紫電Pの雑記帳

ニコニコのブロマガ閉鎖に伴い移転しました。主にアイマス関連の記事を書きます。2021年9月以前の記事はブロマガから移行したものです。。

「ミリオンライブ Blooming Clover」はゲッサンミリオンに並ぶかもしれない #ミリオンBC









アイマスには直接関係はないが、グラップラー刃牙シリーズにおいて地上最強の生物として君臨する範馬勇次郎の名台詞に以下のようなものがある。

「競うな 持ち味を生かせッッ!!」



勇次郎の友人で怪力無双のビスケット・オリバが、居合いのような神速の戦闘スタイルを使う中国拳法家と戦って苦戦し、相手のステージで戦ってしまったときに発した言葉だ。この後オリバは、そのアドバイスをもとに自身の持ち味である怪力と鉄壁の筋肉で相手をねじ伏せるのだが……。








比較されたり戦う相手より成果を出すために持ち味を生かすのは、漫画においても同様だろう。約1ヶ月前に6巻が発売され、7巻の発売が7月、そして7~8巻相当までが5月6日までウェブ先行公開されているアイドルマスターミリオンライブ! Blooming Clover」(稲山覚也・作)もまた、持ち味を生かすことで大化けしているように思える。













ミリオンのコミカライズについては、旧ミリオンライブ時代の通称ゲッサンミリオン」(門司雪・作)が14~16年に連載され、高い評価を得ている。




未来と静香の関係性に主軸を置き、翼を加えたいわゆる信号機の物語として極めて完成度が高く、一部では「聖典」とさえ言われる。物語から生まれた曲のうち「君との明日を願うから」「アイル」は250を超えるミリオン発の曲の中でもトップクラスの評価があり、もしミリシタで実装されようものならイベントボーダーがぶっ壊れ、いつかライブで再演される時にはその日のセトリの看板として扱われるだろう。

ミリシタから本格的にミリオンの世界観に入り込むようになった私自身も、初手としてこの漫画を勧められ、現在のようにどっぷりとハマる要因の一つとなった。神格化されすぎとの指摘もあるが、連載当時のブランドの状況から某所で見た「Bクラス常連のプロ野球チームで山田哲人みたいな選手が台頭したらそらそうなるやろ」という意見にも頷かせられる。

アイマスのコミカライズは玉石混淆だが、私はスピンオフ系統を除けば、ゲッサンミリオンとざわわんことアイドルマスター2 The world is all one!!」(祐佑・作)が双璧と考える。




ざわわんも最終的には竜宮小町など765AS全員に出番があるものの、基本的には春香・響・雪歩のトリオユニット「SprouT」の物語である。ゲッサンミリオン同様、スポットライトを当てる子を絞って名作に仕上げたタイプの漫画だ。一貫して王道だったゲッサンミリオンと、961プロのスパイがプロデューサーになるという変化球から入って最後は直球の王道で締めたざわわんは路線としては違うものの、根底にあるコンセプトは遠くない。



◇ミリオンBCの持ち味とは



さて、本題である。


本稿で取り扱うミリオンBCは必然、このゲッサンミリオンと対比される漫画だった。現在6巻、連載では8.5巻相当まで物語が積み上がっている。単独コンテンツ化している例外を除けばアイマス関係のコミカライズは5巻が一つのメドなので(ゲッサンミリオンもざわわんも好評を受けて連載を延長して5巻)異例の長編となっている。連載開始は2017年春。ミリシタ発表直後からであり、世界観もミリシタ準拠。桜守歌織白石紬、事務員の青羽美咲は2巻途中からの加入となっている。ASはムビマス相当の場を踏んでいることが示唆されており、天海春香星井美希をはじめたまに出てきては先輩らしさを発揮していく。




BCの主人公は矢吹可奈北沢志保のいわゆるかなしほ、また2~5巻までは特に物語の中心となる、高坂海美箱崎星梨花を加えた「Clover」が主軸を務める。ゲッサンミリオンで主役を張った信号機は、既にある程度の人気がある「シグナル」というミリオンスターズ第一弾ユニットとして登場するが、要所で役割を果たすものの出番自体はそこまで多くない。

可奈も志保も、年齢的な理由もあるがアイドルとしての初期能力はどちらかと言えば低い部類に入る。BCではこの点がクローズアップされており、またCloverでは星梨花も体力面にかなり難がある。対してメンバー最年長の海美はミリオンスターズで屈指の身体能力を持っており、このギャップ、また同時期に結成されたお馴染みトライスタービジョン(田中琴葉、所恵美、島原エレナ、以下TSV)とダブルエース(横山奈緒佐竹美奈子)も比較的スペックが高めのユニットであったこと、これらがClover結成後の3巻からデビューライブまでの5巻に渡る物語のポイントとなる。


※全体的にBCの海美の身体能力はおかしなことやっとる




デビューライブ編は合間にTSVとダブルエースの話を挟みつつ、Cloverの葛藤と成長を描くストーリーとなる。ただ、BCで詳細に示された志保の家庭事情など重めの話や、4人の葛藤のパートが長いため、リアルタイムでは4巻途中あたりまでの評価はほどほどだったという印象が強い。また、BCの絵柄やプロデューサーの造形がゲッサンミリオンと比べればクセがあること、またギャグ表現では年少から年長まで遠慮なく表情を崩していったりするのもあってか、何かと先達と比べられ、また担当P以外には敬遠される向きもあったように思える。

風向きが変わったのは、デビューライブ前に結果が出せない中、弟の陸を泣かせてしまったことで志保が消息不明になり、アイドルを辞めようとした辺りからだろう。ムビマスとは真逆の形になるが、可奈、海美、星梨花が志保を救うシーンは、それまでの蓄積と「連鎖」を生かした名場面であり、この辺りから「連鎖」を生かすBCの強みが発揮され始める。

ここでいう連鎖とは、人間関係でもある。主な登場人物を信号機+数人に絞っていたゲッサンミリオンと違い、BCはCloverとシグナルを除く他ユニットを軸に、段階的ではあるが比較的広めにミリオンスターズの出番を増やしていく傾向がみられる。それは時に物語の進行を遅くするのだが、海美がかつて通っていたバレエ教室のエピソードや、悩む星梨花にドルオタらしい視点でアドバイスする松田亜利沙、そしてムビマスを思わせる関係性で志保の価値観を揺さぶる水瀬伊織といい、多様な人間関係の交錯がストーリーを構築するのだ。それは、3ユニットのライブシーンが描かれ、ユニットに選出していないメンバーが前座やサポート役としてライブにかかわる5巻も同様である。


Cloverの4人のみのストーリーでは、BCは良作の域を出ないだろう。

ただBCの持ち味であり強みは、繰り返すが連鎖である。その起点は可奈と彼女のアイドルとしての特性であり、それが波及してユニットメンバーを変えるきっかけになっていく。それはCloverだけに留まらず、高山紗代子765プロに合格して恩返しとばかりに彼女をサポートするきっかけになったり、ゲッサンミリオンでは物語の鍵だった最上静香の「時間問題」を春日未来が一定程度解決することにつながっていく。


Clover以外の――夜想令嬢などが中心になる6巻以降により顕著になるが、ミリオンBCは群像劇を描くことで十全に力が発揮されるのだ。






実は2巻の時点で示されていたコンセプトではあるのだが、連載期間を縛られない長編でなければ実現するのは困難である。どの段階で「ミリシタが安定飛行に入ったし期間決めずに描いていいよ」となったのかはわからないが、世界観――物語の風呂敷を恐れず拡げていけるようになったのが大きく奏功したのは間違いないだろう。5巻から6巻にかけてミリオンBCは既存作品との対比や連載期間の軛を脱して、単体ユニットメインからシアター全体を掘り下げ、交差させる群像劇に移行する路線を確立することで独自のポジションを確立していく。





夜想令嬢を軸に、さらに拡がる群像劇




デビューライブ編は、3ユニットが無事にライブを成功させ、Cloverは新曲「Clover days」を披露し、志保がコラでおなじみの例のシーン以来ぎくしゃくしていた弟のりっくんや、可奈との関係を改善させて一区切りとなる。既存のアイマスコミカライズなら、ここで連載完結となりそうな場面だ。

ちなみにTCの選挙戦やクルリウタのコミュを見ていると、このライブで「前座」を務める茜ちゃんこと野々原茜がより刺さるのだがそれは別の話。


やや脱線したが、BCでは6巻以降、新ユニットのストーリーが展開される。中心には引き続きCloverが居て、ユニットの方向性を模索しながら成長していく。後述する30話では、その完成形の一端が示されるのだが、そのきっかけにもなるのがミリシタのMTGユニット一番手にして、ミュージカル風の楽曲、そしてライブでもミュージカルをやり遂げることでアイマスの歴史に大きな一石を投じた「夜想令嬢」(二階堂千鶴天空橋朋花、所恵美、百瀬莉緒)だ。ちなみに筆者がミリオン沼に頭まで浸かり、万難を排してライブ現地参戦するに至った最大の要因でもある。 6巻以降は、彼女たちがCloverとともに世界を拡げていく。






分厚い設定資料集が存在していると明言されている夜想令嬢だが、実はゲーム本編での情報は意外に少ない。また、イベントコミュでも4人は最初からある程度適応しているが、専門家である演者さえ苦闘したエピソードを踏まえれば、実際には演劇をやるのは容易でないのは確かと言える。

BCの夜想令嬢は、演じることに長ける千鶴と朋花はともかく、恵美と莉緒が迷走することになる。形は違えど、それは「ミリシタでもこういう背景はあったのかもしれない」と思わせるエピソードだ。

BCの恵美は、夜想令嬢の前からTSVのメンバーとして活動している。この3人は旧ミリオンライブからの歴史ある組み合わせであるし、4thのアニメでも、琴葉合流コミュでも3人一緒だ。MTWでも念願だったユニット曲が近く公開されるのがほぼ確実である。 (5/7追記 どうも外したようで……予想記事以外で予想外すの恥ずかしいの極みです)




だがしかし、恵美はご存じの通り過剰なほどの気配り名人である。夜想令嬢としてレッスンをしていても慣れない演劇に苦戦し、自分らしさを封じて「うまく演じる」ことに苦悩し、失敗のたびに夜想令嬢のメンバーや「演じる仕事がしたくてアイドルを志した」琴葉のことを思う。さりとて慣れないメンバー間では迷惑をかけられないと弱音も吐けず、ますます泥沼に入り込む。

ちょうど同じ頃、可奈も「うまく歌う」ことで壁にぶち当たっており、志保ともケンカしてしまっていた。一人悩んでいた恵美は偶然可奈たちと出くわし、互いに「うまく歌う・演じる」ことが間違いではないかとまでは気づくのだが……。









ここでプロデューサーのはからいで派遣された双海亜美・真美の仲介もあり、志保を除くCloverとTSVが集結。ゲーセン、カラオケを通じて、迷宮入りしかけていた2人の悩みを解きほぐしていく。こうして可奈は志保から出されていた「宿題」をクリアして仲直りし、恵美も演技面で壁を一つ越える。







そして、演出家からは当初封じるよう指示していた「恵美らしい」温かさや優しさが、恵美自身が殻を破ったことで演じるエドガーに好影響をもたらしていると指摘される。これはドラマCDやゲーム内コミュでの夜想令嬢にも言えることだが、エドガーからは恵美らしさも滲むところはある。







一方、恵美ほどは演技に苦戦していないものの「私は私に自信がないから、どの演技が正解か自信がない――」という莉緒は、恵美を励ませなかった自責の念もあって、新しい挑戦としてセクシーを封印し、同様に可奈と志保のケンカを止められなかったことを悔いる海美と同時並行で迷走する。




※誰だお前。



ちなみに恵美と違って莉緒は演技能力自体はそこそこ高い(ので演技プランを複数用意できる)ので、この後はとあるイベントを経て、海美とともに宮尾美也のアドバイスもあって吹っ切れる。この辺りは再来月発売の7巻でも見られるので、無料公開ページか単行本で見てほしい。志保が演技方面に開眼するフラグも立てているので、かなり先の伏線にもなっている……気はする。


続いて千鶴は、後述するジュリア・星梨花と連なるエピソードで自分の選択と向き合うこととなる。

千鶴の演じる主演のアレクサンドラは、男装の麗人にして高潔な騎士である。高位のヴァンパイアさえ単騎で討ち取れる浄化の異能と卓越した剣技を持つが、妹のノエルを案ずるがあまり選択を誤り続け、劇中では明示はされていないもののおそらく最悪の結末を迎える(それがまた良いのだが)。

そのアレクサンドラを演じることは、ささいなきっかけでセレブを演じることになり、そのままスカウトされてしまい破綻と隣り合わせのセレブアイドル人生を歩むことになった千鶴自身と向き合うことを余儀なくする。これはゲーム内コミュでも触れられている。







千鶴自身の場合は「期待を裏切りたくない(そして破綻しない程度の才能と努力もできる)」、アレクサンドラの場合は妹を傷つけたくない、という違いはあるが、ある意味で同根の問題だ。


 
※1巻おまけより







「選択と責任」。


定期公演で彼女は、かつてのバンド仲間と出くわして過去と向き合うことになったジュリア、父親とアイドルを続けるか否かで対立してしまった星梨花とともにある曲を歌う。ゲッサンミリオンの「アイル」を想起させる演出で、また観客の多くはその背景までは理解できずとも最高のパフォーマンスに酔いしれるところも同じなのだが、今の道を進むことを肯定する歌を歌うことで、アイドル二階堂千鶴もまた、一歩前に進むのだ。





多分この曲は、冬ごろの8巻特装版CDに入るのではなかろうか。





そして、天空橋朋花である。

作中でも演劇に限らず、何もかも完璧とまではいかないものの天賦の才があると評価される朋花。しかし、彼女自身が自分から歩み寄るタイプではないため、夜想メンバーもそこまで踏み込めずにいた。って、こうやって書くとこの時点においても内外共通のキャラクター性なんだなあ……。

ミリオンBCでは、朋花の幼少時の姿が明確に描かれる。BCではこれまでも志保の家庭環境、うみみのあねね、星梨花パパ、ジュリアの過去のバンド活動、ひなたの実家などの新設定が公開され、いくつかはミリシタでそのまま登場している。7~8巻相当のジュリアのエピソードも、いずれメインコミュか何らかのイベントコミュ、あるいは曲名SSRで出てくるだろう。

全てがそうだとは言わないが、ミリオンBCは膨大な設定があるミリオンの設定をある程度先出しする役割も担っていると考えられる。現状ではコミュやイベントも出せる数が決まっており、塩漬けになっているものも多いはずだからだ。


本題に戻ろう。朋花は幼少時から天性のカリスマ性があり、それゆえにその運命にふさわしい自分であろうとしていたと本人の口から語られる。
 



しかし朋花はプロデューサーに「人に崇められるばかりも楽じゃなかっただろう?」と問われる。彼女は聖母であり続けることを幸せだとして「運命は自分の理外にあるが、それを幸せとするか不幸とするかは自分の心持ち次第です」と回答する。





そうした中で描かれたこの一コマは衝撃的だったのだが……。
一方で朋花は765プロに入り、仲間を得たことで生まれて初めて心境も変わった、そして「聖母として子豚ちゃんたちを導くのと同じくらいに、誰かとともに道を歩めることは心温まることなんですね」とも語る。この時の表情がまた良い。ブレハモのイベントの際にその一端はあったが、少なくともミリシタ時空において、ここまで朋花の内面が示されたのは初めてのはずだ。これもいずれゲーム本編で還流される内容だろう。もしかしたら次の曲名SSRもありうる。





この時よりさらに一歩二歩踏み込んでいるように思える。この辺り、天空橋朋花検定免許皆伝のこっこちゃんに機会があれば語ってほしいところであるのだが……。




さて、朋花ともっと仲良くなりたいとプロデューサーのところに押しかけてこの話を聞いた気配り名人揃いの夜想令嬢のメンバー3人は「ともにアイドルとして道を進む同志になりたい」と今まで以上に朋花との距離を詰めていく。そして4人で稽古に入る場面の見開き。このシーンは読んでいて、思わず山王戦の安西先生みたいになってしまった。




夜想令嬢、ユニットとして完成するには絶対に朋花との距離を詰めていく場面があってしかるべきなんですよね。朋花自身は上記のように思っていてもお友達作戦をするような子ではないし、だからこそ3人の方から距離感詰めていくシーンが必須なんですよ。それでこそあのミュージカルがさらに完成するわけですね。そういう意味でもこのユニットを深掘りしてくれたBCには感謝しかないんですよね(ろくろを回す)





そして、いよいよ月末の最新32話ではBC版夜想令嬢公演が描かれる。Cloverら他ユニットと連鎖して好循環を生み出しながら、公演の目玉として登場するミュージカルと「昏き星、遠い月」がどうなるのか楽しみで仕方がない。しかし、ここまで影も形もない伊織や昴はどうするんでしょ。ルカはともかくノエル抜きは無理がありそうだけれど……。




◇時代の風と「Clover days」という曲




夜想令嬢のエピソードと並行して、劇中では木下ひなたのストーリーも進行している。立派なアイドルになるまで家族とは会わないと決めていたひなた。シアターの「7日間連続公演」の初日にCloverとエミリーと共に出演することとなり、いよいよ満を持して家族を呼ぶことになったのだが……。
(ちなみに31話において、彼女の地元は北海道壮瞥町で確定した。出身ではないけれど土地勘ある道民の私が言うので間違っていることはありえない。おそらくミリシタでは「"Your"HOME TOWN」イベントの際にこの設定が還流されるはず)

しかし、無情にもひなたが出演する公演初日は、関東に台風が直撃することが確定的となっていた。




公演2日前、プロデューサーは公演初日の中止を決断する。可奈の「少しだけでも来てくれる人のためにできないか」という提案に、プロデューサーは「ファンやみんなに危険があるから中止にするんだ」と諭す。エミリーは「ひなたさんは家族を呼んでいる。ひなたさんが楽しみにしていたその公演がなくなるなんて嫌です」と彼女にしては珍しく大声を上げる。

しかしひなたは、かつてリンゴ農園が台風で壊滅した経験を挙げながら「生きていたら仕方ないことがある」と農家らしい諦観の笑顔を見せた後、明後日はライブもなく、家族にも会えないことを再確認し――








この回が掲載されたのは約一カ月前の3月末である。

既にミリオンクルーズやアイマスMR、SideMプロミやシャニのスプパが軒並み中止になっていたとはいえ、このエピソードがこのタイミングで載るように構築されたのは早くとも半年は前のことだ。しかし、あまりにもタイムリーすぎる。
だからこそ、偶然であってもこの回のエピソードは強く胸を打つ。

「何かできないか」

可奈の提案を皮切りに、シアターが一つになって動き出す。





この回は無料公開分より先のストーリーなので詳細は省くが、5巻のライブ場面と同じくらい、最終話かと思えるほどにこれまで拡げてきた世界を生かす構成になっている。贔屓の夜想令嬢を抜きにしても、私がミリオンBCが大化けしたと公言する所以だ。

悩んでいたひなたは、シアター一丸となって作り上げた成果を見ながら、改めてアイドルとしての原点を再確認する。そしてCloverはある方法で「Clover days」を披露するのだが……。





このコロナ禍の状況に、念願のアイマス15thイヤーが来年も含めて壊滅必至の状況に、ひなたのエピソードとこの曲の歌詞は刺さりすぎる。本当に、誂えたかのように。
舞い上げて Clover Days
長い長い 夜を越えたら
傷跡も痛みも 未来に変えよう(Aサビ)

追いかけて Clover Days

涙と 夜を越えたら
足跡を辿ろう また会えるはずさ(Bサビ)


歌詞全部乗っけると色々問題があるので、全体の歌詞は検索して確認してほしい。


コンテンツの顔となる曲は、望むか否かに関わらず、しばしば時代やブランドを巡る風を背に受けることとなる。リアルタイム組でない人間が言及するのは烏滸がましいという無粋を承知で言えば、おそらく「君との明日を願うから」もそうだったと思える。
Clover daysは第一義としてはCloverの軌跡を歌い、またミリオンBCという群像劇を象徴するような一曲だ。6thライブのライブ前やミリラジのほか、ニコニコでの予想メドレーやランキングでも聴く機会があるので、特装版未所持でも曲自体は知っている人は少なくないだろう。
ただ時勢の変化で、同時にこの時代にこそ求められる曲になったように思える。降りやまない雨の日、あるいは長い長いトンネルの先で再会を約するこの曲は、明日がまだ見えない今の状況で、否応なしにもう一つ意味を持つ曲になった。




アイマスのフルライブ開催は下手すると2022年まで待たされかねない情勢だが、それまでイベント依存度の高いこのコンテンツが生き永らえて再会の場が来るのなら、この曲はそのステージの目玉に相応しい曲となる。特装版の特典だったことを踏まえれば少し早いが、君明日やアイル同様に配信をして多くのPに知ってもらいたいし、万一好転に好転が重なって箱を抑え済みであるMOIWが開催されるなら、君明日を差し置いて披露されてもいい曲だと思える。





◇おわりに




ミリオンBCは今後も当面は連載が続く見通しで、5巻の匂わせを見る限り今後はロコのエピソードも予想される。ユニットを組むなら、他メンバー3人もこれまで露出が少なく、アイドルの価値観のストーリーもできて終始エモエモなじぇりぽか、出番待ちの茜ちゃんとのデュオだろうか?(じぇりぽの場合、桃子はざわわんに千早が終盤まで出られなかったような事情があるのがネックだが)


連載期間の縛りが(多分)ないこと、また連載継続中でCloverや夜想令嬢がたどる結末もまだ見えないという留意点はあるが、ミリオンBCは既存作品とは違った形で"アイマス"をやり切ろうとしている

クセは強いしアイドルの成長のために何かと曇りがちではあるが、泥臭さも含めて中村繪里子が10th後に語った「秘密の魔法も与えられた奇跡もわたしたちにはない。あるのは"日常"と"努力"の積み重ねだけです」という言葉も想起される作風である。
これが群像劇として完成に至ればアイマスコミカライズの金字塔になる可能性が十分に見込めるし、そうなれば少なくとも、まるで違うルートをたどりながら、ゲッサンミリオンと並ぶ評価に至るだろう。

ちなみに私が体調崩していたせいで記事掲載がギリギリになってしまったのが申し訳ないが、BCの7~8巻相当は本日6日いっぱいまで無料公開中である。この記事でちょっと興味を持った人、電書ベースでいいならまだギリギリ間に合います。よろしくお願いします。