った一人である東義人さんなので、心配はいらなかったのかもしれませんが。

 

 もちろん、「細氷」など一部の曲ではこうはいかないでしょうし、あの曲を実装するなら「Coming Smile」を択ぶべきと考えます。というか、ないとは思いますが細氷や約束を実装されようものなら中身次第では久々に狂犬モードになるかもしれません。ミリオンBCの「Destiny」カバーは2年近くかけた丁寧な丁寧な描写の積み重ねもあって、自分の中では聖域の一つの曲だったにも関わらずすんなり納得してしまったのですが、ゲームのコミュでは尺が足らないでしょう。

 

 千早の場合、MS2の「君に映るポートレイト」より後に生まれた新ソロ曲が既にスタンバイしている疑惑があるので、ひょっとしたらそこまで引っ張るかもしれませんが……。

 

 そんなわけで、私としてはMA4曲をどんどん投入していってOK派なのですが、これにはもう一つ背景があります。

 

 7月に開催された「SUNRICH COLORFUL」に向け、私は恒例のセトリ予想予習メドレー動画を作りました。元々、765ASの単独ライブが来る時のために19年から始めていた企画だったので、約二年半越しの本懐だったわけですが……他方、反応を見て色々と感じる所もありました。

 

www.youtube.com

 

このメドレー動画は、YouTubeで3万5000、ニコニコ動画で4500、知らないうちにいつの間にか転載されていたbilibiliでも計5000再生されており、ミリオン7thRや8thの動画の同時期再生数を1万5000以上上回っています。そういう意味では、765ASの久々の単独ライブへの注目度の高さを裏付けるものとなりました。

 何なら海浜幕張ノジマ電気でも特設コーナーで流れてたらしいですコンプラはどうなってんだコンプラは。

 

 

 しかし、反応を見ているとやはりMA4曲の知名度は決して高くないのも見て取れました。これはライブ未披露のソロ曲の宿命で致し方ないのですが、しかし実際にライブを見た方々には強烈なインパクトを残したと思います。

 Coming Smileはもちろん、たかはし智秋が魂を削って創出したかのような圧倒的パフォーマンスだった「VELVET QUIET」若林直美秋月律子の17年の集大成とも言える「灯」、ライブでの原曲より力強い真の歌唱をイメージさせられた「Ever Sunny」、ミリオンの後輩たちのステージで受けた刺激を自身のパフォーマンスとして昇華した「炎の鳥」――。そして、ソロパートの大トリで未来を照らす希望と消えない情熱を謳い上げた「I'm yours」。他にもそれぞれが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

 

 このあたりを語り出すと止まらないので、以降は当時のレポに譲ります。

siden-p.hatenablog.com

 

 

 

 しかし、です。

 

 この素晴らしいMA4曲は、当面ライブで歌われることはありません。

 次回の765ASの単独ライブは、早くても2024年。23年は2月にドーム合同、推定夏~秋ごろにMTSメインの765ミリオンのライブがあるでしょうが、バンナムフェス3rdの可能性も踏まえるとそれでいっぱいいっぱいと思われます。平田宏美さんが言った以上遅くとも20thの25年には実現するでしょうし実現できるように私も動き続けますが、しかしその場でMA4曲が歌われる可能性はかなり低いでしょう。今回のライブでポンデ以外の披露済みMA3曲が歌われなかったのと同様に。

 

 ここはそれぞれの価値観にもよりますが、素晴らしい曲も露出があってこそ、知られてこそだと思います。アイマスの場合、その露出とはコンテンツ内のゲームとライブでしょう。

 

 そういう意味で、MA4曲がミリシタで採用されることは、あの素晴らしい曲たちがより多くの人たちに知ってもらえる絶好機になると言えます。まして、SUNRICH COLORFULで仁後さんの希望により採用された演出を、ほぼそのまま踏襲する形ですから。魔法の杖を使う演出は4~5月くらいの正式提案のはずなので、むしろよく間に合ったなという気さえしますが……。

 今後どうなるかはわかりませんが、MA4曲もいくつか実装されていくことにはなるのではないでしょうか。MA4より後に登場したMS2曲も、「セピアカラフル」や「ピンクローズアプローズ」のように素敵な曲がいくつもあるので、765ASのライブ披露がしばらく先になるのなら代わりにどんどん実装していってもらいたいですが。

 

 この辺りの「場所も大事だが機会はもっと大事」の考え方は、アイマスに限らず私の物心ついた頃からほぼ一貫したスタンスとして「こんな(素晴らしい)もの・コトがあることを多くの人に知ってほしい」という生き方が影響しているので、上述の内容も当然ですが絶対的な解ではありません。また、これがカバーとなってくると話は別です。

 とは言え、より多くの、新たな層に知られないものは埋没しがちになるのは、概ね理解を得られるのではないかと思います。自分の中だけで愛で続けるというのも別解ではありますが……。

 

 

 では、「狭義のアイマス=765ASの生産ラインが軽んじられつつある(または軽んじられる契機になる)」という考えについてはどうでしょうか。

 

 これも絶対的な解がないという前提で私の考えを述べると、少なくともこの一件をもってそうなるとは思いません。

 近年、765ASが岐路にあったのは2018年(あるいは18年度)の下半期であるというのは、多くの人の意見が一致するところだと思います。当時の状況についての振り返りは割愛しますが、あの状況から言葉を選ばずに言えば息を吹き返した要因は大きく三つ。バンナムが当面はFIVE STARS路線を打ち出す方針を固めた」、「演者が長く持続させていく覚悟を決めた」、そして前者には及ばないでしょうが、ミリシタ内での成果によるものではないでしょうか。

 ミリシタではMTWの765ASの4ユニット、ミリオンスターズの12ユニット制の計16ユニット制を経て、MTSでは765MS混成の12ユニット制が敷かれました。ゲーム内においてはほぼ52人が同列の体制となっており(アニメではゲッサンや良くてBCの立ち位置になりますしそうなるべきですが)、ユニット曲もソロ曲も含めて扱いはほぼ同等です。こうなったのには18年末から19年初のTCにおける(おそらく運営の予想以上の)躍進も大きく影響しているでしょうし、各種展開やファミ通アンケなどを見る限り、コア層の動きや購買力も影響しているかもしれません。

 アニメ後のミリオンの展開がどうなるかは不透明ですが、こうした現状では765ASの演者さんは「ミリオン(ミリシタ)がある限りは、もし辞めたくなってもそうそう辞められない」という環境にあると思われます。そもそも少なくとも20thまでは全員覚悟が決まってるので、辞めたい、出演を控えたいという人もいないでしょうが。

 

 

 ゲームの展開における据え置きの比重が(全業界的に)下がっている昨今、知られ続けるためにはこれ自体は歓迎すべきことでしょう。私が07年以来の担当である菊地真も、ミリシタで明確に伸張したと言える一人です。

 

 他方、いずれブランドとして完全吸収されてしまうのでは?という懸念もあるのも無理からぬことです。何なら13年からずーーーーっとあった意見ですし、私もかつてはその懸念がある側でした。というか、ブランドへのマイナス感情さえあったので……。

 

 これについては、少なくとも20thまではバンナムFIVE STARS路線を堅持する前提である以上、心配するとしたらその先の話ではないでしょうか。

 スタマスモデルを再活用する、L4U以来恒例パターンの据え置き次回作はぼちぼちスタンバイに入っている可能性がありますが、スタマスだけでなく15th合わせで展開されたMA4同様、FIVE STARS路線の集大成であろう20th合わせの展開が何もないとはちょっと考えられません。それが例えばMA5のような形なのか、別の形なのかはわかりませんが……。

 

 

 ミリシタも24年秋ごろまで続く施策をいくつか発表していますが、この生き馬の目を抜くようなゲーム・エンタメ業界で、油断は禁物とは言え、ある程度先までが約束されているのはありがたいことです。20th、並びに20thイヤーの終了後となるとコンテンツや各ブランドがどうなるかはシビアなところはありますが、いちファン、ユーザーとしてできることは、コンテンツから離れる人同様、必ず現れる新規層にコンテンツの魅力を伝え続けることが第一なのかなと思います。

 これはぶっちゃけどのブランドでも大なり小なり同じですが、アイマスと長く付き合うということは時にモヤつくことから逃げられないということでもあります。私が時間も資金もたっぷり投入している2ブランドにしてもそうでした。ですが、個人的にはコロナの影も形もなかった19年末に書いた通り、古参こそがなるべく光属性であることは、新規流入をはじめわずかなりともブランドの隆盛につながると思っています。

 

 今年の現場では、アケマスのサービス開始時にはようやく立つかよちよち歩きだったと思われる年代のPさんとお話しする機会がありました。おそらく、今後はユーザーだけでなくシンデレラあたりの演者で、05年に生まれた、あるいは生まれてもいなかったという演者さんが出てくるかもしれません。信じがたいですが、そういう時代です。

 

 MA4で歌われSUNRICH COLORFULでも両日披露された「New Me, Continued」は、MA4同様に「変わるもの、変わらないもの」がテーマの一つでした。時は流れ続け人も循環するからこそ、自分の立場でやれることは公私ともにやっておきたいなと思います。

 

 ともあれ、あんまり深刻になりすぎても、難しい顔をしている人たちのところには新規の方も近寄りにくいものです。

 SUNRICH COLORFULのセトリは強烈なメッセージ性を含むもので、初日の最後の曲で「始めよう」と歌い、二日目のソロパート大トリでは「I'm yours」が熱唱されました。あの曲のラスサビは我々へのメッセージそのものでしたが、あの歌が語る通り、手さえ離さなければ未来はきっといいものになると思って肩の力を抜いて落とすものは落としながら楽しみつつ、迷惑にならない程度に布教する――というのも大事なのかもしれません。

 だって、最低でも20thまでは全員がやる気満々なんですから。もちろん、演者の大半が母親になって持続性にも舵を切っている以上、かつてほどの無茶はできないししてほしくもないですが。

 

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 来年2月、東京ドームで5ブランドの合同ライブがあります。今週の13日には、詳細の発表もあるそうです。

【生配信】特別番組「アイドルマスター合同ライブ キックオフミーティング!!!!!」【アイドルマスター】 - YouTube

 

 バンナムフェス1stで我らがセンター中村繪里子が控えた「あの言葉」は、本来あったであろうMOIW2021がコロナで流れたことで2年越しの披露となるでしょう。また、次の節目の20thの時には正直どうなっているかはわからない総体としてのアイマスが、十分な余力をもって東京ドームに臨める貴重な機会になるかもしれません。

 

 おそらく可能な限り全員が参加するであろう765ASの演者12人にとっても特別なライブになるわけですが、それを考えた時に思い浮かぶのは、15thイヤーに入った直後(コロナ前)の「ミリマガ+vol2」の若林直美さんインタビューであり、

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! MAGAZINE Plus+ vol.2 (一迅社ブックス) | ポストメディア編集部 | 趣味・その他 | Kindleストア | Amazon より

 

 

 

 今井麻美さん(とSideM天道輝役の中村宗悟さん)のインタビューだったりするわけです。

 

www.animatetimes.com

 

 

 

 今春のバンナムフェス2ndでは、中村繪里子の「これが!! 今の私たち、765プロオールスターズでした!!!」という魂の叫びが話題になりそして続くSUNRICH COLORFULでは、過去最高と思えるパフォーマンスで健在どころか進化さえ見せつけました。少なくともキング、ミンゴス、アッキーあたりは明確に過去最高のパフォーマンスだったと言っていいと思います。

 

siden-p.hatenablog.com

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 おそらく、来年の東京ドームでもそれまで縁遠かった人たちから「初めて現地で観たけど765ASすげえ!!」という声が上がるでしょうし、夏以降に予想通りMTSのフルライブがあればそちらでも聞けるかもしれません。

 そういう時に、積み重ねた資産や今後の展開に触れられる機会や場を公式サイドに準備していてほしいなと願うとともに、私自身もお節介にならない程度に沼行きのアシストをできるような古参Pでありたいな、と思っています。

 

 

 

 ――無論、古参がみんながみんなこんな姿勢である必要はないでしょう。時々疲れたり愚痴吐きたくなったり、ちょっと距離取りたくなる時だってあります。私も隠してませんが、15年秋-17年末まではそういう時期でしたし、再度沼落ちする契機になった初星宴舞がシリアル一枚で当たっていなかったらと思うとゾッとします。

 なので再度強調しますが、山に向き合うスタンスはそれぞれ。他人や新規への呪いになるようなことさえなければ、それでいいんじゃないかと思います。

 

 私は上述のような姿勢ですし、SUNRICH COLORFULの終わった今は、新しい地図であり翼を示してくれた2ブランド間で、集大成となる765ミリオンオールスターライブが一番見たい(20thまでに再度の765単独ライブが確約されているという前提で)というのが偽らざる心境です。それくらい真や千早にとっても、そして私にとっても、新しい可能性を見せてくれましたから。

 

 

 

 そんな中、昨日までミリシタで展開されていた「ゲキテキ!ムテキ!恋したい!」のイベントコミュはインパクトがありました。

 かつて好きだったけれど変わってしまったアーティスト(コンテンツ)。周囲は新しいスタイルの方が好きだというけれど、今イベントで主役を張るロコはかつてのスタイルの方が好き。期せずしてそのアーティストと対談することになった中で、それにどう向き合い、どう折り合いをつけて結論を出していくか。

 年が明ければP歴17年目に入る私には非常にぶっ刺さる内容でしたし、彼女たちの答えに対する賛否はともかく、ブランドを問わず古参Pには読んでほしいコミュだなと思いました。

 

 

 というわけで今回はこんなところで。3000~3500字くらいでまとめようと思ったのに、また倍以上になってしまった……。

 

 

 AmazonでやよいのMA4がセール中らしいので、貼って終わりにします。

https://www.amazon.co.jp/IDOLM-STER-MASTER-ARTIST-%E9%AB%98%E6%A7%BB%E3%82%84%E3%82%88%E3%81%84/dp/B08B6J2CS9