紫電Pの雑記帳

ニコニコのブロマガ閉鎖に伴い移転しました。主にアイマス関連の記事を書きます。2021年9月以前の記事はブロマガから移行したものです。

【ミリシタTC】ある #TC菊地真 陣営Pの回顧録と分析、感想 #アイドル投票TC


12/19~1/19までの1ヵ月間実施されたミリシタの「THE@TER CHALLENGE!!」は、2/15に結果が発表されました。






真は752199票を獲得。無事にベルベット役を勝ち取りました。




イベントとCD発売はまだまだ先ですが、投票という意味でのTCは一区切りとなります。
私は今回、菊地真陣営の中心メンバーの一人としてベルベット役を狙ってTCを戦いましたが、陣営がどのように戦ったのか、また開戦前から投票終了まで稼動した菊地真Discordがどのような役割を果たしたのかを書き残していこうと思います。これは、期間中もDiscordが作戦会議場になっていることについて一言も文句を言わず、多くの提案を聞いていただいた真コンベの参加者への義務でもあると考えたためです。


記事の第一義としては、おそらく私が今回のようには関われないであろうTDの菊地真陣営に向けた記録まとめなので、読み物としては極めて冗長かつ画像が多めです。その点についてはご了承ください。


また、twitterとコンベのログ(matsurihi.meから回収)については誰でも見られたものとして完全公開、Discordについては発言ログは一応クローズの場として黒塗りで出させていただきます。



■目次
1.TC発表~テーマ・役公表まで

2.12月12日。TCのテーマ・役発表
3.役発表から投票開始まで
4.開戦。激動の12月19日
5.一斉投票に向けた準備と各種企画展開
6.一斉投票 #ゆくまこくるまこ 作戦
7.年末年始~二度目の一斉前の企画
8.二度目の一斉 #ベルマッコ隊一斉特攻
9.最終日までの企画展開
10.真陣営の勝因
11.TDに向けた教訓
12.運営への要望
13.雑感





1.TC発表~テーマ・役公表まで




TCの発表があったのは昨年の10/21、ミリシタ感謝祭の場でした。私もニコ生で視聴しており、AS参戦に沸き立った一人でした。



「THE@TER CHALLENGE!!」とは?

去年実施されたシアターブースト企画の第2弾!

ミリシタのゲームをプレイすることで手に入る投票券をつかって、
発表されたテーマと配役にあったキャストをプロデューサーの皆さんが投票していただくキャスティング投票企画です!

キャスティングされたアイドルは、楽曲やコミュとしてアプリ内に登場いたしますのでお楽しみに!

今回の「THE@TER CHALLENGE!!」投票対象アイドルは765プロ所属する全アイドル52名!

https://idolmaster.jp/blog/?p=53655







冷静ぶってましたが「やってやる、やってやるぞ」と意気込んで、すぐにTA・TBに関するブログや掲示板の過去ログを片っ端から漁り始めたことを覚えています。陣営の中心メンバーになるつもりはこの時点ではありませんでしたが、初参戦かつ決して強豪ではない菊地真を勝たせるには、並大抵のことでは難しいと感じていたからでした。



ちなみに100位ボーダーだと真は52人中で41位。ステラステージのSランク到達率も後ろから数えたほうが早く、この手の数字ではやはり中堅以下という印象になりがちです。TCに
枠拡大がなかったこともあり、TC序盤戦までは周囲の認識もそのようなものが少なくなかったと感じています。



この時、私は「戦場があるならそこに向かわんとね」「戦わず後で後悔したくない」とツイートしました。


背景には、他のAS担当Pの方も既に述べられている通り、8月のプロミが終わり、さらに9~10月のアイマスMR2ndも終わったことで、ASの予定が完全白紙になっていたことも影響しています。(後に年末のLLCで、何かしらは動きがあることは示唆されましたが)
17年末発売のステラステージとその後の関連CDは売れ行きが不振で、プロミで歌うことが確実視されていた「shy→shining」に至っては、とうとう初動での販売数が五桁割れしました。プロミ現地にも相当数、CD買わないまま参加したPがいたということで複雑な思いもありますが、私も初星の前にMPシリーズを全て揃えてなかったので偉そうなことは言えません。

そのプロミでは中村繪里子さんから「私達の手を離さないで」、沼倉愛美さんから「これからもずっとアイマスをやりたい」という魂の叫びがありました。さらにMRでは、真や律子たちアイドルの口から、これからも一緒に走り続けてほしいという思いが我々に届けられ、古参も新参も、AS担当Pの士気が上がっていたその矢先でした。


チャンスを与えられた。ここで自担の力を見せなければ次はないかもしれない。


もちろん、プロデュースのやり方は人それぞれで、決してTCだけがその方法ではありません。ですから私も含めて真Pたちは無理強いはしませんでしたが、とはいえやるからには勝ちたいと願い、Discordや某所の掲示板、非公式コンベンションセンター(以下コンベ)などで雑談レベルの話し合いを始めていました。私はTCに向けた記事を書いたり内外、水面下で動き回っていましたが、前述の記事や以下のツイートなどではやんわりと「カッコいい女性役」を推していました。



ミリシタはサービス開始時からアカウントは作っていたものの、毎週7日間ログインするほど腰をすえて始めたのは4月から。TBの頃は特定の陣営に属さず、ただの外野でした。
そんな私でも「ミリシタではかわいいを目指したいという一面だけがクローズアップされて、真の魅力の一翼であるカッコよさが伝わっていない」と感じていました。こうしたツイートの背景には、役の有無や勝ち負けも大事ですが、残念ながらミリシタのライターが真の魅力を伝えきっていないことへの不満がありました。これは私に限った話ではないと思います。


私が本格的に行動を起こしたのは12/5でした。この時、役発表と見込まれるニコ生が12/12に決まっており、TBの前例からすると12/13からTCがスタートする可能性も十分にありました。
しかし、菊地真Discordもこれといった動きはありませんでした。そこで焦れた私は「そろそろ議論始めないとまずいんじゃね?」と呼びかけ、賛同を得て翌12/6にtwitterへの告知を始めます。







役発表前の議論は拙速ではないか。また、Discordという非公開の場で決めて(復活も予想されていた)コンベに結論を押し付ければ荒れるのではないか。


そうした懸念も当然ありました。しかし、こと真については早め早めに動かなければならない事情がありました。菊地真というキャラクター性が、担当内でも意見の相違を招きやすいものだったからです。

菊地真は一言で言うならば、カッコいいとかわいいの2面性、及びそのギャップが魅力のアイドルです。しかし、先日のMORでの篠宮可憐役の近藤唯さんと春日未来役の山崎はるかさんの「菊地真話」でも改めて示されましたが、同じ「自転車」が好きでも主にカッコいいだけを見たい「ファン」を自称する山崎はるかさん、P目線で真のかわいいも見たい近藤唯さんの意見の違いもありました。他にも、かわいいを最優先で見たいというPもいます。一方、詩花役の高橋李依さんはかつて男体化した自分と真をカップリングしていた。

そうした菊地真観の違いは一口に真Pと言っても千差万別で、公式シナリオと解釈違いを起こすこともしばしば、アイマス2などのように絶許案件になったりすることも珍しくありません。また、一般的にSideMを除けば男女比が8:2弱(2017、2018のプロミのアンケによれば83:17)アイマスにおいて菊地真Pの男女比は女性がかなり多く、一説には男6:女4に達するとも言われています。3回行ったアイマスMRの真回も7:3はあり、今回のTCの中心メンバーも7:3以上の比率はあったと推測しています。世代も上は五十代から下は十代の学生さんまでおり、専任で何があろうと真に殉じるというPもいれば役柄と雰囲気次第という兼任Pもおり、真に対するスタンスも十人十色でした。

そんな真Pたちですから、初動で勝負が決まることも珍しくない投票イベントで開始後に役を決めようとすれば議論がギスギスしやすくなり、最悪の場合は四分五裂の末に空中分解して終了、という可能性もありました。そもそも真に限らず、選挙戦がスタートしたタイミングで一から役を決めることになれば、ただでさえ遅れを取っていることの焦りからギスりやすくなるので、よほど強豪でもないとリスキーすぎるかと思います。

しかし、クローズドの場だけで決めたことをただコンベに下ろせば、反発は必至です。私を含めて数人はニコ生で役発表後の12/13開始を前提に動いていましたが、そこで私がまず考えたのが、「Discordの考えを押し付けない」という原則中の原則に加えて、「Discordを実質オープンチャンネルにしてしまえばいいんじゃね?」でした。
1~2日に一回ペースでDiscordで議論していることをツイートし、きゃのんPをはじめとするフォロワーの多い真Pにガンガン拡散していただきました。この点、1200フォロワーがいるもののアイマスではなく歴史クラスタが多く、真Pとの横のつながりもMRまで限られていた私にとっては、非常にありがたいことでした。

役の方向性を作っていくにあたって、私はTBでの仮想投票を提案してみたり、






それぞれの菊地真観を積極的に語ってもらえるような場を整えました。こうしたことも、いざ始まってしまえばそれどころではなく、また開始後の方がより摩擦を生みやすいと考えたためでした。











かわいい役を取れるものなら取らせてあげたい、という意識はありつつも、真の強みを活かせるカッコいい路線を求める声が大きくなっていました。とはいえ、ここでカッコいいに振り切れすぎると可能性を狭めてしまうだけでなく振り落とされる人も増えるので、釘を刺していきます。










というかミリオンライブ、真に男装させすぎだったのでは。52人もいると仕方ないんですが……。範馬勇次郎の名言に「(相手の得意分野で)競うな 持ち味をイカせッッ」というものがありますが、ここまで行くと振り切れすぎで「上等な料理に蜂蜜をブチまけるがごとき思想」では?ですね。Pが手綱にノータッチで、(主に低~中ランクの真が思う)かわいいに振り切れすぎてもまた同様ですが。









当然、かわいい役を求める声もありましたし、この段階でそれを否定する動きはありませんでした。何せ役発表前です。TC期間中Discordでもコンベでも一貫していましたが、真Pは極力火種を作らず摩擦も最小限にすることを多くの方が心がけていたと思います。それは前述の通り真に勝たせなければならないという思い、また脱落者を多く出して勝てる陣営ではない、と言うより自分たちは弱小だ、という思いがあったからでしょう。一言で言えば、






「お前まだ、自分たちが贅沢言える優位な立場だとでも思ってるんじゃないかね?」
戸愚呂のように言うならそんなところでしょうか。優位な展開はよほど上手に戦わない限り生まれず、原則逆境。それは理解している方が多いなと感じていました。

それゆえに、ここでは紹介しませんが万一の際の転進の是非も、この段階から話題にはなっています。







この時はあまり直截には言及しませんでしたが、私はカッコいい路線を進んだと仮定して、個人的に「この相手とだけは戦いたくない」というアイドルが4人いました。


1.北沢志保

知名度・人気ともにミリシタ最上位級の強豪アイドル。過去2回で辛酸を舐めており、意気込みと準備の周到ぶりは役の発表前からAS担当の自分にも伝わってくるほど。ぶつかりそうなら転進も検討。

2.如月千早
論外。真Pと同じかそれ以上に士気の上がっている千早Pにとって、最大のご褒美である新曲のかかった戦いでは誰であろうが到底太刀打ちできない。今回は間違いなく52人で最強なので、被らないことを祈るしかない。

3.星井美希
言わずと知れたAS一番人気でミリシタでも最上位級。真同様にカッコいいとかわいいの振れ幅が激しいものの、もし同一の役でぶつかってしまえば苦戦は必至。漫然と戦って勝てる相手ではない。

4.白石紬
金沢の台風、あるいはパルプンテ。上3人よりは当たる可能性が低そうだが、人気もさることながらTBのようにムーブメントを起こしてまたしてもハマったら手がつけられない。



……とはいえ、この時点では「TCは13人増えるし4テーマ20役になるだろう」と楽観視する声も多く、私もどうにかなると思っていました。危機感とは何だったのか。
こんな調子で本格始動してからの1週間は終わり、運命の12/12を迎えます。





2.12月12日。TCのテーマ・役発表



12/12、20:30よりニコ生が始まりました。告知の効果もあり、この時点で菊地真Discordは1週間で100人以上が追加で加わり(既に他陣営の方も多々おられましたが)、後に19日の開戦前には計200人が参加していました。じゃんじゃん人を呼び込んでオープンチャンネル化してより議論を活発にし、さらに密室感を薄める作戦はそれなりに機能したのかなと思います。意見の相違で荒れる可能性だけでなく議論や作戦がだだ漏れになるのはリスクがありましたが、コンベ復活の可能性が指摘されていたこともあり、そこまで気にしている方はいなかったと記憶しています。

ニコ生では開始早々に役が発表されていきました。以下、役発表から30分間のざっくりとしたログです。









20役ではなくTB同様15役だったことには、衝撃が走りました。(結果的には15役だからこそイベントが盛り上がったとは言えますが)そうした中、私を含め少なくない人数が「この後、日付変更と同時にスタートでは」と懸念していたため、0時までの始動を意識したガチ議論となりました。









友達、オオカミ、旅人、ダスク、バスターブレイド、ベルベットなどの意見が上がります(後にメイドも)。見ての通りベルベットの声は既にかなり多かったのですが、私自身はバスターブレイド派でした。ただ、進行役だったこともありそうした意見は封じ込めています。

思ったより意見が割れなかったこと、事前にTAのロコのような電撃戦ができればベスト、という意見が出ていたこともあり、21時を前に議論は一気に進展します。オオカミについては、2枚目のSSRがライオンというケモノ系衣装だったこともあり、2枚もケモノ系衣装見たいか?という声もあって収束。その中で台頭したのはベルベットでした。「圧倒的な強さ」と、言わずと知れた真の765プロ最強っぷりの関連性、また「無尽合体キサラギ」でのハルシュタイン閣下に付き従うマコト役のイメージも、自他担当ともに理解されやすいとして根拠になりました。

何より、ベルベットという女性名黒薔薇や黒いペチュニアにつながる花の名前ならば、懸念された男役ではなく強く美しき女幹部だろうと想像できます。さらに悪の女幹部という役は、無印コミュにおいて真のパーフェクトコミュニケーションを引き出す選択肢の一つでもありました。



ω



※元映像はニコマスPにはおなじみ、菊地槍シリーズより拝借しました。


こうした流れもあり、三桁単位のPが集まった議論は加速していきます。









ここで私を含めた参加メンバーが次々と、様子見のツイートとさらなるDiscordへの呼び込みを始めます。役発表からここまで約30分でした。


あとはパワーワードとは言わずともキャッチフレーズを出せば支持が広がるのではないか。そんなふうに皆が考える中、(ご本人がツイートで明かしているので隠しませんが)あおぴさんが呟いた言葉が一つの流れを作りました。





役発表から30分そこそこ、陣営の旗印となるキャッチフレーズが生まれた瞬間でした。





すかさず、私はタグに#ベルマッコ を追加。


結局この日のニコ生は、19日の開戦と(画像で)公式コンベの復活が告知されただけで終わりました。私はすぐにブロマガ執筆に取り掛かり、中身スカスカではありますがベルマッコ路線を推す記事を13日0時過ぎに投稿。そのまま他陣営の情報収集に走りました。
さらに人数を増やしたDiscordでは私を含め「電撃戦できたから13日からでも良かった」と余裕のコメントも出るほどでしたが、その状況を一変させるニュースが入ります。

星井美希Pの一部で、ベルベット参戦が検討されているという知らせでした。





3.役発表から投票開始まで









美希がベルベット役に来る可能性がある、という情報が入りましたが、一方でこちらの陣営ほど広くそれが共有されているわけでもないのかな、というのも何となく伝わってきていました。この時のDiscordでは見ての通り、相手にとって不足なしという意見が大半を占めていました。せっかく大分裂せず意見がまとまったたのに退くことなどできない、という考えもあったかと思います。

そんな中で、美希を含めたライバルに打ち勝つため、開戦までの1週間で何をすべきかという議論が始まりました。より多くの真Pを巻き込むのはもちろん、ベルベット役に限らず世界観やキャラクターの方向性を固めていく作業が始まります。これは序盤戦からマーケティングの武器となり、結果的に真の勝利を引き寄せる大きな要因となりました。









今回のTCで、私は昔ニコマスを見ていたある知人を焼肉で説得し、ミリシタを始めてもらって真を支援してもらいました。ただ、その中で彼に言われたのが、

「なぜ真がハードボイルド作品のヴィラン(悪役)なんだ? ヒロインにすればすっきりするのに」

という言葉でした。
他の子よりは悪役(敵役)をやることへの心理的ハードルは低いですが、それを差し引いてもそこをどう説明していくかは課題になりました。そこで、「悪役ではなくダスクたちと反発する別の正義なのだ」「文明が崩壊した世紀末で、アウトレイジ軍は北斗の拳ラオウ軍のように(北斗恒例の後付けだけど)力をもって秩序と規律を取り戻そうとしているのではないか」といった意見が出始めます。これを受け、選挙期間中を通じて真当選の最大の原動力となった絵師さんたちが動き始めます。

期間中を通じて活躍していただいたあこさんが、この日は方針固めてから1時間強で1枚描いていただきました。この1枚が一つのベクトルになりました。さらに翌日のみんてぃあさんの漫画も風を吹かせてくれました。






https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=73173464


マント! へそ! 大好き!


投稿イラストはもっとサイバーなものだったり狂戦士チックなイラストもありましたし、無論それはそれで美味しいのです。ただ、役発表から1日以内の作品では特にあこさん、みんてぃあさんのイラストは陣営が推し進めたいベルマッコのイメージを強化するもので、

・最強の女戦士でありながら深い情愛がある
アウトレイジ軍なりの大義のために戦っている
・忠義に篤く、華々しいor悲運の最期を遂げるのでは? と思わせる


といった点で、魅力ある敵役・ベルマッコの支持拡大につながったと分析しています。
私はイラストは描けず、動画も諸事情でメインPCが手元にない状態だったのでこの時点では作れず、仕方ないのでおはなしジェネレーターなどを使いながら「悲運の忠臣路線」をPRしたりしていました。付き合いの長い方はご存知の通り、昔っからこういうの好きでして、ええ……。



それにしてもこのP、11年前のニコマスデビューから変わらず頭世紀末である。


Discordでも、時期は前後しますが「ファイナルデイとは幼馴染で、世界に秩序を取り戻すため戦うことを誓った」とか「アマリリスの力に狂ったファイナルデイは間違っていると思いながらも、その破滅に殉じる」だとか「バスターブレイドの攻撃からファイナルデイを庇って戦死する」といった妄想設定が次々と出され、絵師さんたちがその設定を次々取り込んだりしたこともあって情報が拡散されていきました。


一方で菊地真陣営は、箱推しについては当初から一貫して否定的な方向性を維持しています。開戦後にああいうことになるとはこの頃は思ってもいませんでしたが……。






そして、美希参戦の噂は当然ベルベット一本化への懸念をもたらします。これ自体はむしろ歓迎すべきことで、議論がより活性化されました。AS最強の美希を避けて「勝算のある」バスターブレイドなどに転戦すべきだという提案に対しては、多くの意見が出ています。










隠れバスブレ派だった私もこの反応。開戦後により鮮明になりますが、この時点で既に多くのPが、多かれ少なかれ自分の意向を飲み込んで一致団結のためにベルマッコを推そうと決めていました。














ちなみに最古参級の真Pの一人であるきゃのんPはこんな解釈。私も同意。







こうした議論の経緯もあり、少なくともコンベ開設までは例え誰が来ようと退かないこと、議論では言葉を選ぶことがしっかりと周知されました。後者については特に徹底され、終盤でも中心メンバー間で、問題になりかねない発言に対して「あまり強い言葉を使うなよ……」とたしなめることもありました。

転進の議論が終わったことで、再び世界観とベルマッコのイメージについての議論が再開されます。





後にベルマッコイラストの共通衣装のようになるマントについての議論も。








この辺りの妄想も取り込んだ一つが、よりよもさんのベルマッコイラストでした。
刀剣あるいは素手(鉤爪)で戦うスタイル、敵には冷徹だが部下に優しいという設定も、同時多発的にこの頃から出てきています。


さらに妄想は広がり、アウトサイダーの世界観の話題に。





先生、1994年発売のFF6はちょっと旧いどころじゃないです。





アイマスMR真回の時も感じましたが、担当Pだけで心ゆくまで話をする機会って滅多にないんですよね。そういう意味でも、投票イベントは(問題やリスクも多いですが)価値あるイベントだと思います。

そして初動の動きがまとめられたのを見て「あ、これこそ私がやらんとな」と思いつきます。記録、内外のダイマ資料などに役立つtogetterまとめは大半が私の担当でしたが、さっそくまずイラストまとめを作りました。このイラストまとめは選挙戦ラストまで随時更新され、結果的にダイマ資料として活躍してくれることになります。

【ミリシタ #アイドル投票TC 】菊地真をベルベット役に推すイラストまとめ #ベルマッコ #TC菊地真

https://togetter.com/li/1298886

イラストでのPRには、韓国など多くの海外Pさんも参加してくれました。

この頃の私はtogetterまとめと並行して、毎日の告知で人を呼び込みつつ、スタートダッシュのために何ができるか考えていました。




18日の決起集会を決めた上で、私はこの辺りから真の曲に引っ掛けて最初のデイリー投票企画「#真とヨーイドン」を検討していました。デザインセンスは論値なのですが、幸い動画制作歴の長さもあって素材やフォントはそこそこ手持ちがあったので、他のPの意見も聞きながら告知画像を模索。最終的に皆さんからOKをいただき、以下の形に落ち着きました。





うーん微妙。マイナー曲でミリシタからのPには通じない「ヨーイドン!!」を選んだので、まこちーに登場してもらったり、歌詞を入れたりと工夫したんですが……。まこへそ……。

文面も他のPに監修していただき、ベルマッコの文字はあえて入れず、自由投票であることを強調しました。この頃には各種イラストなども拡散し、ある程度ベルマッコでまとまるだろうという見通しが立っていたのも事実ですが、それ以上に例え劣勢でもベルベットへの投票を強制したくないという陣営の意向がありました。






菊地真陣営は早期に一致団結した、なんて言われます。

ですが、実態としては決してそんなことはありません。割とギリギリで分裂と紙一重でした。初期から議論を牽引してくれた方が他の役推しということで離脱したり、積極的にベルマッコの選挙活動をしていた私がフォローしていた真Pの絵師さんにブロックされたりということもありました。これはさすがに凹みました。でもって「色々失ったしなおさら退けない、もう意地でも勝つしかねえな」と奮起しました。危険な発想なんですけどねこれ。

終結からしても確かに当初想定よりはまとまっていたのですが、結構な票割れは起きています。



ただ、陣営としてはそれを許容して、あくまでゆるーく、みんなが入れたい役に入れるという方針を貫きました。その方が無用な摩擦を起こさないし、強制すれば100票を追って1000票を失う結果になると判断したためです。票割れが総得票の1割未満であれば、ベルベットで十分戦えるという見込みもありました。
これについてはまた議論が引き起こされたりもするのですが、それはまた後日の出来事です。



しかし一つだけ言えるのは、そうしてベルベット以外を択んだPさんたちも、決まった大勢の方針に不平不満は言わずに我が道を貫いてくれたのが大きかったということです。もし他の役を択んだ方がコンベで大論争を起こしていれば、TCにおける幾つかの陣営同様にイメージも悪化して真の勝利はなかったはずです。傲慢と言われそうですが、そういう意味ではベルベット以外を択んだ真Pの皆様もまた、真の勝利に貢献したと言っても過言ではないのではないでしょうか。他の役にしたい想いを飲み込んでベルベットに投票したPさんも含め、本当にありがとうございます。






4.開戦。激動の12月19日





TCが始まる前日21時、菊地真陣営はDiscordで決起集会のようなものを開きました。これは改めてより多くのPを呼び込むことと、陣営としての戦い方を確認することが目的でした。
ベルマッコは絵師さんたちの尽力とそのまとめの効果もあって国内外のPにそれなりに浸透しており、ヨーイドン作戦でスタートダッシュさえできればスムーズに多くのPが賛同してくれるだろうという見通しは立っていました。

一方で、Discord内ではこの日までに、コンベではDiscordの考えを押し付けずコンベの意見を尊重すること、Discord発の提案は必ずコンベを通してから決定すること、コンベ内でDiscordのメンバーによる組織的な意見集約をしないことを概ね確認していました。



※21時までにはコンベ解放や仕様発表があると思っていたので、内心焦っている発起人の図。



決起集会では、0時の開始と同時にデイリーとミッションでもらえる投票券を突っ込んでスタートダッシュを決める。以降もイベント報酬を除く1日3枚(有償60ガシャ含む)は突っ込んでもらうため、デイリー企画を継続して展開して日速をキープする、ということを確認しました。これは、みきつばが共に参戦した場合にデュヴェルジェの法則による3位埋没が懸念されることから、そうならないようにとにかく前に出るという作戦でした。





一斉投票については相手が決まっていない(美希・翼ともにこの時点でベルベットと決めていなかった)こともあり、一旦保留とした上でTBの各陣営の一斉投票や作戦について周知・共有を図りました。今回の真陣営にはTBでシアター組の陣営に入っていた方もおり、趙括になるんじゃないかとビクビクしていた私もそのつど勉強させていただきました。


その後は時間が余ったのでアイマスMR語りとか、ACM語りとか、真語りなどをしつつ23時台に。





わかるわ……。










そしていよいよ開戦が近づき、私を含めて胃を痛めるPが続出しました。















そんな中、不安を紛らわすために真を愛でようという流れが自然発生。











真コンベ(以下、まこンベ)では日常の挨拶、不安な時、荒れそうな時、いずれにしろ何かあれば「まこかわ…」と発言するのが定型句になっていましたが、Discordではどうもこの時の私の「まこかわ」発言が最初だったようです。調べるまで気付きませんでしたが……あの和気あいあいとしたまこンベの流れ形成の一助になっていたなら、P冥利に尽きます。(当たり前ですがミリシタにも「まこりんかわいい」ラウンジもありますし、隙あらば真を愛でる文化は今に始まったわけではないです)

さらにスクショ祭りも展開。不安の裏返しではあったのですが、このお祭りはスタートダッシュ効果と、まこンベの雰囲気醸成にも好影響をもたらしたと言えます。









そしていよいよ、12/19 0:00に。TCが開幕しました。










コンベは絶望的な残念仕様(後述)だったものの、幸いベルマッコ路線はほぼスムーズに……というかプレゼンするまでもなく自然と流れになっており、まずは一息。一方でコンベが議論に向かないことから、Discordの選対としての継続使用も決まりました。










海外Pさんも多く参戦していました。一方私は、予定通り #真とヨーイドン 作戦を告知してスタートダッシュの勢いをつけつつ、他コンベを探って情報収集に努めたりしていました。











開始直後はこんな感じに。投票券100枚付きガシャが更新される19日15:00までは、真は総得票でも一貫して戦闘ミン族千早P陣営に次いでいました。スタートダッシュは成功したと言えます。






一方、美希陣営が伸びてこないこと、コンベの様子から「美希陣営、実は意見集約していなかったのでは?」と気付き始めます。本当にベルベットに決めていたなら、彼女とそのPはこんなものではありませんから。

とは言え他所の心配をしている暇もないので、こちらは粛々と票を積み重ね、開戦前からずっと続けているマーケティングを続けていきます。




Discordではきっちり引き締めが行われていました。


一方、未明にかけて不穏な流れも明るみになってきます。美希コンベでバスターブレイドで一本化しようという話題も出てくる中、自称ASPを名乗る、最大限オブラートに包んでも「頭趙括か? 君のせいで長平で秦に大敗するのか?」と思える輩の活動でした。







以前から箱推しについては過敏になっていたこともあって、幸い自陣営には波及することはありませんでした。しかし、ごくごく一部の1人2人が暴れただけでも、面白おかしく取り上げられたこと、結果的に美希陣営がASのいないバスブレを選択したことで、それを利用したい人の思惑もあってか対立構造が作られてしまいました。もともとAS参戦によりそうした構図に持ち込まれかねない懸念がありましたが、悪い方向で的中してしまった形です。


真陣営は15:00の100枚付き有償10連の登場にたまげつつも、千早や律子陣営ほどではないですが即購入即おブッパ。ガン逃げ体勢を維持します。





この日、22時には投票を凍結していた美希陣営がアンケートの末にバスターブレイドに一本化を決定。直後の一斉で初日にして5分速2万票を叩き出し、バスブレ各陣営同様に真陣営を戦慄させました。コンベ、Discordともに安堵感があったのは否定できません。

ただ、ここで一つはっきりさせたいことがあります。




美希陣営はベルベットからバスブレに「転進」はしていない。




今回のTCについて美希陣営から振り返る記事は今のところ確認できないのですが、ずっと動向を見守ってきた人間からすると、どうも事実に即していない……と言うよりは針小棒大では? と思える言説をしばしば目にしました。あんまり個人を論うのは良くないのですが、象徴的なのはこちらの記事でしょうか。

https://ch.nicovideo.jp/sirasusirasu/blomaga/ar1725688





瑞希PでTATBのまとめ記事も書いていらっしゃったシラス.さんですね。畜生を自称して皮肉交じりに記事をまとめるスタンスの方ですが、皮肉を交えて面白おかしく書くのと事実誤認で偽史をまとめるのは似て非なるものです。ましてや、お忙しかったのでしょうが5chのTCスレのレスを鵜呑みにしたのか、極端な意見だけを取り上げてアイマスP不倶戴天の敵であるどこぞのアフィブログのような記事の書き方をするのはいかがなものでしょうか。


歴史として残るTC真陣営の戦いぶりにも関わることなので、この件は美希コンベの全ログを取得・チェックした上で確認のために陣営の中心メンバーの方にもコンタクトを取りました。

以下は参考資料の一つです。






※追記 https://twitter.com/Hasora_Yui/status/1075729183731372033 より、許可を得て引用させていただいた資料です。また、一部資料・文章を追加させていただきました。


まず、真陣営の全力スタートダッシュが目論見どおりに美希陣営への圧力になっていたのは事実です。そこまで卑屈になるつもりはありません。真に万全の状態でのガチンコで負けると思う美希Pはそう多くはなかったでしょうが、少なくとも割れた状態では苦戦すると思わせたのは確かだと思います。

しかし、本質は「勝てそう」とか「真くんと戦いたくないの」ではなく(そういう書き込みがまったくなかったわけではありませんが)、Discordの一部の方による根回しの足りないごり押しとも見えるプレゼン抜きの強権的なベルベットへの投票呼びかけ、それに対する反発というものが最大の要因になっています。そのため美希コンベは当初から分裂傾向にあり、一部のベルベット派と反「ベルベット推し」派で混沌とした状況にあり、多くのPが様子見を決め込んで投票をストップしていました。

では、バスブレで一本化した経緯はどのようなものがあったのでしょうか。
バスブレがいいのではという声は開始30分経たないうちからコンベで発言され、19日2時過ぎには「#鬼斬りバスターブレイド美希」の原型となるキャッチフレーズが生まれています。

その後、資料画像にあるとおり、一部の方が頭趙括な輩の誘いに賛同してしまったため余計な誤解を招いていますが、その書き込み以前に10人近い方がバスブレ推しについて言及しています。また美希がバスブレを選んだのは19日日中のプレゼンと、二度の投票を経てです。いずれもバスターブレイドが圧倒的な差で選ばれており、結果的に美希Pの総意としてはベルベットは選ばれていなかったということが明るみになりました。美希陣営として明確に役を選んだのはこの時が初めてとなります。だからこそ19日にベルベットに入った票は1日で1000票余り、対してバスブレは5分で2万という数字となったというわけですね。



ASと戦いたくない、自分たち以外にもASが当選してほしい。その感情は正直、美希陣営同様に真陣営にもゼロではありませんでした。真陣営では私も含めてそこを度々戒めていましたが、まこンベのログを漁ればそういう意見も出てきます。そりゃ戦えば士気の高い強敵揃いですし、何よりシアター組の後輩より付き合いの長い仲間です。選挙戦を通じて、律子や伊織、貴音の不屈の戦いぶりに、千早の凄まじい火力に、内心ワクワクしたのも否めません。

しかしながら、私たちはAS箱推しだとか、ましてやASでアウトサイダーを埋めようだとか考えたことはありません。一貫してベルマッコを推してきた我々としては、51人が等しくライバルです。もちろん春香に忠義を尽くして殉じる真も見たいし、美希や千早と真っ向勝負をする真も見たいですが、それと同じくらい、例えば底知れない怖さがあるファイナルデイ美也との絡みや、高山バスターブレイド紗代子先輩との剣戟バトルも、自転車でのキン肉ノリノリバスターのり子が駆るバイクとのチェイスも、馬場スターブレイドとの師弟対決も、マイガーブレイドとの華麗に舞うようなバトルも見たかったわけです。(あくまで一例です)

陣営にも兼任Pは多く、真かシアターの別の子を支援したいと思って迷った、あるいは迷った末に真を選んだという発言もありました。終盤に勝ちが見えた辺りで他の子にも票が流れましたが、その際も雪歩や伊織、律子などASに流れた一方、昴やエミリーにもそこそこ票が出ていたようです。少なくとも、春香や千早、美希などアウトサイダーで戦っていたAS陣営に大量に、あるいは組織レベルで票が流れたという事実は一切ないことを明言しておきます。
と言うか、ASが手強いのを知っているから対決に慎重になるのと、ASの仲間と戦いたくないから対決に慎重になるのは似て非なるものです。そこを混同した言説が見られるのは残念です。
また、ミリシタからアイマスに入ったPはASを知らないし支援しないという説も適切ではないと考えます。陣営にもミリシタから入った真Pはいましたし、アニマスはネトフリで全話見れたりニコニコの一挙放送などもあって比較的触れやすいので。


……脱線しました。私自身も他の子との絡みも含めたプロデュースを展開していくつもりだったのですが、こうした事情もありいくつかお蔵入りとなります。これは結果論なので、特定の陣営が悪いというわけではありません、念のため。



ちなみに、仮に美希がベルベットを選んだら勝てるつもりでいたのかと聞かれれば、勝算は四分六分あるかどうかだったと答えます。

美希は最終的に100万票を積み上げ、対する真は75万票。ただベルベットなら票が分散したという美希Pの言葉を信じるならば、バスブレほど伸びない美希を当初計画どおりにAS対決で盛り上げて喰らいつき、女主人の伊織vs千鶴における千鶴のような戦術で終盤までマッチレースを展開することで浮動票流入に賭ける、という戦い方に持ち込むしかなかったのかなと思います。考え方としては、いわゆるハンターハンターの戦闘力理論ですね。



そうなってたら遠慮なくあらゆるマーケティングを展開してたでしょうが、それでも簡単ではなかったでしょう。まこンベも和気あいあいとしていい雰囲気のコンベでしたが、おブッパだのおハーブ生えますわだのストロングおゼロだの、その手のパワーワードを生み出したり古今東西のネタをなんJお嬢様部……もといセレブ風に展開する環境ではありませんでしたし……。










5.一斉投票に向けた準備と各種企画展開






12月20日、伊吹翼陣営がベルベットへの参戦を決定します。
TATB未当選、ミリオン信号機、さらにはイベントブーストという追い風を受けての参戦に、予想していたとはいえ陣営は緊張しました。

翼は短編アニメにもなったヒーローズなどでの活躍、またアイドルとしての天才的なセンスもあり、「圧倒的な強さ」というベルベットの特徴にもマッチします。この魅力的な子に負けないためにはどうすればいいだろうか。翼と真が並んだ時に、真の魅力を浮動票を持つ層に伝えるにはどうすればいいか。真剣に研究し、悩む日々が始まりました。ミリオンについてはキャリアの浅い私は、改めてゲッサンを読み返し、アイルを聴き返し、未購入だったロケットスターなどの彼女の曲を配信サイトで揃えて考えました。

結果としては先述の「競うな 持ち味をイカせッッ」ではないですが、開始前から推し進めてきたベルマッコの魅力はオンリーワンなのだから、それを続けるしかないという結論に至るのですが……翼に限らず、多くのシアター組のアイドルの魅力について考える機会を持てたことは僥倖でした。


翼陣営参戦直後の票差。小手調べの投票で約1万2000票が入ったことで、こちらの陣営も危機感が高まりました。



21日には、最初の一斉投票作戦 #ゆくまこくるまこ を真の誕生日にちなんで29日18:29にスタートすることを決定しました(タグは後に確定)。定石ではありますが、前日28日に一斉をする翼陣営の翌日にカウンターを合わせることで、票差のついた2位に甘んじる時間を少しでも少なくしようという考えです。また告知に1週間をかけ、ガシャ更新、報酬を受け取れるイベント後に一斉をすることで、最大火力を高めることも意識しました。

ではその間に何をするか。陣営にできるのは今以上のPRを続け、日速を少なくともキープするということでした。

22日には有志が「菊地真をベルベット役に!」という応援サイトを設立。23日には公式お知らせアカウントもできました。それまでは私が告知をガンガンやっていたのですが、負担以上に「(ニコマスPや過去の発言で)色のついている個人アカで続けるのはどうか」と思っていた矢先なので本当に助かりました。

開始2日目頃から、まこンベは隙あらば真かわいいを連呼するようになっていきます。真に恥ずかしくない戦いをしよう、という思想に加えて、まこかわすることで不穏な雰囲気にならず、またtwitterでも度々話題になることでムードが良くなるという好循環を生みました。ペロリストも次第に増えましたがご愛嬌。  また、上記の応援サイトにログがありますが、真や真の曲について語り合う機会も多く、和やかな雰囲気で古参も新参も、専任も兼任も、多くの人が参加しやすい環境が保たれました。









一方私は、当初考えていたアウトサイダーSSがはるちは配役前提のものだったこともあり先述の理由で頓挫。ニコマスでやっていたいつもの形式によるTC紹介&こっそりベルマッコPRの動画も、解説の相方がASの律子だったことと多忙化により白紙になりました。12月末から1月初頭は副業が極めて忙しい時期で、睡眠時間をガリガリ削ってなお、告知、議論と情報収集にしか手が回らなかったというのが何より大きいですが……。


そんな中、ヨーイドン作戦に代わるデイリー投票企画として「#メリークリスまこ」を提唱し、承認していただいたコンベ発の「#ジングルベルマッコ」も加えて23~25日に展開しました。この辺りで、真陣営はこの後も手を変え品を変え、デイリー投票企画を続けるというスタイルが定着しています。


※背景は美希のC4Uのカバー曲の舞台となったあの街。ごちゃごちゃしている感は否めないので、もう少しすっきりした背景にすれば良かったなと反省しています。久々にラッキーピエロ行きたい。


前回同様、役指定はなし。ヨーイドン作戦と違うのは、歴代アイマスのクリスマス衣装のスクショを添付することで、よりバリエーションを作ろうという作戦です。ミリシタの真には残念ながらクリスマス衣装はありませんが、そこは仕方ないと思って割り切りました。



かーらーのー、










12/25、まさかのメリーとクリスマス衣装実装!









サプライズでのメリーと衣装実装に、当然Discordもまこンベも大騒ぎになります。






こっそり混じってますが麗花サンタさんありがとう。キャラの性格にも合う、素敵な企画でした。













こうしたメリーブーストもあり、#メリークリスまこ は無事に成功。この期間中も、日速で翼を上回ることに成功します。


【ミリシタ・祝メリー実装】真と祝う #メリークリスまこ まとめ 【#TC菊地真】
https://togetter.com/li/1302056





メリーに課金するわ。もうしてた。






一方で、ハルマチ女子で士気が上がり、終了直後に合同イベントと一斉投票を控える翼陣営の勢いに戦々恐々としてたのも事実でした。そんな中、英語圏のPさんから「他の役に投票している真Pをベルマッコに投票してもらうよう呼びかけるべきではないか。このままでは勝てない」(アバウト訳)という提案が出されます。

幸い、まこンベには英語対応のできるゆかさんを始め、ある程度の海外Pとの対話スキルを持つ方がいました。(Discordには日本語に通じた中国、香港や台湾、韓国のPもいて、提案を翻訳してくれたりもしました)

私は残念ながら日本語オンリーでしたが、他の方同様に強制はできない、それはかえって空気を悪くして、票を逃がしてしまうと説明します。彼(もしくは彼女)は他の役を演じさせたい思いを飲み込んで勝利のためにベルマッコを支援してくれていました。何度かのやり取りの後、我々の熱意が通じたのか理解をしていただき、その方は最後までベルマッコに投票し続けてくれました。ついでにまこぺろもしてました。おい。

海外、特に英語圏のPさんたちは、感覚の違いもありますが言葉の都合上どうしてもきつく受け取られがちですが(例・他コンベ↓)、


言葉の壁を越えて真摯に臨んでくださる方も多く、企画や一斉をやる際にはなるべく海外Pさんも巻き込めるようにしたいという気持ちを新たにしました。





……ともあれ、そうした出来事もありながら、戦いは年末へと突き進んでいきます。
12月28日、まずは翼陣営の一斉投票が実施されました。





ベルマッコが初めて首位陥落した瞬間です。
私が他のPさんの助言と支援で企画した #真とヨーイドン 、#メリークリスまこ 、さらに後継の #1日1まこ1やーりぃ といったデイリー投票企画も後押しとなり、この時に真と翼の差は3万票以上まで広がっていました。しかしこの日に逆転を許し、最終的に票差は4万5000まで広がります。「5万差までに収まってくれ……」という願いのギリギリ範囲内ではありましたが、これで翌日の一斉のハードルが上がりました。



冷静を装いながら横山司馬懿コラみたいになってる私。何で2回言うねん。





Discordの予想と概ね一致し、長めに見て約8万の火力でした。
陣営はとりあえず、まこかわして平静を保とうとしていました。コンベでは恒例のまこかわしながら真の楽曲語りが続けられ、この日はMRのほかチアレやライブ革命、待ち受けプリンスなどが話題に。ライブ革命はミリシタにも実装してくれませんかねー。ハッチポッチでも感謝祭でもやったし。





Discordではいのまこかわ。






翼のリードを知った外野からの「翼やるじゃん、いけるじゃん」といった感想を見て胃をキリキリさせながら、いよいよ12/29の一斉投票を迎えます。






6.一斉投票 #ゆくまこくるまこ 作戦





一斉投票は成否で陣営の士気を乱高下させる諸刃の剣。票が湧き出る魔法の杖でもない。TBの頃からそんな言説を見てきました。特にTCで最前線に立つと、とりわけ「士気」という要素の重要性を痛感します。

釈迦に説法ですが、千鶴さんの所のような規格外のモンスターは例外として、コンベにメリハリがあって楽しければ人は集まりますし、兼任Pはもちろんその外からも票を集められます。企画の打ち方、イラスト、ダイマ資料や動画、それらが足し算となって、得票と陣営の士気となります。士気が高ければ少々の劣勢でも最後まで戦い抜けますし、また浮動票をつかむチャンスも生まれるでしょう。逆に、極端に離される、企画で失敗する、陣営で内紛が起きるといったトラブルがあれば士気は下がり、人も離れますね。

コーエーの「三國志」シリーズ最新作の三國志13では戦争において士気が重要で、士気で大きな差があると呂布関羽のような強い武将の部隊でも中堅どころの武将の部隊に押されたりします。それと同様で、いかに士気を保ち、相手の士気をくじくかというのが実際の選挙と同じく、TCでも重要な戦術の一つでした。


真陣営も兼任や担当外の方もおり、そうした方をつなぎとめていくには高い士気が必要です。いかに相手の心を折るか。一斉投票にはそれが求められていました。大成功すれば「これはもう厳しい」となり、失敗すれば「なんだ大したことないじゃん、いけるいける」となりますから諸刃の剣ということです。



※この時は30分速6万というガバガバ計算でしたが、翼一斉も踏まえて日速をもとにちゃんと計算した結果、最終的に30分速9~10万乗ればひとまず成功との見通しに。



この時、陣営内では危機感がマシマシでした。

29日を迎えた時点で、千早、美希、春香のAS信号機&AS人気三強が落ちる可能性はあまり高くないと判断されていました。3人が安泰になった段階で真と翼が競っていたら、浮動票はどうなるか火を見るより明らかです。翼の持つ追い風に加え「AS4シアター1よりはAS3シアター2の方が……」というバランス感覚も働いたでしょう。真が勝つには、今回の一斉で大きくリードし、遅くとも投票券配布終了となる1月12日前後をめどに勝ち確まで持ち込む必要がありました。先ほどは伊織vs千鶴の例を出しましたが、絶対に翼を千鶴曲線に乗せてはいけない、という考えです。ああなったらもう、天災みたいなもので陣営の力は及びません。

年内に大差をつけて相手のメンタルを削れたら、「ベルベットは真で決まりか」という流れを作れる上に、ガシャ更新後に相手陣営で有償10連を回す人数を減らせることも期待できます。また日本シリーズ二戦目を勝った方が有利理論」さながら、どこも動きが少なくなる年末年始の長時間、大差をつけたままにすることで精神的優位にも立てます。そうすることで兼任Pを引き剥がす効果も大きいと考えられていました。

これが成るか、はたまた画餅に帰すのか。ベルベット役争いの趨勢が決まる乾坤一擲の大勝負でした。陣営としては、一斉を8日前に告知してより多くのPに周知し、ゆくm@s直前で皆が集まりやすい時間帯に、ガシャ更新+イベント報酬で最大限に貯めた投票券を叩き込む戦術を選択しました。やれることはやったと思います。


また、この頃から告知のポスターはつぐみさんが中心となって手がけていただきました。やはりデザインの心得がある方が作るとまるで出来が違う……。


https://twitter.com/i/moments/1086251749692780544






※こちらはデイリー企画のポスターです。




12/29 18:29 #ゆくまこくるまこ 、始動。







https://twitter.com/nekopuchi/status/1078947102670053377


真Pにはおなじみのねこぷちさんも、一斉のタイミングでイラストを投稿。滾る。







1分速6万7000でまず首位を奪還。








30分速で12万6000。陣営の予想を上回る威力でした。(この時点では全陣営最大級だったらしいです)











2時間で10万差に。さらに日付変更までリードを広げ続け、作戦は無事成功に終わりました。
これでゆくm@sは落ち着いて見ることができ、亜美真美MRの登場やMRを熱弁する若林神のトーク「あーこれアイマスMR3rd発表来るわー」とか思いながら無茶振りされる中村先生やリベンジされるあさぽんを楽しんでいました。








なお、









この日のツイートまとめは以下の通りです。

【#アイドル投票TC】#ゆくまこくるまこ 作戦で #TC菊地真 陣営が大いに盛り上がる #ベルマッコ
https://togetter.com/li/1303228








7.年末年始~二度目の一斉前の企画






実は、私の陣営メンバーとしての仕事は29日の一斉で半分以上が終わっていました。

私の仕事が年末~1月上旬にかけて多忙を極めること(年末年始の全休は元旦のみ)が一つの原因で、コンベやDiscordで議論がある時間帯に参加できないことが多く、一度「私待ち」の状態を作ってしまったのも契機になりました。その際に「忙しい時間帯は事前申告しますので、いない時は待たずに決定してください」とお願いし、発言頻度をやや落としました。多忙+3週間ほど睡眠時間を削ったツケで、体調がかなり悪化したという事情もありました。この時はまだランナーズハイが効いていましたが……。

この頃から企画立案・運営に以前のように常に関わるわけではなくなった代わりに、時間を選ばないtogetterまとめやこの辺りから増えてきたtwitterでのダイマ希望ツイートへの反応にはなるべく即時反応するように心がけています。

まこンベでもケイナさんやしょーぐんさん、ハルキさん、ゆかさん達が議論を進めて次々企画を検討してくださり、告知ポスターはつぐみさん達が活躍してくださっていたので、戦う体制が確立した陣営では私はいなくても回る状態だったのも大きいです。おかげさまで、年末年始は仕事に専念することができました。また、他役が絡んでいるイラストにも、堂々とRTいいねできるようになったのも年始からでした。

年末年始の真陣営は、デイリー投票企画として#キュン賀真年 (#あけまこ2019)というイベントを展開しました。Discordのメンバーが作ったサイト(終了後に閉鎖)で、スクショにいのまこの判子をつけて投稿するものです。



こういうのですね。


陣営では、この時にも嬉しい誤算がありました。このスクショでも真が着ている、初星宴舞でASが着た「煌星装華」と、歌マス初星MIXのサプライズ実装です。おかげでこの企画も、#メリークリスまこ 同様に新衣装効果で予想外の盛り上がりを見せました。








※やたらはしゃいでる奴は、この後にちゃんと福袋買いました。







そりゃ士気も上がります。なお、企画まとめはこちら。

【#アイドル投票TC】#TC菊地真 陣営の正月企画「#キュン賀真年」まとめ
https://togetter.com/li/1305195








コミケ3日目ではサークル参加していたあこさんがベルマッコをPRするイラストカードを無料配布してくださっていました。(私も31日は昼過ぎまでは休みだったので、現地参加してもらってきました)

宇宙と踊る明日まで
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=454634
あこさんの新刊は残り僅少ですが通販もやっておられます。ひびまこのブルウ・スタア話で、歌詞を丁寧に解釈したロマンあふれる成長の物語。越境があったりまなマス響回ネタや杏仁豆腐先生のイラストの衣装があったりと、わかる人にはわかる小道具が多いのも良いです。



一方、コンベを中心として次の企画が進展していました。1/7~9に実施され、他陣営でもそこそこ話題になったプチ投票企画、#真心をこめて花束を です。
(この企画は私は案が出てから賛成したくらいで、議論にタッチしていない企画でした。並行して別の企画案を練っていたのもありましたが、どっちみち私にこういう素敵なセンスはむーりぃ)

【ミリシタTC】#TC菊地真 陣営の企画 #真心をこめて花束を で、Pからアイドルへの愛があふれる【#アイドル投票TC】
https://togetter.com/li/1305195




もももさんが作ってくださった企画告知資料。
https://twitter.com/momo__taron/status/1081177728177496064/







こちらはつぐみさんの作ってくれたポスターです。
https://twitter.com/tyuguu12/status/1081547803904495618




まとめを見ていただけるとわかるのですが、このプチ投票企画は盛り上がりました。
各々が花言葉を真剣に考え、真に投票券と一緒に贈るというのは真Pのセンスが問われます。他の真Pがどんな花と花言葉を選んだか。それを見るのも楽しみのひとつでした。




一方、プチ投票企画としては、7日に実施された翼陣営の2度目の一斉への対策の一環という意味合いも持っています。この時両者は15万票以上の差がありましたが、他の役が次々と決定的になっていく中で、あまり差を縮められるとこちらの2度目の一斉前に浮動票流入の余地を作るのではないか……そうしたリスクを軽減し、票差があまり詰まらないようにする狙いもありました。

私を含む数人は5日に、イベント報酬も手に入って最大火力が出せる「12or13日の一斉」を提案していましたが、翼の一斉結果次第ではこちらの戦略が変わるため、当日はDiscord、コンベともに固唾を呑んで見守りました。




遡って1/5、一斉のタイミングについてああでもないこうでもないと話し合う私達。結局、幾つかパターンをコンベに提案して相手待ちに。ここは後手に回ったので別の動き方もあったなと反省してます。



そして1/7 22:00。翼陣営の一斉が開始。






結果は約7万。外野から見れば、真の一斉が控えていることから勝勢濃厚になったと思える数字でした。大量の浮動票が生まれているので油断は出来ないものの、安堵感が広がったのは事実です。







この後、翼陣営のまとめ役のあきんぬさんがまこンベにいらっしゃいました。ライバルとしてコンベを覗いている真Pから見ても奮闘されていた方で、温かいやり取りがありました。

作戦としては心を折るだの圧をかけるだのやってはいますが、私に限らず、勝負の合間とノーサイド後は真Pらしくスポーツマンシップのある行動をしようと皆が心掛けていました。
普通なら失礼になる、先方への返礼にも伺わせていただきました。

また、こうした行動を取っていただいたからこそ、こちらも次の一斉は手を抜けない、なるべく流出を減らして最後まで全力で頑張ろうという思いが強まりました。














8.二度目の一斉 #








ベルマッコ隊ってこういうのでしょ、俺は詳しいんだ。




RtFイベントも終わり、投票券配布も終了した13日19:30、真陣営の第二次一斉投票 #ベルマッコ隊一斉特攻 が実施されました。外野からはほぼ決着扱いされていたベルベット役争いでしたが、ここで一斉が失敗すれば相手陣営に勢いが戻りかねません。これまでのデイリーイベントや最初の一斉同様、きっちり票をまとめて数字を残す必要がありました。陣営としても、副担別担に票が流れるのは仕方ないけど、せめてここまでは参加してくれれば……という気持ちでした。2回連続で、欧米Pには参加が厳しい時間帯になってたのは申し訳ないです。





この一斉のタイミングで、翼との票差は約10万ダメ押しのもう10万を積めるかどうかが一つの焦点でした。






いつもの流れ。

















30分速で10万弱。その後もじわじわ伸び、日付変更前に計60万票に到達しました。前回で全放出していた人も多かったこと、プチ投票企画で100票以上入れた人もいたこと、優勢と見て他の支援に回った人もいたこと、最終日まで貯め込んでいた人がいたことも影響して一度目よりは火力が落ちましたが、まずは及第点と言える一斉投票の成果でした。

ベルマッコ隊一斉特攻まとめ
https://togetter.com/li/1308476


当時は私が体調不良気味だったこともあり、一斉後は少し休んでtogetterに触るのが遅れたところ、他の方にまとめていただきました。申し訳ないです。





9.最終日までの企画展開





真陣営では一斉翌日の1/14以降、真の曲に引っ掛けた企画を打ち出します。

真の魅力を内外にアピールする #ワールドワイドダイマ作戦 、そしてDiscordでも年末から検討し続けてきた(年始ごろからはコンベでも検討)、真に手紙を贈る #真心チアリングレター 企画も1/16-18に渡って実施されます。後者は多分に内輪企画でしたが、変形デイリー投票企画としておおいに盛り上がりました。




つぐみさん制作のポスター。わかる人にはわかる、アニマス真回EDのオマージュです。
三日間ということで、過去、現在、未来をテーマに手紙を書いた人も見られました。最も多かったのは真との出会いと、いかにして沼にはまったかというテーマでしょうか。私も二通ほど手紙を書きましたが、こんな機会でもなければ書く機会がないものを書けたのは、TCとこの企画のおかげですね。自分の手紙を省みると恥ずかしいの一語に尽きますが、アケマスから入ったPからミリシタで真を好きになったPまで、多彩な世代による真への想いの数々はぐっとくるものがあります。


#TC菊地真 の #真心チアリングレター 企画で、Pから真へ素直で一途な想いが届けられる【#アイドル投票TC】
https://togetter.com/li/1310298


また、1/14からはよりよもさんとDiscord有志により #真に100万本の花束を特設サイトがオープン(現在は終了)。投票総数に応じて真の周りの花が増えていくという仕組みで、アナザー衣装や白ワンピなどの衣装も追加され、終盤に得票を積み上げるモチベの一つになりました。私はこの手のスキルはないので、右下のフォントの案をいくつか出したくらいしか貢献できませんでしたが……。


https://twitter.com/yomoko_0/status/1084820288481574912
企画について説明するよりよもさんのツイートです。画像は最終日の状況。


最終日の企画は打ち上げ系の企画が出来ないか……という提案も一斉後に出していましたが、翼陣営はもちろん、まだ他所では激戦が続いている中で打ち上げをするのは失礼に当たるだろうという意見もあり断念。また、真陣営は他のアイドルとの合同企画も先述の理由で封じていたため構想にも上らず、ならまた真Pだけの内々で何かやるか、という方向性が固まっていきました。最終的に19日20:00から、自転車の歌詞をもじって #だって真が好きだ という投票企画が決まります。

#TC菊地真 陣営の最終日企画「#だって真が好きだ」まとめ+投票終了後のPたちの感想 #アイドル投票TC
https://togetter.com/li/1310694


企画内容は、(残してある人は)投票券と一緒に、真にプレゼントを贈るというもの。参加した真Pはアクセサリーを自作したり、お菓子を作ったり、写真を撮ったり、イラストを描いたり、動画を作ったり、今後の夢を語ったりと、各々のやり方で最後の4時間を盛り上げました。



速報値では、ベルマッコには75万票が投じられました。総得票数は77万越えで全体20位。浮動票の入る余地が少なかったことを考えれば、健闘したと言っていいでしょう。

ただ、ずっとトップをひた走っていたコンベ投稿数(約14300)を最後の数分で千鶴コンベ(約14800)にまくられたのは痛恨の極みでした。(千鶴陣営側は計画通りとはいえ)女主人は浮動票が百万単位で入る異次元バトルになってコンベも勢いが加速、最後に陣営の壁を越えたセレブコールで逆転されるとは……。終了1時間ほど前には、ギリギリで逃げ切れるかなーと踏んでいたのですが。




1/20 0:00 TC投票期間終了。





ともあれ、こうして菊地真陣営の戦いは終わりました。コンベ、Discordともに、お疲れ様コールの合唱となります。

















本音を言うと、歓喜よりやっと休めるという安堵が先にありました。とはいえ勝利に沸く真Pの皆さんを見て、少なからぬ真Pに良くない思いもさせたけれども、それでも四分五裂するIFに比べたらこれで間違ってはいなかった、ベストかはともかくベターには持ち込めた……と思ったものです。


コンベには翼Pの皆様も挨拶に来ていただけました。
他所のコンベでもトラブルになっていましたが、勝った側が負けた側のコンベに挨拶に行って顰蹙を買うケースがあり、Discord内ではここのメンツだけでもそれは控えようと話し合っていました。例え相手を讃えていても、煽ってるようにしか見えないケースってありますからね。どこぞのテントウムシダマシのように。

それだけに、本当に感謝しています。もしアウトレイジ軍のメンバーとして翼が登場することがあれば、まこつばの可能性を追求していきたいですね……。







10.真陣営の勝因






手前味噌になってしまうので本来こういうのはやるべきではないのですが、TDの真陣営のために、勝利を手繰り寄せたポイントをいくつか整理したいと思います。



1.早期の意見集約とスタートダッシュ

ほぼこれに尽きます。拙速に過ぎるとそれはそれで分裂のリスクがありますが、真のような振れ幅が大きく規模も中堅以下の陣営は、これが遅れるほど不利になります。今回は12日の役発表直後からある程度路線が固まり、さらに1週間かけて「ただ勝てそう」だけではない各々の菊地真論、ベルマッコ論を語ってもらい、地盤を固められたのが極めて大きかったと考えます。また、早期の路線決定のおかげで内外のPへのダイマと周知、ベルマッコと世界観のイメージ固め、作戦準備に充てることもでき、これが多彩な企画を打ち出し続ける下地となりました。また何度か書いているように、早期に真陣営の本気ぶりを伝え「真陣営はベルベットにするらしい」「ベルベットは真かな」という空気をTC開始前の早い段階から広められました。

おそらく、19日のスタート前までにベルベット路線を固めていなければコンベできつい言葉も飛び交う事態となり、まこンベの空気感も生まれず誰が相手だったとしても勝利は覚束なかったでしょう

TC15役中12役は、初日終了時点の1位が最終的にトップでテープを切りました。初動こそが死活を分けます。海外Pに限らず、コンベをほぼ見ない人もいるので本当に大事です。



私はDiscordで、TC開戦前からドリフターズの信長の有名な台詞を何度か張って、なるべく早く戦いの準備を整えることを呼びかけました。



合戦はTC全体であり、また一斉投票などの企画にも言い換えられるかと思います。
というか、現実の選挙でも基本ですよねこれ。






2.役割分担の成功

今回の真陣営は、多士済々だったと言えます。
もともと真を描く絵師さんは多かったとはいえ、期間前から終了間際まで大量のイラストが上がり、事前にある程度固めていたベルマッコのイメージとの相乗効果で、絶大な広告効果がありました。まこンベもDiscordも含めて、「ベルマッコを描きたい」と思っていただけるような雰囲気の醸成も、概ね上手くいっていたのだとと思います。
また、イラスト以外にも告知ポスターを作る人、公式サイトや公式アカウントを運用する人、togetterまとめを作る人、投票データのまとめ・分析を行う人、英語や中国語、韓国語に訳して海外Pにお知らせや対応をしていただける人、コンベで議論を整理する人など、多様な真Pがそれぞれの役割をしっかり果たしたことが大きかったです。また誰かが欠けても動じないくらい、特定の人に負担が集中しなかったのも良かったのでしょう。義務感で手を動かすケースはそう多くはなかったはずですし。

実は私自身、翼参戦直後の21日に焦って拙速な作戦を提案しかけたことがありましたが、他のPに諭されて冷静になれたのは助かりました。おかげで冷静になり、29日(or27日)一斉案を提出した結果、29日一斉に決まったという経緯です。皆さんも焦ったらアイマ水を飲んで落ち着きましょう。


こういうふうに言ってくださる方がいたのは、本当にありがたかったです。


3.ベルベットという適役

真のイメージに合う適役があったのは何よりも大きかったです。陣営が空中分解せずある程度まとまったのも、真に合う役があったからというのが大前提。はっきり言って幸運でした。
その上で、ビジュアルとキャラのイメージをしっかり押し出せたのも良かったのだと思います。エミリー大勝利の立役者となった砂浜ラブ先生のアウトサイダー漫画でも(端役ですが)忠義キャラっぽい扱いだったのはうちで発信したイメージ浸透してたからでしょうし……多分……きっと……。



4.一斉投票以外の企画の充実

真陣営が期間中に展開した企画のタグは以下の通りです。

#真とヨーイドン
#メリークリスまこ (#ジングルベルマッコ)
#1日1まこ1やーりぃ
#エージェント除夜を往く
#ゆくまこくるまこ
#キュン賀真年
#あけまこ2019
#真心をこめて花束を
#ベルマッコ隊一斉特攻

#真心チアリングレター
#だって真が好きだ

前半はDiscord発でコンベに提案したもの、後半になればなるほどコンベ発の傾向が強まりますが、いずれにしろ一斉以外のデイリー・プチ投票企画が充実したことで、日速でも安定した得票が重ねられたと考えています。また、内向き傾向のある企画も、士気向上と票を逃さないことに確実に貢献しました。何度も言いますが日速で勝つ、差をキープする、それにより浮動票の注目する余地を作らない。企画の成功により、これらがおおむね徹底できました。



よりよもさん制作のカレンダー(1/11時点)。この後もチアリングレター企画や最終日の企画が実施されました。


5.真コンベの雰囲気

千鶴さんの所のように兼任外のPすら吸引する力はありませんでしたが、皆が努めていい雰囲気を保とうとしたまこンベが一体感を生みました。ただまこかわ言うだけでなく、議論するときはまじめに議論する、そうでない時は真語りやまこかわするというメリハリがついていたのも効率的でした。ちなみにまこンベのログは2月1週分まで全取得しているので、欲しい方(真P)は私のtwitterにDMください。



6.良い意味で目立たない

良くも悪くも真P以外には目立ちすぎず着実に。裏返せば、浮動票に注目される余地を作らなかったことでしょうか。これが浮動票獲得に賭ける戦いであれば、やり方はまるで変わっていたのでしょうが。
他の振り返り記事でも真はあまり話題になっていませんが、それは陣営の戦術がある程度うまくいった証とも言えます。

7.積極的にダイマを仕掛ける

中盤以降のダイマ希望ツイートには、千早陣営の速さと量には及びませんでしたが私を含めたメンバーで積極的に仕掛けられたと思います。Discordでもツイートを見つければ貼って参加を募り、数票でも着実に上乗せしていきました。イベント10000位狙いで疾走するより、他所から票獲得してきたほうが票数としては大きいので、決して軽視できません。

また、ダイマ希望企画をしていたへその人にも、随分と票を入れていただいたと思います。まこへそ。







11.TDに向けた教訓





TDはおそらくやるでしょう。運営的にも利益がありますし、不確定性のあるイベントはともすればマンネリ化しやすいソシャゲにおいて、強い刺激になります。隣よりも番狂わせも起きやすいですし。ドラマ性のある戦いも面白く、何より普段そこまで注目しない他アイドルをより深く知ることができますから。

そうした中で、意見の早期集約以外にいくつか教訓となったことを振り返ってみました。


1.他陣営と絡むイベントは慎重に

真陣営が意図せず置かれた環境の問題もありますが、結局他所と企画で絡むことはありませんでした。もし期間中に真が出るイベントがあれば、ハルマチ女子やRtFのようなユニットでの企画はやったかもしれませんが……。
本音を言うと、なりきりを含めて他コンベを巡るようなものもプラスにはならないと思いました。会議中に入ってこられて扱いに困惑するケースもありますし。少なくとも、真のキャラクター性には合わないのでTDでもやらない方がいいなと感じます。

終わった話なのでどこの陣営とは申し上げませんが、Discordにいきなり乗り込んできてコピペ文章で自陣営を軸とした合同イベントの案内を貼って去っていかれた方が来た時には、一同唖然としました。終盤には企画でボヤ騒ぎも起きていましたが、決して対岸の火事ではないので戒めにしたいです。


2.中の人ネタは賛否両論

私が発案して没った企画案の一つに、1/5~6の初星宴舞1周年に絡めたデイリー投票企画がありました。チアレ企画と被ったこともありますが、演者さんネタは賛否が分かれるという意見もあり、お蔵入りになっています。例えば演者さんの誕生日(平田さんなら2/19)に絡めるくらいなら問題ないとは思いますが、アイマスに対するスタンスは人それぞれ。ライブや演者さんに絡めるのは慎重にしなければならないなと反省しています。

3.役割分担しないとしんどい

先述しているので省略しますが、体制作りは大事です。準備期間からだと40日超。長期戦を戦い抜くには分担が必須です。スタートダッシュ以降は特に。真陣営でさえ、反動で2月以降に心身ともにバテたPも見られました。

4.課金票の効果は要分析?

今回100票付き有償ガシャが登場し、序盤にそれを活用した陣営は優位に立ちました。一方で課金票の割合はそう多くないという分析もあり、フル課金すれば強いがそれで勝負は決まらない、完全無課金でもいいから参加するPを増やすのが最も効率がいいという見方もあります。正直、ここの分析までは手が回りませんでしたので、上っ面でそれっぽいことを言うのはやめておきます。TDの頃までには、これに関する見解も出されているかもしれませんね。

ただ、真陣営はフル課金&イベントフル完走で全765票獲得した猛者も少なくありませんでした。また、一斉で差をつけて心を折れば相手陣営で課金を躊躇うPが続出し、結果的にさらに票差が広がるという考え方もありました。この発想は真陣営に限った話ではなかったと思います。






12.運営への要望






まず、なんですかあの仕様のコンベは。貴方はもしかしてバカなのですか?


今回はいくつかのコンベが大荒れしたり、跋扈する荒らし・複アカとみられる工作に各陣営が苦慮しましたが、その一因には運営の用意したコンベの仕様の拙さがありました。最低でもプロフィールと紐付けて書き込みから飛べるようにする、投票(≠投票券獲得)・書き込み資格をPLv50くらいにするのは必須だと思います。また、コンベのログ検索機能や過去発言検索機能も欲しいところです。TDでもこの辺りが改善されないと、埋伏の毒を仕込み放題になるので恐怖しかありません。
また、せめて開戦数日前にはコンベを開放してほしかったです。それがあれば救われた陣営もいくつかあったのではないでしょうか。

ミリシタは比較的格差が少ないゲームですが、投票イベントは(2位出演枠はあるものの)オールオアナッシング。そうするとどうしても厳しい陣営もあります。ただ、札束を破き合って相手のアイドルを粉砕する当初のアイマスのコンセプトからすると、この手の企画でまでみんな仲良く……というのは筋違いでしょう。



頂点に立てる勝者はあくまで1人。だからこそ皆が真剣になる。




とは言え投票イベントも3回目を数えたので、TDではコンセプトを軌道修正してもいいのかな、とは思います。例えば「THE@TER DISCOVERY」と題して、役を通じてアイドルの"新たな一面"を発見しよう――なんて企画にすれば、各陣営が役選びの傾向を変えざるを得なくなり、マンネリ感も薄れつつ戦いの構図と傾向も、TC以前と比べて新鮮な企画になるのではないでしょうか。また、TBイベント直後にTC開始となると(特にアウトサイダーは最後ですし)また「投票企画?」となってしまうので、少し間を空けて2020年の1-3月期開催でもいいと思います。







13.雑感






準備期間から数えると40日超の戦いはとにかくしんどかったです。副業が繁忙期だったのもあり、TC終了後の私はボロボロ、ついでに持病も再発して治療費だけで天井相当が飛んでいきました。本音を言うと、年内にTD開催されたらスケジュール以前にモチベ戻せるかな、というところもあります。

ただ、勝てたのもありますが真Pの同僚の皆さんと真について語り合える充実した戦いが出来たことは、13年目に入ったアイマスP歴でも五指に入る貴重な経験になったと思います。


だいたいこんな感じ。MR3rdかASのイベントかTCリリイベ辺りで、真Pで打ち上げできたらなお良いんですけどね……。



ただ、次回の真陣営は、TDがどのような仕様であれ茨の道になるはずです。TC勝利組かつ、カッコいいかわいい論争も再燃するでしょう。「前回はカッコいいで行ったんだから次はかわいいで行こう」という意見も出ているのではないかと思います。
兼任も少なくなかった今回の陣営メンバーが再集結することはまずないでしょうし、冒頭でも書きましたが私は今年の年末だとおそらく副業で手一杯です。だからこそTDの真陣営の参考に、あるいはチアリングレターになればと、記録としてこの長い記事をまとめました。真陣営のtogetterのまとめと同様、何かの役に立ってくれればうれしいです。

もっとも、TBの成功体験を意識しすぎてTCで失敗するケースも見られたので、TDでもTCを意識しすぎて同様のことが起きる可能性は否定できません。なので成功体験の盲信をせず、取捨選択が望ましいと思いますが……。
個人的には、敵どころか味方も騙す形になるラウンジ一斉は陣営にヒビを入れかねないので、原則禁じ手だと思います。あれは戦闘ミン族(しかもリードしていた)だから許された感。










さて。分析なんて言えるほど時間をかけて見ていませんが、他陣営についてもいくつか雑感を書き残しておきます。


まずTCのMVPとも言われる茜ちゃん陣営




このストーリーと、TC最強のパワーワードで世界トレンドを身にまとったことが決定的でしたね。(後半は#茜ちゃん絶対に島流しにするからね から #茜ちゃん絶対に主人公にするからね に変えたのもまた巧かったです)

仮に終盤、ライバルに追い上げられていても浮動票が味方してくれていたでしょうが、陣営がそれに期待する仕草を見せず、とにかく慎重に丁寧に立ち回っていたのが印象的でした。


次にコンベ投稿数1位の千鶴さん陣営。記事中で何度も触れたのであまり書きませんが、最後の異次元マッチレースもさることながら、その舞台に至るまでの周到な企画と戦術が光りました。多分陣営にはこんな人がいたのではないでしょうか。




浮動票による天運勝負(そうなった時点で五分より有利になるとはいえ)まで持ち込むにしても、運を天に任せるまでの戦いが周到。
千鶴さん陣営はコンベはなんJお嬢様部なのに本当に丁寧な運営をしていたなと思わされます。議事録制作やデータ分析などは真陣営はほぼ個人頼りだったので、反省しないとですね。あちこちの振り返り記事を読んでいますが、我々も組織作りは改善点がいくつもありました。


そして忘れてはならないのが律子陣営。ミリシタの寵児である歌織さんとのマッチアップは、結果こそ差がつきましたが今イベント三指に入る名勝負だったかと思います。イラストや動画、身を張った企画など、あらゆるものを活用して戦いに挑むその姿勢は、9月のMRで律子に泣かされた身としては胸が熱くなりました。TDでもしTC当選組がお休みなんてことになれば(ないでしょうが)律子の旗の下に馳せ参じたいと思うほどでした。今回は相手がミスせず横綱相撲をされればどうしようもないという状況でしたが、次も適役があれば、台風の目になるのではないでしょうか。


この動画に励まされた他陣営Pも多かったはず。全てのTCで戦ったP、今からでも必見です。



ストラビンスPの動画による宣伝は驚きました。

動画は宣伝には不向きだという意見もありますが、私はターゲット次第ではあるもののそうとは思いません。確かに500や1000再生程度では内輪レベルですが、それなりに伸びた動画はバズって訴求力が生まれますし、律子陣営が「どこから票を取ってくるか」となった場合、それを凋落は否めないとは言え古参の多いニコニコに求めるのは好手でしょう。ただ動画の場合どうしても制作時間がかかるので、手の込んだものになればなるほど中盤戦以降の投稿になってしまうといネックはありますが。










長くなりましたが、この記事は以上となります。月初めから書き始めてどうにか結果発表のニコ生に間に合ってよかったです。
改めて、真に票を投じてくださった皆様、そしてすべての真Pに感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。TDはどうなるかわかりませんが、この記事が反面教師でもいいので何かの役に立てば幸いです。

TCイベントは秋以降になると思いますが、新曲がどうなるのか、ベルマッコがどんな描かれ方をするのか、リリイベは揃うのか、私はチケットがご用意されるのか……期待値を上げ過ぎずに楽しみにしたいと思います。信号機がいるので2500位ボーダーが怖いですが……。













なお、TCの各陣営振り返りは以下でまとめられています。

ミリシタ THE@TER CHALLENGE!! 感想・振り返りまとめ
https://togetter.com/li/1311885


【ミリシタTC】菊地真にベルベット役を演じさせたい #TC菊地真 #ベルマッコ




ついに配役が公開され、19日からのスタートが告知されたミリシタの「THE@TER CHALLENGE!!」。12日のニコ生で、イベント詳細が発表された。











菊地真Discordでは当初予想された真っ二つや四分五裂さえ懸念されたが、当初から「ベルベット」(次点でバスターブレイド)の声が挙がり、「#ベルマッコ」というドンピシャなタグも提案されたことで概ね一致した。幸い、課題であった「クールも可愛いも叶えられるか」という件についても、ただカッコいいだけじゃないキャラクターにできる余地があったのも大きかった。

アイドル投票イベントについての説明は前回の記事に譲るとして、まずはベルベット役がなぜ真に合っているかを考えたい。


①圧倒的な強さ


このキャラ特性である。言うまでもなく、真は強い。空手は黒帯で、ノーガードならチャンピオンですらKOしてしまえるほど強い。アニマスあずささん回における中華街でのアクションは有名だ。
特攻隊長というイメージは舞台設定から北斗の拳的な世界観になる怖さもあるが、華やかな衣装になる可能性も十分ある。というかなれ。
ミリオンでもこうした衣装↓のカードがあり、Discordではこのイメージが推進された。


②過去の配役

アニマスの嘘予告ネタでは、無尽合体キサラギの敵組織幹部・マコト役を演じている。

ファイナルデイ役が誰になるかにも左右されるが、ボスの右腕ポジションも慣れたものだ。きっと世界観を生かしつつ、強くてカッコいい隊長を(オフは可愛くてもよし)演じて、ダスクやバスターブレイド役のアイドルとも名勝負をしてくれるだろう。
ミリシタでは、真はやや可愛い路線志向が前面に出ているが、男装などせずともカッコよく、先日のアイマスMRやステラステージのように性別など関係なくファンをひきつける真の魅力を発揮してほしい。

③真の声が歌にも合う

菊地真を演じる平田宏美さんの声は、アイマスガールズ全体でも稀有な低音ボイスで、あの天才下田すら真似できない。グループ曲で真がいると、ぐっと曲が引き締まるのはアイマスPならよく知っている方も多いだろう。
近未来アウトサイダーがどんな曲になるかは不明だが、ある程度は真の強みを活かせる方向性になるはずだ。真ならば迷走Mindやtear、edeNなどのように、時にカッコよく、時にセクシーに、その曲をさらに重厚に輝かせてくれるだろう。




現在、真陣営では作戦会議を続けているので、真Pはぜひ覗いてみてほしい。既にツイッター上でも広告戦略が打たれており、素敵なイラストも続々上がっている。

TCはライバルも多く苛烈な選挙になりそうですが、真に役をゲットしてやるため、彼女の魅力をより多くのPに広めるため、何としても頑張りましょう。ミリシタ未プレイの真Pでも、イベントは来週からなので今から始めても十分に投票券を確保できます。
19日まではDiscordで随時作戦会議を開いているので、ぜひお越しください。









以下はTAとTBの過去資料など。選挙の参考や過去イベントの情報などを見ることができます。

畜生、ミリマスボイスドラマキャスト投票を振り返る

http://ch.nicovideo.jp/sirasusirasu/blomaga/ar1020668

ぐう聖、ミリマスボイスキャスト投票の戦術について考える
http://ch.nicovideo.jp/sirasusirasu/blomaga/ar1024423

ミリオンライブ投票分析(THE@TER ACTIVITIES)
http://kuukiskyblue.blog.fc2.com/blog-entry-1376.html

北上麗花コンベンションセンターで振り返るキャスト投票
http://ch.nicovideo.jp/dia_bomu/blomaga/ar1023150

ぼくと北沢とキャスト投票2016
http://ch.nicovideo.jp/sukkiripon/blomaga/ar1024104

用心棒志保の敗因を分析する【ミリオンTAキャスト投票】

http://ch.nicovideo.jp/karouship_blog/blomaga/ar1023110

TB投票における真壁瑞希のPの初動の動き
https://togetter.com/li/1192006

捨て子のブロマガ THE@TER BOOST!感想~三姉妹カフェお客さんを巡る莉緒Pの話~
http://ch.nicovideo.jp/staygoldzz/blomaga/ar1413555

TB選挙のネコ争いを美也ネコ陣営から振り返ってみる
http://ch.nicovideo.jp/middletf/blomaga/ar1339229

杏奈P、シアターブースト選挙戦の杏奈と杏奈Pを思い出す

http://aintsbain.hatenablog.com/entry/2018/01/24/225812

畜生、ミリシタ・シアターブースト投票を振り返る
http://ch.nicovideo.jp/sirasusirasu/blomaga/ar1410230

【アイドル投票TB結果発表】39人の「ライオン」【おかえり琴葉】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm32759703


ミリシタTHE@TER BOOST!感想戦‐総括‐
http://ch.nicovideo.jp/misumihura/blomaga/ar1412620


ミリシタ The@ter Chalenge!! 投票 展望編
http://kokukoku.hatenablog.com/entry/2018/10/22/182747

【ミリシタ】シアターチャレンジに向けてTBを振り返る
https://www.setandset.com/archives/theaterchallenge.html

#アイマスMR の律子回と真回雪歩回で、夢が現実へと変身した







何度でも胸を張って言える。あのステージには、確かに彼女がいた。











1stステージの前回に引き続き、横浜市のDMM VR THEATERで開かれている「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆2nd SEASON」に参加してきた。今回は9月22日の雪歩回2部、23日の律子回2部、千秋楽、24日の真回1部、2部の計5回。
ちなみに前回も記事を上げて、幸い多くの人に読んでいただいた。今回も前回同様に1stシーズンも含めたネタバレは遠慮しないので、ご注意を。
その記事は以下の通り。

アイマスMR の真回と千早回を見て、アイマスの未来の可能性と課題を感じた
http://ch.nicovideo.jp/sidenp/blomaga/ar1528434
 




■1stから格段の進化

前回は、真回と千早回に参加した私。今回、先陣を務めた雪歩回で「1stから大きく進化してる」という報告があり、楽しみにしていた。当初は律子・真回のみの参加予定だったが、雪歩回のセトリを知って急きょチケットを確保し、どうにか22日、再び横浜に戻ってきた。




横浜DMM VR THEATERよ! 私は帰ってきた!!


雪歩回は急遽チケットを確保して、交通手段も繰り上げたため割と手痛い出費になったが、どうしてもやりたいことがあったのだ。そんな雪歩回の感想はと言うと、


雪歩がかわいい(語彙力ゼロ)




セトリは以下の通り。(共通曲はいわゆるパターンB)


1.THE IDOLM@STER
-mix
2.L・O・B・M

3.99 Nights

4.my song
5.edeN
6.僕
たちのResisitance
7.待ち受けプリンス

8.自分REST@RT

9.ハミングロード

10.MCパート
11.ザ・ライブ革命SHOW!
12.ToP!!!!!!!!!!!!!
13.MUSIC♪

14.虹色ミラクル

15.The world is all one !!

16.ALRIGHT*


今回はE列中央。結果的に、5公演で最も良い席だった。アイマスMRは最前も良い席だけど、D~Gくらいの列かつ中央寄りが一番見やすく、かつMRの嘘も目に付きにくいと思う。ただ、やっぱり小柄な方は前列と段差があるか、そして前の客の体格に左右されてしまうのだけれど……。

演出面に関しては、かなりパワーアップしていた。いかにアイドルたちを立体的に映すか、スタッフの試行錯誤が見て取れる箇所が多くあった。
例えば、光の演出。今回から追加された曲には逆光演出が入ったり、既存の曲もライトの当て方を変えるといった変更がかかり、さらには背景もアイドルが透けにくいように明度を調整していた(黒系の色が多い真は特にこの恩恵を受けていた)。
瞬間的なフレームレートの低下と、アイドルがダンス中に交差する瞬間にどうしても立体感が少なくなるのはまだ解消しきれていなかったが、クインテット曲は奥行きが出て幾分良くなったように思える。3ヶ月でここまで進歩するあたりは、発展途上のコンテンツを追う楽しさだろう。



セトリはBパターンで、私はこちらの方が好きだった。
最初の曲は歌マスの初星mix。早く円盤出ないかな……。


LOBMは何とは言わないが今回も凄かった。ええ、何とは言わないが。

mysongは今公演では都合3回見たが、やはりぐらっと来てしまう。やよい、律子、美希の10th不参加組3人のあの曲は反則ものだ。15thで全員揃ったmysongとDestinyが見たい。



雪歩ソロ一曲目はミリオンから「ハミングロード」。かわいい(語彙力皆無)。
ソロ曲ではダンサーさん2人と共演することでさらに立体感が高まるのだが、1stより連携感がアップしていたような気がする。曲が違うので断言できないが、1stも見た真回は顕著だったので、雪歩回もそうだったのだろう。

MCは今回から、正式に舞台裏のエピソードという設定となった。背景も舞台裏。
1stの途中まではこれが曖昧で「俺らがPなんだか客なんだかわからん」という声が少なくなく(私はそれを安全弁の一つと前向きに解釈したが)、設定が固まったことで没入しやすくなった。雪歩は演技の幅を広げるためということで、ツンデレやメイドの演技をする。かわいい。

……のだが、無駄にキャリアの長い私は「雪歩×メイド」となるとアレを思い出してしまう。そう、「雪歩様」だ。



※アケマス時代、06年のドラマCD。まだ雪歩がゆりしー時代の商品。メイドカフェをやるにあたり、魔法のカチューシャなるアイテムを装備した↑の面々のキャラクターが崩壊し、雪歩たちの性格が反転してしまうというもの。千早と伊織の変化も凄いが、春香の黒キャラ路線への迷走につながる片鱗が出ているのにも時代を感じる。音源の一部を元にしたゲーム風の動画もある。



……脱線したので修正。今回からは、客席への指名はルーレット、ということに変更された。
もっとも、客が場内に入った後はもちろん屋外も見えているらしく、指名された人が開演前の行動を指摘されている回もあった。十中八九、ルーレットではなくルーレット風なのだろうが、厄介を弾くためにはこれがベストなやり方なのだろう。見た目には公平感もあるし。

MCで印象深かったのは、雪歩から「どんな時に幸せを感じるか」という質問があった時に「ライブ」とか「お茶」みたいな定番の返しのほかに「雪歩を見てる時!」という声が上がり、それを拾った雪歩が「じゃあプロデューサーは24時間ほとんど幸せなんですね」と即答で返した場面。雪歩回は律子ほどハイレベルなアドリブはなかったが、この辺りはさすが8年の積み重ねだな、と思わされた。



後半戦。TOP!!!!!!!!!!!!!で初星とプロミを思い出し唐突にぐっと来てしまう。ステラステージ発売時にはこの曲にこんなに入れ込むとは思わなかった。いくつかの定番曲を終えた後、雪歩がMC時に投票で選ばれた「お姫様ティアラ」(と天使の羽)を装備してステージに立ち、身体を前に倒す。そして、

「いええええええええええええええい!!!!」



そう、ALRIGHT*だ。千早と並んで名曲が綺羅星のように揃っている雪歩のソロ曲でも、アイマス2からアニマス期における「引継ぎ」の役割を果たした特別な一曲。私はこの曲が歌われたと聞いて、無理やりスケジュールを早めたのだ。

ライブ定番の「あずみん!」のコールではなく、ここでしかできない「雪歩!」のコールをするために。次に生歌を聴ける機会が、今後あるかもわからないから。

歌の最中はただただ楽しかった。アイマスMRの良さの一つは、遠慮なくアイドルの名をステージに向けて叫べるところだと思う。かなり無理をしたし案の定次の予定には遅刻したが、雪歩回に参加できてよかった。


結論:雪歩かわいい。





雪歩愛用(という設定)のスコップ。22日2部では「横浜の土は掘りやすかった」という話が出たが、初回では新品同様だったというスコップに、今回は見ての通り使用感が。芸が細かい。こういうふうに、少しでも現実との壁を崩そうとしてくるのがMRの良いところだ。



■衝撃の律子主演回。ここは夢か現か、アイマス13年の結晶が顕現する


というわけで、この記事のメインコンテンツである。


演者サイドにおいて、アイマスがここまで盛り上がったことに貢献したのは誰?と聞いたとする。2人なら、まず中村繪里子今井麻美の両翼だろう。そして三傑であれば、秋月律子を演じる若林直美、通称若林神がまず入るのではなかろうか。これが四天王となると意見が割れたり四天王なのに五人いたりすることもあるが、そこは置いておく。

プロミ前のアイマス13周年ニコ生において、若林神はこんなことを言っていた。


いわく、アケマス稼動時点で律子と自分は年齢の乖離もあり、体型も違う。共通しているのは声だけだった。だから姿を似せることで律子との親和性を高めてきたと。それがメガネであり、シリーズごとに変わる髪型(いわゆるエビフライやパイナップルなど)も合わせてきた。
そうすると、次第にアイドルと自分の境目がボーダレスになり「律子なんじゃね、私」となっていくのだそうだ。そしてP目線も合わせて、律子ならどうするか、どうさせたいかということを常に考えていくようになる。そうして律子は成長してきたというのだ。

演者とアイドルのアプローチはそれぞれで、中村先生は「真逆」と言っていたし、ミンゴスやはらみーのような憑依型もいるので一概には言えない。ただ、若林神の手法は多くの後輩たちも真似してきたスタンダードなやり方である。

なおひろPとしてアサミンゴスPとともに全国のアケマス設置ゲーセンで営業をしてきたこと、さらにゲームの振り付けをライブの振り付けに落とし込んだのも若林神発案とされている。アイマスの今の姿を作った一人と言っても、言い過ぎではないだろう。


律子回はどうしても2回見たくなり、直前に当日券を取って2回目から入っていた。ただ、記事では3回目を軸とした書き方にしたい。




律子回3回目は、律子Pや私の動画の視聴者だった方なら知っている方も多いであろう千秋楽太郎さんと一緒に参加。聞けば、8thライブ以来のアイマス現場だったそうで、2回目で概要をつかんでいた私は「きっと楽しめますよー」と余裕綽々だった。この時点では。

律子回のセトリは以下の通り。

  1. THE IDOLM@STER 2nd-mix
  2. 私はアイドル♡
  3. 愛 LIKE ハンバーガ
  4. relations
  5. Little Match Girl
  6. 9:02pm
  7. Good-Byes
  8. We Have A Dream
  9. livE
  10. MCパート
  11. ToP!!!!!!!!!!!!!
  12. MUSIC♪
  13. 自分REST@RT
  14. The world is all one !!
  15. 虹色ミラクル
  16. 恋するミカタ



このセトリはいわゆるAパターン。懐かしい曲がやや多めとなっている。


9:02はACM。わかってる、わかってるじゃないかスタッフ……。


ソロ曲1曲目はlivE。個人的にも律子曲でも思い入れの深い曲で、「律子らしい」身体を目いっぱい使ったダンスは2回目の公演でも大いに盛り上がった。

だがこの3回目。ちょっと声が上ずっている。全力を注ぎ込んで、少し空回りしているような。5月の千早回を見ているので不安もよぎったが、中盤からは歯車がかみ合い、律子らしい力強い歌声となった。

ソロ曲後のMC。律子は、息を切らせながら。涙で声を震わせていた。

「この曲がもっと好きになりました。これからも歌い続けていきたいんです」
この時点で、既に何人かのPが涙を流していた。千秋楽に演出が変わるのは1stから知られている話ではあるが、これはとんでもないことになる、そんな予感があった。

MCではまず、2回目と共通で「前回公演に紛れ込んだ詩花の衣装を返しに行ったときの話」から入る。黒井社長の物真似は迫真の出来で、ここで笑いを取って平常運転に。
続いて、今公演のMCのテーマだった「自分の強み」の話題に。2回目は「委員長属性」を挙げ、リアクションのたびに観客から「Foooo!!!」と歓声が上がると「フー!!じゃないですよ、はいでしょ」というふうにいかんなく律子らしさを発揮。鬼軍曹ポーズ(両手の指で角を再現)もやってくれた。

3回目は「メガネ」と「スタイリッシュ」がテーマ。メガネを強調したスタイリッシュポーズに台詞を入れることを求められ、とっさに「メガネに愛されし女、秋月律子というフレーズを捻り出したスーツのPは凄かった。私は答えが思い浮かばず「当たるな…当たるな…」と念じていたので無能Pです、はい。


律子回では、MCにおけるPへの振りも結構難易度が高い。裏返せば、それはどんな時も万全に応えられるという自信があってのものだろう。13年、オーディションから数えれば15年間、誰よりも演ずるアイドルとの境界線をなくそうと取り組んできた若林神だからこそできることだ。中の人の気配は2回目からほとんど漏らさず、完璧な秋月律子をステージ上に顕現させた。

不思議な気分だった。目の前にいるのは等身大とはいえ、あくまで投影されたものに過ぎないはずだ。だが、没入した脳は「そこに秋月律子がいる」と認識する。そこにいるのは、まぎれもなく秋月律子なのだ。演者がそうなろうとし、観客もそう認識しているのだから。

かつて、星野源Pは10th後にアイマスライブの魅力について「声優さんもお客さんも一緒にキャラクターを作っていく。みんなで作っている嘘が、嘘でなくなる」と語った。そうした視点で見るアイマスライブは悪く言えばごっこ遊びの延長線上なのかもしれないが、そうすることで演者さんが媒介、あるいは巫女役となってステージ上にアイドルを顕現させてきた。

このアイマスMRは、その一つの到達点だった。そしてそれに最も適していたのが、若林直美秋月律子だったのだと思う。あの瞬間、間違いなく律子はあのステージにいた。演者やスタッフ、観客の我々が一体となることで、完璧に近い律子がステージに立ったのだ。
それは、アイマスの歴史が生んだ結晶だった。

律子は言う。
「こんな私と一緒にいてくれて、ありがとうございます」。
「公演は本当に楽しかった」。

そして言う。「私には最大限の、強みがあるんです」と。

今度ばかりは律子が何を言うか読めた私は、既に視界が怪しかった。客席からはわかっていてあえて言ったのだろう、「メガネ」とか「スタイリッシュ」とか「鬼軍曹」とか声が上がる。
律子は笑ってそれを流した後に、優しく告げたのだ。




「あなたですよ、プロデューサー」




律子は続ける。
プロデューサーの手腕と自分の戦略という二人三脚があれば、トップになれますよね、と。
自分がアイドルとして歌い続けていられるのは、貴方のおかげだ、と。
こんな私を見つけてくれてありがとう、どんな時も諦めずにいてくれてありがとう、と。
プロデューサーを目指したい気持ちもあるけれど、貴方が支えてくれる間は全力でアイドルをやりたい、と。

律子から紡がれる感謝の言葉の数々は、律子Pのみならず、長くアイマスと走り続けてきたPへの13年分の思いだった。

客席では、四方八方からすすり泣く声。私の前後左右すべてのPが泣いていたし、私もまた例外ではなかった。初星の「隣に…」ですらここまでではなかったのに。前夜にアニマス18話が流されたのも大きかったのだろう。涙と感謝の言葉が、会場を覆っていた。
というか、今書いてても思い出してまた落涙しそうになる。

後半戦は、ちょっと異様な盛り上がりだった。
律子に、765ASのアイドルに届けと。400人足らずのPたちが、思い切りコールし、ジブリではUOを振る。そして律子が2曲目に選んだのが、恋するミカタだった。

MCで我々が選んだ衣装、フォーエバースターを身にまとう律子。そして頭には「お姫様ティアラ」。


※フォーエバースターは自前で持ってなかったのでファミ通から。アニマス最終話翌日なら、そりゃそうなるよね……。









恋するミカタ。9.18の余波が続く2011年1月に発売された、スモスリのカップリング曲だ。知名度はまあ……アニメ未登場かつ再録されていないこともあり、まほかけやいっぱいいっぱい、livEに比べるとかなり低い。いい曲なんだけど。


それを選んだと聞いたときは「律子、Pのこと信頼してるよなあ……」と思ったものである。実際のところ、MRに集まるPは精鋭揃いなので間違いないのだが、その曲を聴いて恋するミカタが選ばれた意図を悟る。

「夢が現実へと変身」

この曲で印象的な歌詞だ。そして、旗を持ったダンサーさんとともに、律子が大サビで、客席を煽りながら絶唱したフレーズでもある。
夢が現実へと変身。次元の壁を歪めて、ついに我々の前に765ASのアイドルが姿を現したのがアイマスMRであるならば、これ以上の選曲があろうか。

涙の色が滲んでいたlivEとは違い、恋するミカタは2部も3部も、とにかく楽しそうな歌い方だった。登場シーンはポップアップ風に現れ、いきなり映る非現実感も排していた。

※ポップアップはステージ下から人力で押し上げられて、ジャンプして着地するアレ。過去にはゲンキトリッパーなどで採用されている↓



曲を終えて、悲鳴のような「律子」コールが起きる。ダンサーさんが退場する。終わらないでくれ、行かないでくれ律子、そんなPの思いに応えるように、律子はまた感謝を述べて、一緒にトップを目指そうと呼びかけてくれる。真の話題を出して、ちゃっかり明日の宣伝をするところも実に律子だ。ああ、本当に律子だ。

「ありがとうみんなー! 大好きだよー!」

巻き起こる律子コール、ありがとうの連呼。
でも違うんだ律子、ありがとうを言いたいのはむしろこっちなんだ。最高の瞬間をありがとう。自分たちの前に立ってくれてありがとう。貴女やASの仲間たちがその歩みを止めるまで、きっと一緒に走り続けるから。
そう思わせる、二度と解けない魔法を我々にかけて。手を振る彼女の姿はやがて見えなくなった。




律子がいなくなった後、会場にはすすり泣きと、嗚咽が響く。スタッフロールの一際大きな手拍子。そして終演後は、会場が明るくなってもほとんどのPが席を立たず、いつまでもいつまでも長い拍手を続けていた。これまで見たどのライブ映像や現地よりも、それは長いものだったと思う。やがて少しずつ皆が席を立っても、あちこちで涙を流すPが絶えなかった。

私も千秋楽太郎さんが落ち着くのを待って、後方のスタッフ陣にお礼を伝えてから会場を出た。まだここが夢なのか現実なのか、あやふやな気分だった。
ただ、先の言葉を借りるならば。夢が現実に変身したものだったのだろう。だって、彼女はそこにいたのだから。




■あるいは、9.18が終わった日




会場の外は、不思議な雰囲気だった。誰ともなくその場に残り、濃密すぎた1時間のことを語り合う。私は、livEについて千秋楽太郎さんの語った言葉が忘れられない。

「律子がプロデュースできなくなったり、Pになってアイドルとしてステージに立たなくなった時期の曲だから一番印象深かった曲だ」と。

厳密にはMSの曲なのでアイマス2が展開される前なのだが、律子は2010年からしばらく、設定上はアイドルでなくなった時期があった。あの頃は多くのことがあり、アイマスから離れた方も少なくなかった。幸い、傑作だったアニマスのヒットによってアイマスは息を吹き返し、命脈をつなぐことはできた……が、作中でも律子はステージには立つものの、Pとして一歩引いた立ち位置であり、劇場版では(合宿はセンターもやったが)マスピで舞台に立つことはなかった。
私はあくまで真P…時々千早Pという立ち位置ではあるが、アニマスや関連媒体が盛り上がる中で律子Pが抱えていた「プロデューサーになりたいという思いは尊重したいけど、アイドル秋月律子が見たい」というモヤモヤは何となく察するところもあったし、実際にもっと尖った言葉も見てきた。そんな中で律子がこの日に言ってくれた「プロデューサーも目指したいが、貴方が支えてくれる間はアイドルを全力で続けたい」という言葉は、OFA以降の律子シナリオで語られた彼女の言葉以上に、Pの胸を打ったのではないだろうか。

公演の5日前、9.18にはSideM(Mステ)で「Alice or Guilty」が実装された。そしてこの日の律子公演で、律子は我々に直接、アイドルに対する熱い思いを訴えた。私はあくまで推測でしかものをいえない立場ではあるが、9.18がようやく終わったと感じた方もいたのではないか、と思う。





この日のドリンクは律子カラーでした。






■トップアイドル菊地真は、あらゆる人を魅了する


翌日は帰還の関係もあって、真回の1部と2部だけを抑えた。律子回ではスタッフが男女問わずメガネをかけ、何人かの女性は髪型を律子スタイルにするというサービスがあったが、この日の真回は雪歩回同様、アイテムが配置されていた。



真が着て走ってきた(汗かいたので洗濯した)という設定のジャージ。平田さんの私物疑惑も。2部3部では話題にならなかったため、見逃した真Pも多々いた。



律子回千秋楽でも「真がトレーニングしていた」という話題が触れられたダンベル。6kg。
風が強いので扉の固定用に置いたという話が2部で語られたが、1部のみ参加のPは見逃した方もいたらしい……というか私も1部終了後、プロミで縁のあった他のPさんに指摘されて気付いた。




さて、真である。律子回はボロボロにさせられたが、真回は前回も体験したし、湿っぽくはならないから頭空っぽにして楽しもうと思っていた。セトリは以下の通り。

1.THE IDOLM@STER-mix
2.L・O・B・M

3.99 Nights

4.my song
5.edeN
6.僕
たちのResisitance
7.待ち受けプリンス

8.自分REST@RT

9.WORLD WIDE DANCE!!!

10.MCパート
11.ザ・ライブ革命SHOW!
12.ToP!!!!!!!!!!!!!
13.MUSIC♪

14.虹色ミラクル

15.The world is all one !!

16.絶険、あるいは逃げられぬ恋





真回。前回もそうだがさすがに女性率が高く、男女比は体感で7:3だろうか。他の回はプロミアンケで示された男女比である83:17に概ね近いものだったが、やはり真は別格である。
また、他に指摘されていた方もいたが、小綺麗な服装で参加している女性も少なくなかった。確かに、アイドル菊地真のライブなら、そういう服装の選択になるのも自然である。だって、憧れの王子様に逢いに行くのだから。

真の登場はedeNからなのだが、あずささんと貴音を従えて登場する。この組み合わせは1月の初星宴舞が由来。



前回からそうだが、セトリや編成は過去のライブやCDにしっかり関連付けてくるのが嬉しいところだ。



ソロ曲1曲目は、ミリオンからWORLD WIDE DANCE!!! 。少なくとも一曲はミリオンから来るだろうと踏んでいたので驚きはなかった(もう1曲の方かなーとは予想していた)が、歌い方がCD音源よりカッコいい路線に寄っていた。

そう、菊地真はカッコいいのだ。

私がどちらかというと、自転車やチアリングレターのような王子様路線から遠い、かつ可愛い路線までは行かない曲が好きなせいで見落としがちだが、真はカッコいいのだ。しかもMRはある程度以上、アイドルがキャリアを積んだ設定である。そりゃもうカッコいい。

かと思えば、舞台裏ではいつもの真である。かわいい。
雪歩同様、カッコいいとかわいいの台詞のどちらを言ってほしいか当てるのだが、1部も2部も女性Pに高頻度で当たるためにカッコいい方(ないし両方)率が高い。
例えばカッコいい方では「ボクのライブに来たからには、逃げられないって覚悟して来ているんだよね?」(イケボ)、かわいい方では「まっこまっこりーん♪」である。かわいい。あと\カワイイ/の声に「ですよねー♪」と反応するのもかわいい。

それにしても1stでもそうだったが、真の気配りとサービス精神には本当に頭が下がる。それが王子様アイドルの必須条件なのだろうけど、そういう所も人気の秘訣だよなと思わされる。
古参にはたまらない「ダーン!」もやってくれたし。



1部ではこの後衣装選び、2部では決めポーズ選びがあった。
1部で選ばれたのは、ザ・ライブ革命でSHOW!でおなじみの「レボリューションナイト」。特別な衣装だけあって、支持率は圧倒的だった。


選ばれなかったワイルドオブシダンは、2部で使用された。



この時点で、2曲目はチアリングレターと読んでいた私の予想は外れることになる。さすがにレボリューションナイトを着てチアリングレターはない。

(となると、ミリオンで2曲。FLY TO EVERYWHEREか)

ライブ革命で真の「愛してるぜー!」に黄色い歓声が上がるのを聞きながら、私はそう判断した。




……からの「絶険、あるいは逃げられぬ恋」である。読めるかこんなん!


多分こんな顔してた。



何せ、既存モーションのある曲はやらないという方向性をここまで堅持してきたのがアイマスMRである。いや、その後に春香回でも「ステキハピネス」が披露されたので、単なる観客側の思い込みだったのだが、それにしても予想外だ。だからこそ、あのイントロが流れたときには、最大級のどよめきと、

「キャアアアアアアアアアアアアア!?!?」(黄色い声)
「ウワァアアアアアアアアアアアア!?!?」(野太い声)

という歓声が上がったのだ。私もつい「マジかよ…」と漏らしてしまったが。
そして真のパフォーマンスは圧巻だった。WWDもそうだったが、ダンスはとにかく激しく、切れがある。それでいてダンサーとの連携も欠かさないし、間奏には投げキッスまでしてくるのだ。
そうだった。菊地真はカッコよさで天下を取れるアイドルだったのだ。彼女はともすればそれを忘れがちな我々に、それを改めて教えてくれた。

Aサビの決め台詞「ただ一言……貴方が欲しい」が決まる。カッコよく、そして色気を振りまきながら。

「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」(男女混声)

もはや性別は関係ない。トップアイドル菊地真が魅了する相手に、性別など些細なことだったのだ。ついでに言うと連番で入った香港のPさんも魅了していたので、国籍も関係ない。(その方は真の魅力について「ギャップ萌えですね」と言っていたのでそういう意味でも国籍は関係ない)

Bサビ後、ダンサーさんが使っていた椅子が中央に運ばれてくる。1stでは千早が眠り姫を歌いながら座っていたあの椅子だ。そこに真は片足を乗せて、歌い始める。次元の壁を越える演出に、どよめく会場。(あこさんから許可いただいたのでわかりやすいツイート引用します)


さらに真は椅子に乗り、軽くジャンプして地に降り立つ。種明かしをすれば裏にも同じ椅子があったということなのだろうが、それだけでも真の実在感が跳ね上がった。そして多くの人が思ったらしい。「あの椅子になりたい」と。


ゲームやCD、はたまた10thBDで何度も見聞きしたはずなのに、絶険はその記憶を塗り替えるほどのパフォーマンスだった。担当アイドルの魅力に、改めて惚れ直す気分だった。

終演の挨拶では、真もまた「これからもボクと一緒に走ってほしいです」と呼びかけた。律子回のこともあり、前日ほどではないがタオルのお世話になってしまう。
わかっている。彼女たちは一人前ではあるが、あくまで我々が一緒に走り続けるからこそ最前線に立ち続けられるのだ。ブロミでもそのことは重々理解した。あと2年ならともかく、5年、さらにその先も見据えるのなら。

彼女たちが我々に何をするか、ではなく。我々が彼女たちの未来のために何ができるか。ASはそういう段階に入っていると言えるのかもしれない。

なのでバンナムさんは、何にお金が入ればASが最前線に立ち続けられるか、しっかり示してほしいと思う。MRもその一つであるのは間違いないが。
なのでバンナムさん、ダイジェスト式でもいいのでMR映像化しませんか? 単体が無理なら初星円盤の特典でもいいので……。



それにしても真は可愛く、そしてカッコよかった……。


1部終了後は、私を真Pに引きずり込んだ主犯の1人であるきゃのんPにお会いして、さらに会場に集った精鋭の真Pの皆さんと2部開始まで喋り続けた。真Pなら知らぬ人はいないであろうねこぷちさんもいらしたので、その場で名刺交換会が始まり、さらに教祖を讃える信者の輪のようなものができたり。



アケマスの頃の貴重なグッズが披露されたり。百戦錬磨のアケマスPの皆様も多く参加しており、日頃は古参ぶっている私は借りてきた猫状態だった。

……というか、これまで現場で多数のPとじっくり話す機会がなかった私にとって、この時間はとても貴重なものだった。ほとんどが真Pなのだから、なおさら濃密である。



今回、3日間で交換した名刺。手前は私の名刺。なんだその中途半端な肩書きは。



アイマスMRは、深く心地よい沼


アイマスMRの恐ろしいところは、演者・スタッフ側が狙ったものはもちろん、狙っていない琴線にまで触れるところだと思う。どの曲が、どのトークが、積み重ねたそれぞれのアイマス史と思い出ボムにつながるかわからない。
一度はまってしまえば、連鎖反応で他の子の公演も見たくなる。次元を超える代わりに映像化が難しい(というか映像では魅力が十分に伝わらない)一期一会の代物なので、律子回千秋楽や、先の千早回のようなものは現地でなければ見られない。公演自体にストーリー性もあるので、MCでは前後の回とのつながりもある。そうなると、いつの間にか参加回数が増えていってしまう。まさしく沼である。
正直、私が首都圏在住Pなら全日参加を目指したかもしれない。

この記事を書いている段階では、チケットが残っているのは明日30日の春香回だけのはずだが、行ける方はぜひ行ってみてほしい。特に千秋楽は、担当ならずとも一見の価値はある。チケットは高いが、バンナムの技術の粋を集め、フェチ川さんやJUNGO氏のようなライブに携わる中心メンバーも駆けつけるほど人的資源も投入しているものだ。未来への投資と思って割り切ってほしい。
その代わり、チケットで足切り効果があるのか厄介は極めて少なく、快適に見ることもできる。アニマスくらいまでしかわからない、という方でも半分以上は曲がわかる構成にもなっている。

順当に行けば、MR3rdは来年の2月ごろの開催になるだろう。伊織と美希の主演回があるかどうかが注目されるが、伊織回があれば万難を排して参加したいし、前回取り逃した響回も行きたい。ぬーさんの言動からして、Rebellionが来る可能性もあるし。万全のコンディションの千早回も見たい。

年度内は他にもハッチポッチや初星の円盤もあるし、楽しみは尽きない。





■後悔したくないので走り続ける

時間が前後するが、雪歩回終了後には華凉さんや川村一真さん(杜都P)、千秋楽太郎さん、ぶっくりP、六合さんと中野の漁師居酒屋「魚谷屋」でメシを食った。肴も酒も旨かったので、近郊の方はぜひ一度どうぞ。


1年前と比べると別人レベルでアイマス沼に再ドボンした私は、酒の力もあってMRの雪歩可愛かっただの連呼していたっぽいのだが、川村さんから「別の趣味もあった方がいいと思うよ」と。そう、いつかは終わるのだから燃え尽きないようにした方がいいよ、ということだ。

幸い野球観戦や歴史系はおそらく終生の趣味だし、川村さんの影響で始めたロードバイクもまあ、40代まではどうにかやれるだろう。ただアイマスは、ASはそれ以上に有限だと思う。かつて身体を壊して7thに行けなかったこと、行けたはずの9th未参加だったことや、外せない出張で10thを取り逃したことなどなど……。
これ以上後悔を積み重ねたくない。円盤を観ながら「あの時ああしておけば」「もっとPとして頑張れば、ASはもっとやれていたのではないか」といった思いはしたくない。そして、今回の真回でも出会ったが、まだ学生さんの若いPがもっとアイマスに入ってこれるようにしたい。

最後についてはできることなどたかが知れているのだが、やれることはしっかりやっていきたいと改めて思った。とりあえずMRについては、バンナムも今後かなり力を入れていくようなので、(リンク参照)引き続き楽しみながら、夢が現実に変わっていく様を支えていきたいと思う。今はまだ、モデルだけでなく演者やPの錬度という意味でMRが難しい他のアイマスも、年数をかけていずれ対応できるようになればなお良いので。


そんなこんなで結局前回並みに長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
みんな、アイマスMRはいいぞ。






#アイマスMR の真回と千早回を見て、アイマスの未来の可能性と課題を感じた

横浜市のDMM VR THEATERで開かれているTHE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆」 。そのうち5/11と12の両日に開かれていた、菊地真主演回千秋楽と、翌日の千早主演回の2回目、3回目に行ってきた。タイトルの通り大きな可能性と、避けては通れない課題も感じてきたので、以下レポとしてまとめたい。
当然ながら、話題になった昨日の千早回も含めてネタバレ全開なので、読み進める方はその前提でお願いします。




(9/29追記 2ndシーズンについても書きました http://ch.nicovideo.jp/sidenp/blomaga/ar1652747



■口コミに誘われて、横浜へ

結論から言うと、アイマスMRはこれまでのライブと同様に「観客も一緒になって作る優しい世界」だった。ただ、より試験的で新しい分とがってもいて、今までのそれと違った魅力と危うさが同居していた。





私は今回、11日の真主演千秋楽12日の千早主演初日の2、3回目の計3公演に参加した。
ただ、今回のアイマスMR(MR ST@GE)、当初は行く予定はまったくなかった。1時間という短い公演時間、やや割高感のあるチケット、何より私が遠方の地方民でそうそう県外に出られない仕事をしていること。プロミを8月に控え(ゲーム先行では確保できなかったが)、初星宴舞とその後のアイマスライブBD買い漁りによる出費がえらいことになってることなどなど……。

ちなみにアイマス歴は2007年2月からなのでもう12年目だが、アイマスライブに生で参加したのは1月の初星宴舞が初だった。その辺りの筆者の背景と初星レポについては、興味のある人だけは前回の記事を参照していただければと思う。


話を戻す。そんな行く気がなかった私が交通費込みで5万円超えの出費を決断したのは、連休序盤から始まったアイマスMRの春香回や真回の好評を聞いてだった。
アイマスMRがどういうものかは説明を省くが、主演アイドルについては中の人が裏手に控え、ゲームでは採用されていない生歌2曲をフルで披露し、MCでは観客と会話している。そして、徹底してアイドルのライブという体を貫く。色々と語りたいであろう中村先生が「いってらっしゃい」ツイートしかしなかったり、アイステ組もあくまでその場に立ち会ったという表現に留めていた。
MCでも声優名には反応せず、春香回では「アイマス」という言葉にも「公演の名前ですね」と反応したらしい。つまり、それがアイマスMRという世界のルールなのだと。やんわりと観客に広めたのだった。一方で、横浜観光の名所に「港の見える丘公園」を挙げたPに、春香が「なつかしい感じがします」、真が「思い出の場所」と答えて古参殺しをやってのけるあたり、ただの試験的試みではないのは感想を見ていて明らかだった。


港の見える丘公園は、いわゆる聖地。アケマス・無印箱マスにおいて作中の重要なシーンで使われる場所だった。(アイマス自体、舞台における横浜周辺の採用率は高い)




※せっかくなので、横浜観光のついでに私も行ってきました。





そういった春香をはじめとした公式サイドの姿勢と(広告、告知は足りてないと思ったが)、きゃのんPはじめフォロワーの皆様から流れてくる絶賛の声を聞いて「これ、行かないと後で後悔するやつだな」と思い無理してチケットと休みを取った。だって、どういう形であっても真や千早と「会う」機会が今後来る可能性はそう高くない。少なくとも、後悔するにしても行ってからにすべきだ。ターゲットを真と千早に絞り(響も行きたかったがうまく日程が合わず)、慌てて旅の手筈を整えた。



そして、その直感は正解だった。






菊地真が、そこにいた

真公演は計3日間9回公演のラスト、千秋楽だった。かなり無理と犠牲を重ねて開演ギリギリに横浜にたどり着き、とんでもなく甘いたるき亭ブルーを片手に座席へ。男女比は驚きの6:4。初星初日や地元のDVはせいぜい8:2だったから、さすがは真というべきか。


真公演のセトリは以下の通り。

  1. ONLY MY NOTE
  2. 魔法をかけて!
  3. 私はアイドル♡
  4. L・O・B・M
  5. エージェント夜を往く
  6. 静かなに願いを…
  7. Vault That Borderline!
  8. THE IDOLM@STER
  9. tear
  10. MCパート
  11. READY!!
  12. Happy!
  13. CHANGE!!!!
  14. 自分REST@RT
  15. MUSIC♪
  16. 自転車
表はニコ百の記事より。持ち歌を歌わせてもらっているケースや、後述するが特定の意図を持って組まれたトリオ・クインテットが多かった。
例えば、魔法をかけて!は記念すべきあのMP01のジャケットの面子。



13年前のCDだけど、初見で気付いた人もいたはず。


真の生歌フルはtear自転車。特に自転車は真のソロ曲では一番好きな曲で、ぜひ生で聴きたいと思っていた曲だった。
座席は9列目の右側真ん中あたり。個人的には、3ヶ所で見た印象としては、見るだけなら最前列ではなく3~5列目「真ん中」の辺りが、一番見やすくMRのウソも目に付かないかな、という感じだった。ただ最前列にいると、ソロ曲やMC中に勘違いじゃなくアイドルと目が合う。あれはやばい。

公演は約1時間という短時間。次々に曲が切り替わるのもあって1曲ごとの余韻は少なかったが、仰々しいゴーグルなんかをつけているわけでもないのに、長年追い続けたアイドルたちが目の前で公演をしているというのは不思議な気分だった。セトリもHappy!を除けばOFAまでの曲なので、古参や近年アイマスから離れていた人もホイホイする内容と言える。多分、メインターゲットは完全に765Pに絞っていたのだろう。


主演の真のソロ、1曲目はtearだったが、とにかく仕上がっていた。
アイマスMRの強みは、中の人にダンスの負担がかからないことだ。歌うだけでも簡単ではないtearを、真がキレッキレのダンスを踊りながら歌う。ステージで見ると、思った以上に華奢に感じる身体をめいっぱい使って。バックダンサーさんが入ることで、立体感はそれまでの数倍になり、一気に現実感が強まっていく。
真自身もダンサーさんがリアルタイムモーションキャプチャーをしながら踊っているので当たり前なのだが、その動きはとにかく生っぽい。ソロ曲が始まる瞬間に、それは観客の誰もが気付けるくらいに。10年以上追いかけてきた菊地真が、本当に私の目の前の、ほんの数メートル先のステージに立っていると感じられるのだ。
ダンスの負担がかかっておらず、公演自体も9回目かつ最後というのもあるのだろう、平田さんの歌声も全力全開だった。

一言でまとめるなら、みんなが感想で言っている通りだ。アイドル菊地真が、そこにいた。


「ああ、来て良かった。一生後悔するところだった」

この感覚は、仮にアイマスMRが円盤になっても味わうことはできない。真の公演を見れただけで、クインテット諭吉バーストの価値はあったと思えた。

tearが終わったところで、そのまま真のMCタイムとなる。モーションは歴代アイマスのコミュのそれをベースとしつつも、真っぽい快活な感じ。かわかっこいい。

真に指名された方は3人とも(多分)最前席の方。うち一人は菊地真レーシング?のタオルを持っていたっぽいし、他のデュンヌさんも黒ベースで真に合わせたらしい黒系の装いだった。どういう当て方をするかはその日によって違うようだけど、わかりやすい格好の方が当てられやすいのかも……。
で、真もそのデュンヌに「可愛いですよ」とか流れるような王子様ムーブ決めてたし。見てるか白瀬、これがアイマスの元祖王子様やぞ。

中身は定番の横浜観光の話で中華街を挙げたPと北京ダック食べたいとか、仕事から直行したスーツ姿の多さに「ボク以外をプロデュースしてたんですか?」みたいな拗ねまこだったり。横浜周辺についてのたわいもない話をしたり、かわいい台詞とかっこいい台詞を選ばせたり。前者はきゃぴるんな感じでまこにゃんにゃん、後者は今夜は帰さないよ的なあれ。あまりアドリブ力はいらないMCだったけれど、過剰に平田さん成分が漏れることもなく、真らしかった。
そんでもって、真は最後の曲の衣装選びを観客に委ねたいという。衣装はスリーピングプリマとフォーエバースター☆☆☆。「うわあああ」となる場内。


スリーピングプリマ。7thの衣装がベースになっている。

フォーエバースター☆☆☆。アニマス最終話の衣装がベースになっている。



【追記】後でわかったけど、ステラステージのカタログつながりだった。




だいたい7:3で前者が選ばれた。うん、自転車ならそうなる。その後はジブリなど盛り上がる曲を何曲か続けて、いい感じで場が暖まったところでいよいよ最終曲に向かう。

にしても、ゲームのモーションの投影とはいえ、こうして等身大サイズでアイドルたちがステージに立ってくれると、普段はわかってても意識していないところに気付ける。

例えば、やよいや響は本当にちっちゃいし、センターの機会が結構ある律子もそうだ。対して亜美真美は身長だけすっと伸びて身体全体はまだ成長についていってない感じがしっかりわかるし、千早はすらっとした手足が綺麗だな、と思う。
そしてあずささんと貴音は本当にスタイルがいい。特にLOBMで水着でダンスしたあずささんはそりゃあもう




……そんなこんなで自転車。

かわかっこいい路線、ステラステージでも示された男の子も女の子も魅了するアイドル・菊地真のあり方の一つと言えるこの曲は、ただただ観客を幸せにした。
ライブ経験の浅い私は、真に対して自転車のコールである「好きっだよー!」ができたのが嬉しかったし、残っているエネルギーをすべてつぎ込んだかのような歌唱も本当に素敵だった。ダンスも「クールも可愛いも叶えてみせる」ではないが、真のかわいさ、かっこよさを余すところなく表現したものだった。ジャンプもしっかり決めた。歌とダンスを両立できるのは、やはり今回のような環境だからこそだろう。ダンスが重い負担になっている現在のASにとって、やはりこのアイマスMRは一石を投じてくれそうだ。
アイマスライブはよく「演者と観客の共同作業でアイドルを顕現させる儀式」なんて言われる。10th細氷はその最たる例だろうか。今回のアイマスMRも、普段のライブと形は違えど、紛れもなくアイドルをそこに立たせる夢のような時間だった。

真の終演の挨拶は、それまでの内容とちょっと違ったらしい。
この場に立てたことの感謝を真摯に繰り返す真と、思い思いの感謝の言葉を送る観客たち。そのやり取りがたまらなく真で、会場を埋めたPもデュンヌも、等しく魅了していた。そして、終演後のアイマス最高のコール(千秋楽だけだったらしい)。横浜まで来てよかった。

ありがとう菊地真、ありがとう、平田宏美さん。









■千早主演初日2回目。そして、3回目の衝撃


翌日の千早公演は2回目の公演チケットを格安で譲っていただけることになり、午前中の観光後に合流。お話をした限りでは前の方だろうと思って敢えて聞いていなかったのだが、なんと最前列AA席だった。あなたが神か。

実は前日の真の時も含めて、当てられたらこう答えようというイメージだけはしていた。
横浜なら中華街の関帝廟。これは私が三国志クラスタであるのもあるが、お勧め(あるいは一緒に回りたい)観光地を聞かれたら
「中華街の関帝廟は商売繁盛の神様なので、一緒に祈願したいです。真(千早)がこの先5年後も10年後も、ステージに立ち続けられるように」
と答えるつもりだった。これなら本心を伝えてもアイドル本人とその向こう側のどちらにも通じるし、バッドコミュにはならんだろうという目論見だった。ついでに、モノマネ頼まれたらいおりんのツンデレ芸をやってもらうつもりだった。



関帝廟。ちゃんと765ASが20年後も活躍できますようにと祈ってきました。



千早回のセトリは以下の通り。

  1. ザ・ライブ革命でSHOW!
  2. We Have A Dream
  3. 愛 LIKE ハンバーガ
  4. スタ→トスタ→
  5. 待ち受けプリンス
  6. my song
  7. i
  8. THE IDOLM@STER 2nd-mix
  9. arcadia
  10. MCパート
  11. READY!!
  12. Happy!
  13. CHANGE!!!!
  14. 自分REST@RT
  15. MUSIC♪
  16. 眠り姫

最前列はやばかった。端の方なのでどうしても表現上の粗も中段の席以上に見えてしまうところもあるのだが、とにかくアイドルが近い。ソロ曲以外でも、目があった、こっち向いたと誤認する。ドキッとする。千早まで、真まで、ほんの十歩足らずだ。


そして、mysong。

セトリは見ないようにしてきたので、実はmysongがどういう組み合わせかは知らなかった。そして、イントロでぐらっときた。律子、美希、やよいだ。ツイートでも後で書いたが、



生歌でも何でもないのに崩れ落ちそうになった。アイマス、お前、ほんとそういうとこやぞ……。






そして待望の千早ソロ。1回目の公演の情報は封鎖していたので、2回目のこの時、何を歌うかはわからないままだった。ダンサーつける以上は「arcadia」か「眠り姫」は来るだろうなーと予想はしていたのだが。





1曲目はarcadiaだった。

スレンダーな千早がシンクオンリーユーを身に纏い、私の目の前でそのしなやかですらっとした手足を伸ばして、響・真もかくやというダンスを見せる。イナバウアーのようなポーズもあり、ちょっと動きすぎにも感じたが、Da全振りした千早の可能性、歌だけではない千早の可能性という意味では大いにありだった。歌い終わった後、肩で息をしているのも芸が細かい。

千早の新たな魅力が、そこにあった。

ただ、ダンスの制限を取っ払った条件下の割には、千早の声の伸びがやや抑え目に聞こえた。高音も普段より張り上げる感じ。もちろんこの曲は難曲だし、ダンサーに合わせたり制約も色々あるから、必ずしも制限解除がクオリティアップにつながらないのはわかっている。
その時は「比較対象の問題か、まだ試運転なのかな」と感じた。


※2回目終了後のツイート。この時点では状況を読めていなかった。


野球民兼任なので例えが野球で恐縮なのだが、この後の2回目眠り姫も含めて、千早は例えるならば「大谷翔平の投げる球が150km台前半しか出てない」状態だった。好調時、短いイニングなら165km連発、長いイニングを投げる先発でも160km前後を投げる投手が、だ。もちろん150kmを平均して超えてくるのは一流投手のクオリティだし、合格点は超えている。ただ、QSは達成していても6回2~3失点くらいの内容に違和感は残った。それでもこの後のMCが千早節全開だったのもあって「まあ力配分だよな。仕上げまくってCD音源を凌駕した10thや初星を比較対象にするのもアレだよなー」と流したのだった。



そのMC。「春香のようにはできない」と前置きしただけあって、これが実に千早。
最後のソロ曲に向けてボイトレをしたいそうで、曲のリクエストを振ってくる。当然あっちこっちから「細氷」(1回目はこれだったらしい)「約束」「目が逢う瞬間」といった千早曲が次々に挙がる。ぷちます曲の「choco fondue」という声が上がると、すかさず「季節が合わない」とばっさり。指名されたと間違えて立ったPに「あなたではないわ」と火の玉ストレート。実に千早である。でもさすがに9393はしてなかったと思う。

そんな千早と、目が、逢った。確かに間違いなかった。

(どどどどうする俺はSnow white推しだけどさっきchoco foudueに季節合わないって言われたじゃん。や、約束いやあれは765揃ってこその曲だししかし千早綺麗だなとにかく落ち着け落ち着けけけ)

「2列目の白黒?のシャツを着た貴方」

私も勘違いしてて、当てられたのは真後ろのA席のPだった。しかも名前まで呼んでもらってた。ぐぬぬ

その後、指名の末に千早が選んだのは蒼い鳥。自身にとっても思い入れの深い曲ということで、アカペラで一節を歌ってくれた。かなりエフェクトはかけているように感じたが、さすがは千早と思えた。


大トリは眠り姫。ここでアイマスMRに新しいギミックが登場する。ステージ中央に背もたれ付きの椅子が置かれ、歌い始めた千早がそこに座るのだ。

衣装は私がステラステージの衣装で一番好きなオーロラディーヴァ。


※プラスタではそれはもう取得が大変なアレだったという。ステラステージならソロを育てれば容易にゲットできるのでみんなステラステージやろう。

まだ試験的ということもあって、ドレスの裾は椅子を貫通していたし、歌い始めて数秒は千早の右手がガタガタ震えてたりもしたが、ちょっと伸びを欠くものの歌もしっかり歌えていた。特に大サビに入る辺りからエンジンが全開になり「やっと本気の千早が見れた」と感じた。

これなら、慣れてきた3回目はさらなるクオリティが期待できそうだ。連番で入場したPと別れて、この記事の構想をまとめながらその時を待っていた。後で振り返ると、こんな余裕のツイートもしていた。



落ち着いて見ることも、記事の構想も見事にぶっ飛んだのだが。









3回目は後ろから数えたほうが早い11列目。千早のハッピを着ておられたガチ勢の方から名刺をいただいたり、近くの方とだべったりしながら開演を待った。最初の各曲ももう見慣れたもので、いわゆる担当以外の子もゆっくり見る余裕があった。


そして、ソロ曲のarcadia
冒頭に音が入らず「おいおい音響トラブルか」と思ったがそうではなかった。

声がかすれて伸びず、ところどころ切れる。得意の高音が維持できず普段裏返さないところで裏返す。音響が必死にカバーしていたようだが、明らかに千早は異常だった。

客席もコールを送りながら、明らかに困惑していた。それまでの公演でもこんな状態ではなかったし、特に初見では「これも演出なのか」と感じた方もいたようだ。千早は、今井麻美は、これまでに歌声を失いかけたことがあったから。だが、そんなレベルではなかった。たぶん、如月千早として、今井麻美として、ステージでここまでの状態になったのはアイマスの歴史の中で初めてだったのではないか。


異様な雰囲気が残る中、MCが始まる。冒頭、千早は体調を崩したことを報告した。それは本来なら、千早ではなくミンゴスの問題だ。しかし中の人の存在を見せないアイマスMRでは、あらゆる不調はすべて「千早の不調になる」。千早は申し訳なさそうに俯き、言葉に詰まる。

ここに来て、ようやく客席も事態を完全に把握する。
私もこの時、2回目公演直前に、音響調整で現場に入っているフェチ川さんこと中川浩二氏がやたら厳しい表情で横を通り抜けていたことを思い出した。
深刻だったのだ、彼女のコンディションは。おそらく最初から。2回目のラストの眠り姫でも、あるいは力配分をせず無理をしたのかもしれない。

千早は言う。自分はプロ失格だと。そして続ける。本来なら最後に眠り姫を歌うつもりだったが、このコンディションでは……と。どうしたらいいのか、と泣きそうな声で訴えてきた。

■現実のコミュは、三択ではなく自由回答


ソロ曲のネタバレまでしてこんなことを言う彼女に、我々はどんな言葉をかけたらいいのか。

「頑張れー」と声が上がる。それ、2回目でも具体性がないって言われてたんですよ。今泣きかけの問題児に。
「み、みんなで歌おう」と声を上げた奴がいる。アホか。約束ならともかく眠り姫をみんなで歌ってどうする。誰だよそいつ。はい、俺でした。

そんな中「俺が歌う」と大声を上げたPがいた。緊迫した空気が少し緩み、客席から笑い声も上がる中千早が反応する。「歌詞を覚えているのですか?」と。再び笑い声。また少し、空気が緩んだ。それで、会場が救われた。

アイマスでは、コミュは基本三択。稀に四択だったり二択だったりもする。そしてそのどれかは正解だ。でも、こういう場でプロデューサーとして聞かれたら、我々はどう答えるべきだったのか。そもそもあの瞬間に、パーフェクトコミュニケーションになる解答はあったのか。アイドルの窮地に自由回答欄を突きつけられた我々は、少なくともパフェは引けなかったのだ。

そんな中、千早は衣装選択をしたいという。これ自体は他の子でもあったもので、この時はオーロラディーヴァとシーブルームカーテン、要は水着。



千早のライブではネタ衣装なので、本来ならここで笑いを取る場面だったのだろう。ただ、現状はそれどころじゃない。観客席も「いやいやいや……この状態で水着はねーでしょ」という空気だし、なのに千早はこんなコンディションで歌うくらいならいっそ水着でとか言い出すし。
幸い、ここでも「お腹が冷える」と指摘した声もあって無事オーロラディーヴァになった。


最後のソロ曲に向けて千早は言う。励ましの言葉がほしい、と。当てられたG-15番席P(仮名)は「大好きだよー!」と叫び、千早に「今はそういう時ではないかと」と見事にバッドコミュを引く。気持ちはわかるけどそらそうだ。前代未聞のトラブル下にあっても、千早は全力で千早だった。

多分、ここでグッドかパフェを引くには「俺は千早を信じているし応援している。失敗してもいいから、今出せるものを出せばいい」だったのだろうか。システム上で、休めという選択肢がない以上は。

アニマス19話ラストと次回予告を突きつけられたあの時のような気分で、後半戦が始まった。



■眠り姫と、優しい世界


最後の眠り姫は、先ほどのarcadiaほどではないにしろ、やはり2回目に比べても苦しい、苦しい歌だった。
胸が締めつけられるような歌声。どうか大事にはならないでくれと祈りながらサイリウムを振り、あるいはそれさえも忘れてステージを見つめるPたち。ただ不思議なもので、それが逆に現実との境界線をさらにあやふやにして、パフォーマンスを発揮できない状態の千早を応援する、という没入感を感じていた方もいたのではないか。普段の彼女の歌とは違った感情を揺さぶられた方もいただろう。あの瞬間、確かに我々はお遊びではなく本気で千早を応援していたのだ。
もちろん、こんなの千早じゃないという声も後で見られたが、私はただただ、頑張れ、頑張れ、無事にやり遂げてくれと願っていた。


ボロボロになりながら、千早は歌う。こんな千早を、そして彼女を応援したことは、たぶんどの千早Pもないはずだ。
美談にしようとしていると言われるかもしれない。でも、かつてない苦境に立つ千早に声援を送ることは、ある意味で、あの場にいた数百名だけに許された、貴重な機会だったのかもしれない。千早が約束を披露したアニマスの20話、そして眠り姫で復活を遂げた21話のライブに参加した観客たちのように。
こんな経験をできるのは、きっと後にも先にも昨日の3回目に参加したPたちだけだ。


ラストの大サビは、払底しかけている力を絞りつくして持ち直す一方、一部でキーを下げた。でも、結果的にはそれで大火傷は避けられたように思えた。

今できるベストを尽くす。プロ失格と自嘲しながら、「彼女」はプロとしての意地を見せたのだ。


多分、CD音源や補助用の加工音源自体は用意されていたはずだ。おそらく、差し替えも選択肢に入れていた状況だっただろう。それでも、それだけは彼女たちが最も避けたいことのはずだ。原因が自分でプロ失格であろうとも、それをすることだけは。

曲が終わり、送られる拍手と歓声。千早は重ねて謝罪する。楽しみにして来た人たちを怒らせてしまったかもしれないと。すかさず「次回も来るから」「また頑張ろう」と声が飛ぶ。みんな、優しかった。






ああ、そういうことかと得心がいった。



■我々が観客でなくプロデューサーなのは、最後の安全弁

アイマスMRも、我々は観客でありながらプロデューサー(たち)。普段のアイマスライブよりさらに歪な感じもあったが、トラブルがあったことでその意図に気付けた。要は、この脆い世界を維持するための安全弁なのだ。
観客ではなく、プロデューサー扱いなら多少メタってもごまかしが効くし会話の幅も自由度が増す。この3回目、仮にアイドルと観客という関係だったらどうなっていた? 破綻の可能性もあったかもしれないし、公演中止もありえるレベルだ。

即興要素の強いMCで、厄介が多かったら? ASのように声優キャリアとアイマス歴がほぼ重なっているベテランならばある程度のことはキャラとして対応できるだろうが、これを将来他のカテゴリまで広げた時にアイドルと観客ではリスクが高まる可能性がある。

今日のように万一のことが起きた際の――まさかアイマスの魂と言える存在がステージに立つ日でこんなことが起きるのは想定外だっただろうが――そのための、「プロデューサー」だったのではないだろうか。世界にゆとりと万一のための余裕を持たせるために。




まあ、プロデューサーでないと真のまこまこりんムーブとかいおりんの罵倒マジ最高!とかはできないので、そういうのもあるんだけど。
そもそも古参向けかつ1時間で実質7000円の決して安くないチケットなので、今回についてはもともとある程度のリスク排除はできていた、のかもしれないが。





■どこまでも昨日を越えないと気の済まない女、如月千早


初星宴舞2日目、ミンゴスが言い放った名言だ。彼女たちに共通する精神だと思う。



千早は再起を誓いつつも、それを見にこれない人も多いことを詫びていた。涙声で時折言葉にも詰まっていたが、さすがのリアルタイムモーションキャプチャーも、涙までは再現できない。でも、きっと、瞳を潤ませていたと思う。
本来の台本も崩壊していたので、予定されていた観光地に行く話の前に、次週に向けて病院に行ってしっかり治すという千早の即興のコメントが入り(そこでプロデューサーも人間ドックに、と言って笑いを取ったのはさすがだったが)、話の前後が綺麗につながらなくなったりもした。


悔しかったと思う。彼女に、彼女たちにとって、十数年の歴史の中でもおそらく筆頭に数えられるほどに。

だからこそ、私は思う。如月千早は、今井麻美は、このまま終わるようなタマではない。これまでそうしてきたように、失敗した分は必ず取り返しに来る。今井麻美として「眠り姫」で取り返す場は当面巡ってこないだろうが、如月千早としてはあと2日、チャンスがある。少なくとも千秋楽の27日、千早はとんでもないものを見せてくれるだろう。私は見に行けないが、そう確信している。

うん、こういうのが彼女にさらなるプレッシャーかけているってわかっている。でも、色んな難しい事情は増えているけど、あらゆる障害やトラブルを踏破してきた彼女たちを信じたいじゃないか。

どこまでも昨日を越えないと気の済まない女、如月千早。彼女はきっと、アイマスMRの舞台で今度こそ力強く羽ばたいてくれるはずだ。

頑張れ、如月千早












「頑張れと言われても、具体的でないと……」





はい。昨日そうおっしゃってましたね貴女。ノーマルコミュニケーション。









■未来につなげるために





技術的な話は、それができる人に譲る。端から見ると立体感に難が出たり、交差する場面で遠近感がなかったりとか、背景と衣装の兼ね合いで脚が透けたりというのも、これから少しずつ改善していくのだろう。千早のトラブルやそういうところも含めて、まだまだ課題は山積している。コスト面でも、人件費からすればこれより安価にするのは簡単ではないだろう。




さて、キャリアが長いだけの古参Pとしては、
「みんな一度は行ってみてくれ、アイマスMRはいいぞ」
これに尽きる。



担当がいなくてもいい。当初ガラガラの懸念があった席は、口コミでかなり埋まった。千早の千秋楽以外はまだ残席が少しあるらしいので、残りを埋めて満席にしてほしい。後方の座席でもチケット代に値する価値はあるし、千早公演のMCでは結構後ろの席でも指名されることがあった。私のように往復の交通費だけでも諭吉がトリオバーストするような地方民はともかく、関東民はぜひ一度足を運んでほしい。特に古参なら、きっと後悔はしないはずだ。




そして、みんなで次の機会につなげてほしい。今公演が好評なら、秋辺りに美希や伊織といった後発組にもチャンスが巡ってくるかもしれない。あるいは、既に公演を終えた春香や真、再起を期す千早たちにもアンコール公演のチャンスがありうるだろう。
もしかしたら、8月のプロミやその先のライブで、さらなる進化形だって見れる可能性もある。さらに遥かな未来、我々が光る杖を振るようになる頃まで、ASが一線に立ち続けるためのアシストをアイマスMRとその系譜が果たせるかもしれない。

そしてステラステージもプレーしてほしい。アイマスMRで躍動した彼女たちの新たな魅力に、きっと出会えるから。

せっかくの好機、みんなで広げよう。まだまだ765ASは前に進めるはずだから。










最後になりましたが、千早公演2回目で神席を格安で譲っていただいたひでいちP、またしても私を沼に引きずり込んだきゃのんPはじめMRの感想を拡散してくださった多くのPに、感謝を申し上げます。駄文をここまでお読みいただき、ありがとうございました。









(5/18追記)
思った以上に多くの方に読んでいただき、本当にありがとうございました。私の記事が、少しでもアイマスMRへの関心につながったのなら幸いです。
また、先ほど終わった千早主演2日目の感想を見る限り、今日の千早はしっかりコンディションを戻して歌いきった様子。ミンゴスがSSGを休んだときはどうなるかと思いましたが、ひとまず安堵しました。
千早の主演日は残り1日。千秋楽でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみでなりませんね。響や貴音、雪歩回にも期待ですし、まだチケットの残っている回に行ける機会がある方はぜひ参加を検討してみてください。

(9/29追記 2ndシーズンについても書きました http://ch.nicovideo.jp/sidenp/blomaga/ar1652747


アイマスから離れかけたP歴11年の私が、初星宴舞で再びアイマス沼にドボンした話

中村繪里子「私たちに出会えたことが、運命でしょう?」
私「うん……! うん……!!」(感涙)

このブロマガはだいたいこの二行に要約される老害の最高に気持ち悪い文章です。現地・ディレイビューイング参加直後の走り書きをベースに仕上げたので、謙遜とかでなく本当に気持ち悪いです。
大半は数年後に見返すための自分用備忘録みたいなものなので、本筋だけ見たい方はライブ感想以外はすっ飛ばしてもらっていいです。
本当は先月のDVの後に上げるつもりだったんだけど、2月無休だったせいでライブから2ヶ月後の投稿になってしまった……。







アイマスに救われるときは、いつもどん底

アイドルマスターに出会ったのは、まだ学生だった11年前の2007年1月末。ちょうど箱版アイマスが発売されて、数日も経たないくらいだった。
当時は色々とやらかして精神的にどん底の状態で、ようやくそのトンネルの出口が見えた頃。そんな時、見始めたニコニコ動画アイマス動画に出会ったわけである。
最初は人気拡大に一役買った美希周りのコミュ。そして、当時最先端だったステージシーンの映像。当時はまだ入り浸っていたふたばの二次裏で、とあるユーザーが美希シナリオ(いわゆる覚醒美希ルート)を実況配信していて、それも引きずり込まれる一因になった。
私自身は「アイドル」には縁遠く、モー娘の全盛期も大して関心はなかったし、そもそも大学に進むまではいわゆるオタク趣味にすらそこまで近くなかった。素養はバッチリだったが。
当然ギャルゲもほとんどやったことはないし、音ゲーセンスは論値だったけれど、はまったのはそこではなかった。「アイドルと二人三脚で、あるいは並んで走っている」 この要素に魅かれたのだ。当初に触れたのが、美希や千早のシナリオだったのも大きかったのだと思う。

その後、3月上旬にきゃのんPの制服真シリーズが決定打となって菊地真Pになる路線が決定。振り返ると自分はボーイッシュ、あるいはめんどくさい性格のロングヘア、いずれにせよスレンダーな子が好きだったので、その後も必然だったのだろう。当時蓄えはほぼなかったので「初任給で箱とアイマスを買おう」と決意する。


……ここ数年はやれ伊織Pだの千早Pだの言われるけど、私は一貫して真Pです。これだけははっきりと真実を伝えたかった。

ニコマスデビューも、声優コンテンツにはあまり関心なし

その年のGWに初めて振り込まれた給料で箱とアイマスを買い、さっそく真をプロデュース。音ゲーセンス皆無だった私は、ある程度コミュの正解を抑えていてもなお、Bランクでドーム失敗エンドだったのもいい思い出だ。
丁度ニコニコでは、ニコマスが日進月歩の勢いで躍進していた。PVはもちろん、当初はプレイ動画に毛が生えた程度だったim@s架空戦記シリーズも、うさちゃんPのiM@S演義や糸冬Pの伊織立志伝などの影響でシナリオ重視の流行に舵が切られ、07年末には黎明期を脱しようとしていた。

演義は今見ても面白いです。うちのシリーズの中盤以降はもっと面白いけど。



そんな流れに乗って、私も3ヵ月ほどの準備期間を経て08年4月三国志アイドル伝―後漢流離譚―」ニコマスデビューする。もう少しで初投稿から10年だ。マジか。

忙しい生活の中で、持病をなだめすかしながら私は睡眠時間を削りに削ってこのシリーズにリソースをつぎ込んだ。シリーズは7年以上をかけ、架空戦記の単一シリーズでは三指の長さになった末に15年5月に完結するが、これのために寿命を削ったのは今も後悔はない。
ただ、肝心のアイマスのゲーム展開には音ゲーの苦手さや一時期の公式の迷走もあって十分にはついていけていなかった。何せこのシリーズに時間をつぎ込んだ分、ゲームにかけられる時間は少なくなる一方だったのだ。しかもまだ若かった自分は、10年ごろからとんでもない失敗を犯す。

「自分で指定した動画ができるまでゲーム(ほか各種媒体)を封印する」

自分の熱に自信があったからこそでもあったが、このせいでアイマス2も、OFAも、まともにプレーするのは発売してからプレーまで随分と間が空くことになった。(アイマス2は震災のせいもあったが)
無論、そうなると周りのPさんたちは私が手をつける頃にはだいたい遊び終え、流行も収束している。私は取り残されるのだ。

そして、当初はアイマスの売りである声優――中の人との連動コンテンツにもそこまで興味がなかった。強いて言えば千早の中の人であるミンゴスこと今井麻美くらい。最初は「歌上手いし綺麗な人だけどそれ以上にすげー残念だな!」とかそんなんだったが。だいたいアサミンゴスPのせい。
何にせよ、そこはこの手のアニメ・ゲーム界隈に浸かるのが遅かったのと、あまり現実のライブに関心がなかったためだろう。だから雪歩の中の人が交代したときも、「(最後に声を当てたCDの)MSSでも声維持できてなかったし、ライブ出れないんじゃしょうがないよな……」というのが先にあって、あまり衝撃はなかった。今振り返るとひどい。
本格的に中の人コンテンツに触れるようになったのは、11年のアニマス以降。上京した翌12年は「せっかく東京に来たし7thライブに行ってみるか」と準備していたものの、上京早々うっかり死にかけて長期入院し、それどころではなくなる。

その後このニコ生はミンゴスや神たちのカラオケ歌唱コーナーもさることながら、それぞれの中の人のキャラが前面に出ていて楽しかった。ただ、12年秋以降は私のメンタルがまたどん底になったり、翌13年に「僕自身東京から出る喜びがあった」などと寝言をほざきながらそうそう上京できない地方にドロップアウトしたため、一度逃したアイマスライブへの縁は遠ざかっていった。


■趣味からも離れた、ただの社畜になりかけていた


15年5月、後漢流離譚完結。単発シリーズは続けていく予定こそあったものの、私はかなりフリーになった。その夏にはアイマス10年の集大成と言える10thライブ(西武ドーム)があったが、この時は海外出張で不在。まあそもそも、行く気があってもご用意されたとも思えないが。
10th以降にいわゆる765ASの活動が一段落したが、さりとてシンデレラやミリオンに本格的に手を出す気力はなかった(デレアニはちゃんと見たが)。何年経っても音ゲーは苦手だったし、今さらイチから追いかける気力もなかった。齢三十を過ぎて立場も変わり、ニコマスも公式の供給拡大で一定の役割を終え、私自身は一つの成果物も出し終えた。インプットを怠りながら熱を出し切った私にはアイマスPとしての衰え、一つのカテゴリに注ぐ体力と関心の低下が来ていたのだ。持病も完治したので、この頃からロードバイクにもはまって、あちこちを旅して走り回ったりしてたのもあったかもしれない。

そうしたアイマス熱の低下に加え、それを自覚しながら私は、翌16年夏にPS4と新作のプラチナスターズを積んだ。制作中の、最終回後の千早を主役とした後漢流離譚外伝が遅れていたからだ。千秋楽太郎さんその節はほんとすみませんでした。あと今も現在進行形ですみません。命だけは、命だけはお助けくだされ。

……結果、プラスタがゲームとしてアレだったこともあり、私はとうとう未プレイに終わる。アイマスのゲームを完全に積んだのはこれが最初だった。外伝は私の忙しさと熱の低下もあり、三国志と「自分の物語の千早」への責任感でどうにか翌17年夏に三話完結するものの、アイマスそのものへの熱意の低下はもはや否定できなかった。今思えば信じられないのだが、チケットさえ確保できれば余裕で休みを取って行けた年初のプロミにも申し込みをしようという発想すらしなかったのだ。



そんな私は、15~17年にかけてこんなことを言い出すようになっていた。

アイマスはそろそろ世代交代の時期。765ASにはせめて最後に大きな花火を上げてスパッと世代交代してもいいのではないか」


これには孔明も呆れ顔。


いや、当時の自分からすれば一理もないこともないのである。アケ・無印アイマスはやはり「最後の花火」は重要なワードであるし、私自身はニコマスPとしてもかなり過激な「物語は完結してなんぼ」という主義者だったし。
おそらくアイマスの最終到達点である東京ドームは易々とは使えない。それをやれば次のステップがない、とはなるし、何より東京ドームの使用料はとんでもなく高く、ペイできる保証もないし客席が埋められる保証も無い。
東京ドームは同じドームでも、5年後には日ハムに逃げられて赤字を吐き続けるクソ箱になるので話題の札幌ドームの倍以上高いのである。と思ったけど札ドって4万人入ったら追加料金で東京ドーム並みの使用料になるからやっぱりクソ箱だわ。

……ともあれ、最後の花道ならば、AS単独でペイできるうちに年齢を重ね、続々と結婚・出産での離脱が相次ぐようになった中の人の誰かが欠ける前に東京ドームでやれるのではないか。そういう理屈だった。バカかお前は。


ただ、そうなる前に一度はアイマスライブに行ってみたい。自分の中の熱が今以上に消える前に。そんな中でたまたまチケットが取れたのが、今年1月の初星宴舞だった。このチケットが取れなかったら今どうなっていたか。考えるだけで恐ろしいが、これが大きな分岐点だったのかもしれない。



■上京、そして幕張へ。

チケットを取れたのは初日の1/6のみ。社畜の私には、念のため前日から休みを取れるかが課題だったが、幸いそれは何とかなった。ただ、アイマスに限らず趣味の上京はこれがしばらく最後になるだろうなという覚悟もあった。新年度は環境が変わるとともに、アイマスはもちろん、この手の趣味やら薄い本やらを処分する人生の転機が来る可能性が高まっていたのもあったからだ。

1/5に上京。いつもの都内メンバーである、華凉さん六合さんぶっくりP千秋楽太郎さん  と、以前からどうしても行きたかった湖南料理シャンウェイでメシを食った。


※ドラマ版孤独のグルメでもおなじみですが、すんげー美味かったのでお勧めです。写真は最近できた飯田橋の支店で食べた、毛沢東スペアリブと骨まで食べられる蒸し鶏


後から華凉さんには「ライブ前日に劇辛の湖南料理はどうかと思った」とは言われたものの、後先考えてない私は楽しければそれで良かった。このメンツで会うのも最後かもしれないし、ニュアンスではあるが「これが最初で最後のアイマスライブになる可能性が高い」という話もした。この時にキャリア約20年の歴戦たる華凉さんに「声優ライブってどうなんですか」って聞いていれば、また先入観も違ったかもしれないが、結果論では聞かなくて良かったのだと思う(その辺りは帰還後のニコ生で色々教えていただいたのは、知ってる人もいるかもしれない)。

今回の初星宴舞に備えての予習は、ほぼ10thBDのみ。3連休を捻出するために、年末に発売されたステラステージはほとんどやれていなかった。ただ、年末から10日間ほどは、10年以上付き合ってきたアイマスの曲を聴き込んでは来た。プラスタ時代はもはやCDさえ買っていなかったので間隙は多くあり、スマホに突っ込んでいたのももっぱらアケマス~ムビマス期のCDと、ミリオンでは発売当初から買っていたASベストアルバムの曲が多かった。いや、にしてもアイマスってほんと名曲揃いですよね。


1/6。ヘルニアもどきを患っている腰は朝から限界値ギリギリだったが、幕張に着いた段階ではまだ大丈夫だった。


会場の幕張イベントホール周辺は、正午前の時点で既にライブ参加者が溢れていて、活気に満ちていた。


会場の横断幕。真かわいい。

ただまあ、元々グッズに拘わらないのもあり「最初で最後になるかもしれないし買ってもなー……」とか、世間では隠れなことやこの齢まで微妙にオタク趣味に浸かり切っていなかった恥ずかしさという理由もあって、ライブ向け装備はペンライト1本だった私はびびった。プロデューサーもプロデュンヌもハッピやら何やらガチ装備が多いのである。
「やべーなー、コールも自分REST@RTくらいしかわかんねーしなー」とおっかなびっくり会場に入り、挙動不審なままフラスタを撮ったりしながらホール内に歩みを進める。


■初星宴舞、初日

私の座席は……まあ現地ゲットしといて文句言うなと言われるのだが、そこまで良い席ではなかったらしい。


この辺り。距離はともかく、どうも音響との相性が悪かったのか、中盤までは高音帯の歌声がキンキンして聞こえて「○○さんってこんな声だったっけ?」となることもしばしばあった。ディレイビューイングでは問題なかったので、音の当たり方か設備か私のコンディションに問題があったっぽい。
近場の席はグッズやハッピからすると伊織や響Pの方がいた。あとで07年からのアイマスPと言うと「すごい古参ですね!」と驚かれたりもしたが、それはライブ終了後の話。コンパクトな望遠鏡を持ち込んでいる方もいて「双眼鏡! そういうのもあるのか……」と気付かされたこともあった。なんせでかい箱のライブは、06年秋に東京ドームに行って以来だったので勝手がわからなかったのだ。


期待不安半々で、腰は痛いわコールやプラスタ・ミリオン曲はあまりわからんわという中で、ライブは始まった。
各曲の「※」以後は2月10日のディレイビューイング時の補足的感想。


00.紅白応援V

これは正直ありがたかった。乗り切れないテンションだった私も何となく流れに乗せさせてもらったし、後方席だったこともあって前列やアリーナ席を見て、だいたいの感覚をつかめたし、どうせ知ってる人もいないんだからと最初から乗れた。この曲にテンションを上げさせてもらったおかげで、今もステラステージで地獄の特訓をやる時のこの曲が楽しくてしょうがない。でもフルコンはできない。


01.THE IDOLM@STER 初星-mix-

始まった。
同じ会場で、自分がついたり離れたりしながらもずっと並走してきたアイマス声優が歌っているのだ。歌マスは最初かなーとは思っていたが、よくよく知っている曲なのでコールもすぐわかったし、没入できた。昔はそんなんでもなかったけど、この曲も年を重ねると結構好きになるものである。この曲だけは、アイマスというコンテンツが続く限り歌い続けられていくのだろう。

02.START!!
03.プラ・ソニック・ラブ!
04.私だって女の子

先述の音響の件もあって「あれ、こんな声だったっけ?」という感覚はありつつも、よく知っている曲。周りを見ておっかなびっくりペンライトを振る。後でわかったが、誰も私なんか見てないのでそこまでタイミングに気を配る必要はなかったらしい。
※以下DV感想
映画館でのは現地の時よりちゃんとちゃんとした音で歌が聞こえた。でも現地も後半は特に違和感なかったし、なんだったんだろう……。

05.トリプルAngel

ぱやぱやぱー。あさぽんこと下田麻美のライブ力ってすげー。煽りが桑田佳祐っぽいのはもう知っていたけれど、後のMCで若林神に「最小限で最大限煽れる」とか褒められていたのは笑った。このポジション、すごい大事よね。

中盤曲は聴き込んでない曲もあったものの、その分ステージでの動きや大型画面越しにじっくり見たり。ただ、いまひとつダンス面の凄さまではわからなかったり。これはDVで補完されることになる。

12.Day of the future

本当にブランク明けなのかこの人は……。ダンスが十分に確認できなくても、その凄さはよくわかった。一線から離れていたアッキーこと長谷川明子星井美希)。全開のパフォーマンスと気迫で会場のテンションを上げていく様は、さながらアニマス13話の美希か。ただ、この時点の私はその凄さを十分にわかっていなかった。
※以下DV感想
ディレイでじっくり見たら、ダンスキレッキレだし表情一つとってもメリハリついて全力で美希を降ろしてるし、なんなのこの人……。家庭持ってるから今度のプロミも出られなかったり環境も色々難しいはずのに、どれだけ初星のために打ち込んで仕上げてきたのか……。でも、本当に楽しそうで、2回目に見た時はやりきった笑顔が印象に残った。

13.Next Life

当日にみんなやべーやべー言ってたこの曲ではあるものの、ダンスが十分に見れなかったのもあって当日はそこまで印象に残らなかった(というより「隣に…」がそれ以前の曲をすっ飛ばした)。ただ、隣の響Pはあまり言葉が出てこず、すごい、すごいと言っていたのが忘れられない。
※以下DV感想

すごい(語彙力喪失)

専門のダンサーと遜色ないダンスをしながらアレ歌ったのか。すげーな。
ぬーぬーこと沼倉愛美は、キングも言っていたが今やアイマスというコンテンツにおけるエース格であろう。演じる我那覇響がASにおける美希・千早に次ぐ天才タイプのキャラの一角であるため、中の人のスペック発揮に制限がかからないこと、ライブ向けの盛り上がる曲が多いのもあるが、そういう諸般の事情を差っ引いても歌に踊りにやたらスペックが高い。翌日のRebellionやオーバーマスターといい、本当に仕上がっている。声優としても今が全盛期だからこそだろうか。この曲に限らず、全体曲の動きのキレも抜きん出ていた。
このライブで10年選手になったことを中村先生に祝われて、涙していた姿も印象的だった。

ひーりんぐさんは響を描かせたら世界一よねほんと……。

14.edeN

これも見たかったけどオリメン揃ってないからないだろうなーと思ったらあった。嬉しい誤算。そしてかっこいい。ステラステージでもようやく確保したので、主にオリメンでたまに使っている。シャイニーフェスタでは一番好きな曲だ。

15.Fate of the World

オリメンでは初だったと後のMCで知る。そもそも信号機トリオ曲自体が極めて貴重だもんね、アイマス。07年のC4Uでは3人突っ込んで(残りは当時人気が高かったらしい真とやよいを後先関係なく投入)、翌年のS4Uとの売り上げ格差がえらいことになったらしいのもたのも今は昔。

16.合言葉はスタートアップ!

ベスト版にないミリオン曲というのもあり、恥ずかしながらよく知らなかった。DVでは反省して事前に予習。うん、いい曲だこれ。多分ASが絡んでるミリオン曲、ちゃんと発掘すればきっと好きになれる曲がまだ眠っているのだ。しばらく距離があった分、これからはそういうものを探す楽しさもあるのだ。
幸甚至哉。歌以詠志。

17.Light Year Song

先行の対象CDだったこともあり、聴き込んでいた曲。気に入っていたし、この頃には周囲にほぼシンクロできていたので自然にペンライトを振りながらゆっくり聴けた。後方席だったこともあり、話題になった流星の演出はこの後のMCを待つことなく気付くことができたし、「あとはACMの3人かー。何歌うんだろ」とか考える余裕もあった。ただ、現地ではそこ以外の記憶がぶっ飛ばされたのだ。
そう、この日のライブ終了後、最大の話題となった次の曲のせいである。

18.隣に…

「マジかよ……」
そう呟いたのは、私の近くのPか、あるいはこの曲が歌われることを想像さえしていなかった私自身から漏れた言葉か。
あの誰もが知るイントロが流れた時、幕張イベントホールが確かに震えた。ざわめいた。長く披露される機会がなかったこの曲が始まった瞬間の幕張イベントホールの驚き、期待、観客の数多の感情を内包したあの一瞬のざわめきは、きっとアイマスと走り続ける限り忘れることはないだろう。

「隣に…」は三浦あずさたかはし智秋、ちあキング)の個人曲の筆頭クラスであると同時に、ニコマス全盛期を象徴する一曲でもある。古参にとっては、あずさPならずとも特に印象深いはずだ。
キングはあずささんを降ろさない。千早や貴音がしばしば降りてくるアイマスライブではあるが、程度の差こそあれ、私の知る限りキングは降ろすのではなくミックスさせてくるように思える。実際、この日も三浦あずさとしてと言うよりは三浦あずさ役のたかはし智秋として歌ったように見えた。

そして、その歌は圧巻だった。

声優個人という意味ではおそらく全アイマス随一の歌唱力を持つ歌姫が、ストッパーのかからない状態で難曲として名高い「隣に…」に魂を込めて挑んだのだ。そして、この曲で10年以上浸かったニコマスでの記憶とともにこの熱唱でブン殴られた私は、Bメロの辺りで既に視界がエコノミーと化す。アイマス曲で泣かされるのは、アニマス20話「約束」のエンディングで初公開された千早の「約束(ソロ・TV版)」で横断歩道での演出とあの千早の表情を見せられて以来、約6年ぶり2回目だった。

終わった後は、ただただ呆然としていた。次の曲「チアリングレター」のAサビあたりまで。真Pなのに。それくらいの衝撃だった。肩書きとか立場とか歌い方とか、アイマスとの距離とか関係ない。たかはし智秋が、この曲が世に出てから10年分のエネルギーを込めて歌ったのだ。そしてそれは最高のパフォーマンスだった。このためだけにチケット代を払っても惜しくない。このステージに現地に立ち会っただけでこの先ずっと自慢できる、そのくらいのものを見せられたのだ。

初星翌日、自宅への帰路でこの曲を聴いてはフラッシュバックで目が潤みかけたが、DVでもそれは同じだったし、映像で見直していても、あの瞬間、やはり幕張イベントホールは震えていた。ライブでは確認できなかった大サビ前の演出(スポットライト云々の話は意図的なものなのかどうかは微妙だったが)、キングが歌い終えた後にノーマイクでつぶやいた「ありがとうございました」も確認できた。それ以上に、情念を込めたその表情が見れただけでも良かったと思う。
LVにすら参加したことない私はヘタレてDVに二の足を踏んでいたが、仕事が早く終わって、この曲をもう一度見れるとわかったからこそ参加したと言っても過言ではない。終了後に回りの席の方が『「隣に…」が凄かった』とかあちこちで語ってるのを見て、ついつい「フフーン! ボクはそれを生で見たんですよ!」とか言いたくなったけど黙っといた。賢い。






それはさておき。



ニコマスにおいての「隣に…」と言えば、言うまでもない話であるがこの2つの動画が挙がる。

これらの動画について、説明する必要はないと思われる。

左の桃邪気Pの動画は、初星の後に削除荒らし(とみられる)による通報で消された。初星でリバイバルがかかって目立っていたところなので、それがなければ……と思う一方で、あの最高の「隣に…」が披露された後なので、結果論ではあるが、考えてしまうところもある。



あの動画も桃邪気Pも、十年を経てやっとその役割を終えられたのではないかな……と。











※以下、たかはし智秋公式ブログより









ひょっとしたら今回で最後かもなあ……としんみりしてしまう。あれしんどいもんね、歌う方も。ファンサ込みとはいえあと二十年続投宣言してくれたから、もしかしたらまた機会あるかもしれないけれど。
そうあってほしい。また現地で聴きたい。


18.チアリングレター

正気に戻った時にはAサビ手前に入ってしまっていたが、これもぜひ聴きたい曲だった。アニマスの真回のエンディングで流れた名曲である。

アイマスの商業展開において、真の扱いはさほど良くなかった。ただアニマスでは監督が熱烈な真Pだったこともあって、個人回以外でもメインの信号機トリオに次ぐ扱いをされた。

※20話「約束」より。千早関連で、立ち位置が美希より近い千早の隣(反対隣はもちろん春香)になる真というのもちょっと珍しい。こういうふうに、ちょっとした場面のあちこちで真の扱いの良さが光っていた(ムビマスではその反動か、扱いは控え目だったが)。

もちろん、個人回も真は全員の中で上位三指に入る出来だったが、そのエンディング曲がこれである。非常に真らしい一曲で、私にとっても自転車と並ぶ真ソロの双璧の曲だった。

聴けてよかった、素直にそう思えた。後でわかったが、初星宴舞は多くの演者がソロ曲を選べたらしい(ミンゴス除く)。その中でこの曲を披露してくれた平田さんには感謝しかない。

チアリングレターもアイマス歴長い人にぶっ刺さる曲ですよねほんと。はい。
アイマスを知った11年前の人生設計とは随分違うルートに進んでしまったけれど、これはこれで悪くはないということで。

19.虹のデスティネーション

めっちゃかわいいなこれ! めっちゃかわいいなこれ!
特にサビで3人が横向きに並んで、最後にこっちを向くパフォーマンス。あれ可愛い。というかあれだ、歌に限らずMCといいくぎゅ釘宮理恵水瀬伊織役)はめっちゃ可愛いお姉さんだなこの人!

そんなことを後日ニコ生で喋ってたら「今さら釘宮病罹患ですか」と10年遅せーんだよ的な指摘されてましたよ、はい。仕方ないじゃん、ただでさえ中の人コンテンツの消化率低かった上に、メンバー随一の売れっ子だったせいであまり来れない時期あったし……。何にせよバンナム様はハワイライブの夢は叶えてあげてください。ハワイでもサイパンでも、AS単独ライブなら私は金に物を言わせて行けるし、むしろチケット争奪戦がやりやすいし。休み取れるかは知らん。

かわいい。


DVでもいいパフォーマンスだった。3人ともダンス可愛いし何より、いい、笑顔でした……。あとめちゃくちゃかわいいな! 一人だけブーツにピンクのリボンつけてるし!
いや、現地ではそれぞれの衣装のバリエーションにそこまで気付けなかったんですよね。余裕なくて。



実はCDを買ったのはライブの後。本当にすまない。
ただ初星で披露された曲の中では、DVも含めたライブで印象が大きく変わる曲の一つだった。
いつかオリメン4人で披露される機会もあるんだろうか。
いつか、見たい。




20.Just be myself!!

脱・問題児した千早もいいものである。
最近の千早はかつての狂犬っぷりが影を潜め、2日目のMCではミンゴスがそのネタに言及したほどだ。でも、私は別に千早が抱えている問題を解決させて落ち着くのも、もっと言うと何より歌が最優先でなくなったっていい派である。約束ルート経由して色々決着させた感がある「snow white」も好き……というのは後漢流離譚視聴者なら言うまでもないか。
そういう意味では一部で物議を醸したOFA千早シナリオは個人的には大いにあり。いいじゃないあのエンディング、普通の女の子の喜びを手にできた千早って。あのエンディングのミンゴスの演じ方、本当に素敵よ。あれ見て「ああ、間違ってなかったんだな俺は」って思えたし。なお、OFAについてはその後のEXエピソードが……というのは細氷の欄で後述。
ステラステージの千早はまだプロデュース途中だけど、どうなるのかも本当に楽しみ。もちろん、問題児千早も当然ありだけども。

さて、千早論を語りだすとただでさえ長いこの駄文がさらに伸びるので曲に戻る。この曲は敢えてモニターは見ないで、遠目で「千早が降りてるように見えるか」にチャレンジしてみた。10thの細氷では、スモークによる影で千早が具現化されたのは有名な話だったが、遠くから見て千早に見えるのか。

結論から言うとよくわからなかった。ただ、本当に楽しそうに歌える千早ソロ曲というのはアイマス史でもほとんどなかった中で、ミンゴスは千早と一緒に歌っているように見えた。とてもそれが楽しそうに。それに関しては、確かに千早と重なっていたし、それを降ろしたというのであればそういうことなのだろう。
私はこの曲についてはそれで充分で、満足の拍手を送っていた。

DVではじっくり表情や仕草を見ることができた。後のTOP!!!!!!!!!!!!!もそうだけど、本当に楽しそうに歌ってるなあと。もう一曲くらいこういう曲、千早に用意してあげたい。問題はコロムビアさんサイドがMA4どころじゃないのがなー。


22.Destiny

アイマスにおける最高の全体曲は何か。
ある人は原点たる歌マスを挙げるだろうし、ブレイクを果たした箱マスでの看板曲、GO MY WAY!!を挙げる古参もいるかもしれない。コンテンツを沈没から救ったアニマスのOP曲、READY!!やCHANGE!!!!こそが最高のアイマス全体曲と言う人もいるかもしれない。シンデレラやミリオンの曲を推す人もいるはずだ。唯一の答えはなく、その人がいつどうやってアイマスに関わったかも影響しているだろう。

07年以来のアイマスPの私は、今なら「アイドルしての到達点を歌うならM@STERPIECEアイマスの歴史を、あるいはアイマスの良さであるPと二人三脚を歌うならDestiny」と答える。歌に求める意味次第では、Destinyはアイマスにおいて「最高傑作」と名づけられ、特別な意味を持つマスピさえ超える。流行の某ソシャゲ風に言うと「アイマス歴特攻(年次に応じてオーバーチャージ)」という感じか。
それくらい、この曲が私に与えた影響は強烈だった。

Destinyは言うまでもなく、アイドルマスターOFAのエンディング曲、及びオールスターライブで披露される曲である。ただ、自分は当時「あー良い曲だなー」止まりの感想しか持っていなかった。理由は先述のアイマス熱の問題もあるが、曲がゲームサイズだったのもある。
私がドはまりするアイマス曲の多くには共通点がある。

「BメロBサビで殺しに来る」

この記事で触れる、自分REST@RT、M@STERPIECE、チアリングレター、そして細氷。いずれもそうだ。
Destinyという曲の真価は、フルバージョンでこそ示される。

未所持の方はこの先を読む前にまずポチってほしい。限定盤をである。各ソロバージョンは限定盤にしか入っていないのだ。大した値段変わらないし。

買ったな? よし、では話を続けよう。


Destinyは、共に進む「あなた」との出逢いからの過去、そして未来を歌う曲である。私が好きな、アイマスの二人三脚要素そのものがテーマだ。
アイマスの歴史を歌う曲に相応しく、AメロはMA3、BメロはMA2、大サビ前はMAのナンバリング順に歌う。AメロAサビ、Bメロまでは過去から今、そしてBサビからは未来を歌う。

歌詞が手元にない人は https://petitlyrics.com/lyrics/1182170 あたりを確認してほしいが、やはりBメロからが素晴らしい。



特に、このBメロ。真ソロでは、平田さんの歌い方が素晴らしいのだ。Aサビまではいつもの真であり、Bメロから次第に感極まっていき、「なんで涙でるのかな?」のところからは涙声になりかけ、それでも持ちこたえ、大サビでもう一度その力強い歌声を取り戻す。真Pならこれはぜひ聴いてほしい。Destinyのソロバージョンは春香よりも、千早よりも、真が一番だ。


私にとってこの曲は「肯定」という要素が大きい。
アイマスとともに走った10年の肯定であり。一度離れかけ、それでもまた戻ってきたこと、曲の大サビ前の歌詞で言うところの「もし離れたって信じてるから 必ずまた逢えることを」につながる肯定であり。
「これからも私を見ていて下さい」は、これからも765ASが走り続けること、古参Pもそれを追うことの肯定である。
そして何より、一度離れかけた私でも、もう一回、そしてこれまで以上にアイマスを好きになってもいいんだという肯定だった。

そういう曲だからこそ、ASのこれからを示す初星宴舞でぜひ披露してほしい。マスピも、ジブリも聴きたいけどできればDestinyが聴きたい。だからこそ。

「みんなと、運命感じちゃおうかなって」

MCでこの曲の導入につながるこの言葉が聴けたとき、震えた。その後のことはウェーブをやったこと以外あまり覚えていないが、思い出ボムどころか思い出クラスターボムが炸裂し続け、ただただ幸せな時間だった。
曲の後は一旦下がって告知を挟んでアンコールとなるわけだが、しばらく陶然としていたと思う。



東京からの帰還後、各ソロバージョン込みで軽く200回以上は聴いただろうか。年末、初星現地、その後にまた聴き込んでDVで2回聞いて、この曲は私にとって最高クラスのアイマス曲の位置を不動にした。

DVでは少し落ち着いて見ることができて、何人かが歌いながら涙ぐんでいる姿も確認できた。そりゃそうだ、最初期メンバーはもう15年以上。自分たち古参Pよりもアイマスに深く長く関わってきたのは他でもない中の人たちである。アイマス歴特攻は我々以上にぶっ刺さるだろう。10thでも涙ぐんでたし。

いつか10th以上の舞台が用意された時、あるいはいつか訪れるその日が来た時、必ずdestinyを歌ってほしい。あとほんと、真Pで未聴なら真ソロバージョン聴いてな。すごいから。
聴真独唱Destiny不堕涙者、其人非真Pだから。





23.自分REST@RT

アンコール前の告知も終わり、少し水分補給もして、さて何が来るかなと待ち構えていた。TOP!!!!!!!!!!!!!は締め確定として、おそらくあと1曲。マスピか、ジブリか。まだ聴いてない、ステラステージの例の新曲は来ないでほしいなーとか思いながら固唾を呑んで見守っていたら、あのイントロが流れ始めた。

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

ペンライトをオレンジ系に切り替えて、ステージを見守る。この曲はアニマスの全体曲(劇中では竜宮小町と律子の4人は不在だが)でも一番好きな曲だ。
この曲が公開されたのはアニマス1クール目最終話。前話から続いて1/3くらいは実質美希回。


人気で大きく先行する竜宮小町が台風の影響で到着が遅れる中、急造のセットリストで他のメンバーがつなぎ、何とか盛り上げていくという劇中屈指の人気回である。トラブルを起こして一時離脱していた美希が「いくら美希でもこのダンサブルな曲を続けては無理だぞ」と言われながらもDOFとマリオネットの心で流れを変え、そして最後に自分REST@RTが登場する……という流れだ。
というか今年でアニマス公開から7年ですか。ヒエッ……。

公式コールがある曲なので、れは予習済みだった。めっちゃ楽しい。


ジブリも先ほど触れたように、Aサビ以降が非常に魅力的な曲である。ライブを見ていても、アニマスにおいてこの曲のAサビが終わったところでついに竜宮小町が到着し、美希たちの奮闘が報われる場面がオーバーラップするのもあるだろう。あの場面は忘れ難い。








この曲も未来へ向けて歌う曲だが、特にBサビの

限りなく広いアリーナで 歌声が高く遠く響く 
心の傷ついた人も 笑顔取り戻す 
パワーを与えてみせる

このフレーズがたまらなくアイマスであり、当時からしんどい時はよくこの曲を聴いていた。今では懐かしい記憶だ。

24.TOP!!!!!!!!!!!!!

アイマスライブの映像見るたびに思うけど、中村先生がめちゃくちゃ良いこと言ってから最後の曲に入るのずるいよねアレ。
でも、かつて自分が好きじゃなかった人が15年を経て、ここまで巨大化したコンテンツの看板を張り続けて、自分大好きって笑顔で言えるようになったこと。それは紛れもなく自分が好きなアイマスの要素。目頭が熱くなるのもしゃーない。
全員がそれぞれの思いを語ったときに若林神がボロッボロ泣いていたけれど、齢を取ると涙腺がもろくなるんじゃなくて、それだけ積み重ねてきたものがあるから涙腺がもろくなるのだと、自分もまた齢を重ねたことで気付く。

さて、曲である。
先述の通りステラステージはほとんど触れていなかったけれど、ストレートにアイマスらしい曲でより好きになれた。ここは表情が見たくて現地でもスクリーンを重点的に確認していたけど、ミンゴスがとても楽しそうに歌って踊っているのが印象的だった。そりゃそうよね、誰よりも単独ライブやりたがっていたんだもの。楽しいに決まってる。もちろん、他の皆も楽しそうだ。そういう姿を見られるとこっちも楽しい。ス

テラステージでは千早をソロ中心に育てているので、この曲とmy songでランクを上げている。ステラステージ面白いからみんなやろうな。ライブやDVで近くの席だった人でも、買ってない人結構いたし……。



早期購入特典の効果が切れたのもあって、今なら半額。賛否はあるけど必須といえるメールセットDLCで買ってもちょうどいいくらいの安さになってる。買え、ガチャではなくゲームを買って支えるのだ。シナリオもいいぞ。まだ真がようやくランクAになったとこだけど。





■終演後、さらば幕張

ライブが終わった後、周囲の人と一言二言あいさつして席を離れる。まだふわふわした夢心地で、この日のMVPを撮ったり、

もう一度横断幕を撮ったり、








腰の激痛に耐えながら語彙力足りてないツイートを連発したりしていた。













だよなあ。奇跡なんだよなあ。全員に近いメンバーを集めるとなると、各々の生活やトレーニング・レッスンの関係でもう年1でさえ難しいのは誰もがわかってるわけで……。
そんな奇跡の夜に立ち会えたのは幸甚の極みだ。もしチケットを取れていなかったら、果たしてこの先もアイマスライブに行こうと思っただろうか。DVも行かなかったのではないか。そうなったら、アイマスとの距離感はどうなっていたのか。考えるとぞっとする。

しかし何にせよ、ライブ一つで人生のルートも変わるのだから面白い。翌日夜のニコ生では語彙力崩壊しながら絶賛しまくり「最初に強い薬使っちゃった感じやな…」とコメントされた。
  https://i.imgur.com/hSpkGmF.png
https://i.imgur.com/IQhP4ab.png

……実際、コメントログだけでわかる大惨事っぷりである。

一つ言えるのは、どんな形でもいい、私は最高にカッコいいこの人たちをこれからもまた追いかけようと。そう決意できたことだったこと。











ヒエー、まるで二十代の頃みたいな熱さだあ……。






帰ってきてすぐに初星のアンケも書く。回答しか残してないので若干怪しいが、上がライブの感想で下が今後の765ASの活動についてだった気がする。

またこれからも、765単独でのライブが開かれることを期待します。全員が続けてくれる意思があるのはファンとして喜ばしいのですが、まだ皆さんが十分な能力を維持できているうちに、アイマスの最終到達点である東京ドーム、あるいはそれに準ずる箱での単独ライブをぜひ開催していただきたいと思います。10thのように、初日単独、2日目デレミリetcとの合同で構いません。東京ドームなら、チケットは今回の倍でも行きます。

倍どころか3倍でも行くよね。私にとってこの手のコストは交通費と滞在費が大半で、チケット代は大した割合じゃないし。

メンバーの皆さんも結婚や子育て、加えて年齢を重ねてきたことなどもあって、かつてのように単独で長時間ライブをするのは難しくなっているように感じます。その要因の一つがやはりダンスなのかな、と初参加で感じました。功労者である皆様に報いる意味でもドームライブをもう一度お願いしたいですが、一方で今後のライブではある程度ダンスを落として歌の比重を上げることで負担を減らし、皆様がライブを継続的に実施できる環境にシフトしてもいいと考えます。ダンスの負担が少ないバラード中心のライブを開くなど、今までの手法にこだわる必要もないでしょう。年に一回以上、単独ライブが開けるのであれば全国どこにでも駆けつけます。これからも、定期的に皆様の歌を生で聴ける場を用意していただければそれ以上は望みません。

ほんこれ。帰ってすぐ書いたから仕方ないけど、もうちょっと綺麗な文章ならなお良かった。


■次もライブやプロミに行きたい


見事に沼に引きずり込まれた私は、帰還後にゲーム先行でプロミのチケットの抽選に申し込みをする。なお、





一方、過去のライブ、もしかして参加できたものもあったんじゃないか……と思い、無駄な行為と知りつつも、過去のライブ自身のスケジュールと突き合わせてみたりもした。


これはひどい。しかし後悔先に立たず。
このツイートをした後の自分の行動が何だったかと言うと、

俺の答えはこれや。

しんどいときの精神安定剤を兼ねると考えれば安いものである。今後、AS単独イベントは原則すべてチケットを取りにいきたい。











■初星宴舞2日目(2/11)はDV参加 



 

10日の1日目DVに続いて2日目も参戦。1日目は当初行ける予定ではなく、当日たまたま仕事が早く終わったので行けた。2日目はチケット予約して半休も申請していた……が。直前で仕事が入ってしまい、会場到着は6時前。結果、ステキハピネスほか聴きたかった曲のいくつかを逃す。やっぱこの仕事やめるわ。
到着時はちょうどMCで絵馬の話をしていたところで、響賞のドリPの名前が挙がって会場が沸いていた。何にせよ、MC中なのでこれ幸いとスムーズに座席まで進める。隣が美希のハッピを着て専用ライトも構えたガチガチ装備のデュンヌだったので、(スーツ姿で遅刻してきてすみません……)と思いながらも着席。

07.虹のデスティネーション

はー、やっぱ可愛い。私も新しい地図広げて旅に出たい。ついでに転職したい。
この曲は何度も聴き込んでくると、大サビ前のメロディが好きになった。かわいい。

08.ブルウ・スタア

例え遅刻しても、この曲までには何としても間に合わせたかった曲。貴重なまこひび曲であり、ダンサブルな演出が見られるとわかっていたからどうしても見たかった。やー、2人ともキレッキレでカッコいいですね。期待値の高いこの曲に向けてしっかり仕上げてきてる。特に平田さんはあそこまで高めるのは大変だっただろうに。ただただカッコいい2人だった。
ここ、何度も見返したいので初星宴舞のBDBOX早めにください。できれば9月くらいにお願いします。

 

09.ゲンキトリッパー

初日は音響込みでも「声出てない?」と思わされた仁後さんだけど、この日は問題なさげ。それより、この日はMCで「誰か一人でも望んでくれる人がいる限りツインテールを続ける」、つまり現役続行宣言してくれたのが嬉しかった。先を考えたとき、心配してる一人だったので……。つかアレだ、誰か一人でもとか言ったら、貴女の2人ほど隣にいる蒼い人がいる以上それは生涯やよい宣言みたいなものでは……。それ聞いてボロッボロに泣いてたけどね、その蒼い人。そしてその人に涙を拭くタオルを渡そうとしてスルーされた中村先生は、なぜかタオルを頭に載せていた。温泉か。

10.いっぱいいっぱい


あなたが神か。


前日にMCでボロ泣きして「今日だけだから」と言っていた若林神。レポでこの日のパフォーマンスは聞いていたが、確かに圧倒された。これがアイマス最年長の大黒柱の力か。
決してキレキレのダンスではないし、最小限のパフォーマンスで最大効率の反応を引き出すスキルの巧さもないけど、とにかく出し惜しみせず全力全開で魅せる。この曲に限らず、全体曲でも隙あらばステージ中を動き回ったり観客を煽ったりととにかく少しでも盛り上げに貢献しようとする。自分より10近く年上なのに。





平田さんやミンゴスもそうだけど、素晴らしいパフォーマンスと笑顔を見ると、ああいう齢の取り方したいなと思わされる。ファンに、そして後輩に。それもまた、アイドルマスターの、765ASのあり方なのだろう。




11.七彩ボタン

いっぱいいっぱいからつなぐ曲としてこれ以上の組み合わせがあろうか。いやない。
現地組の報告からこの2曲がやばかったという話は聞いていた。若林さんがそのままステージに残って導入だけは竜宮小町と4人で歌い、そして3人とタッチして後ろから見守る。3人はとにかく楽しそうに歌い、舞う。

コアなアイマスPなら、祐佑さん作の漫画版「アイドルマスター2The world is all one !!」(通称ざわわん)を思い出した方もいると思う。私は真っ先にこの場面が思い浮かんだ。





アカン泣く。


この漫画版ざわわん、玉石混淆のアイマスコミカライズの中でもぶっちぎりでクオリティが高い。あの色々とアレなアイマス2を下地にしながら、各媒体のアイマスの要素をうまくミックスしつつ、定番の組み合わせではない春香・響・雪歩による「SprouT」を軸とした話を展開していく。ストーリーは変化球のち王道オブ王道のド直球、それなりに売れたことでSprouT以外のメンバーも掘り下げられ、真美とやよいのデュオ「わんつ→ているず」や千早と貴音のデュオ「花鳥風月」など、新たな組み合わせも発掘した。
そして何より、ゲームではジュピターのかませにされる(それを毎プレイごとに見せ付けられる)竜宮小町アニマス同様に頼れる先輩格として春香たちを引っ張り、そしてジュピターとの直接対決は黒井社長の妨害で敗れるも、しっかり見せ場を作る。上の画像はその場面で、作中を代表する名シーンの一つである。ずっとこの漫画を推してきた者として、あのシーンでこれを思い出さないわけがない。



ちなみに連載開始がもう6年以上前なので、アマゾンも楽天も新品在庫はギリギリである。全5巻完結で非常に良くまとまっているのでぜひ手に取ってみてほしい。特に響、雪歩、伊織、律子P。後悔はしない。ちょっとでも気になったら買え。もうチャンスないぞ。

私自身、スモスリより七彩ボタンの方が好きな曲だったのでそういう意味でも俺得だったし、目頭を熱くしながらも楽しくペンライトを振れた。ちなみに隣のPはガチ泣きしていた。わかる。
色々あった竜宮小町だけれど、アニマスやざわわんでの掘り下げでポジティブな扱いがされるようになったのは本当に良かったと思える。ただしバンナムは反省してもうああいうことを二度と繰り返さないように。絶対に。

12.ら♪ら♪ら♪ わんだぁらんど

キングじゃないけど、私も半月くらい食って寝て遊びたいです。あ、一週間でもいいです。いや、この際は三日でもいいです。せめて連休。連休ください。GWまでないんです。

13.オーバーマスター

めちゃくちゃかっこいい(語彙力喪失)

Fate of the worldといい七彩ボタンといい、今回はオリメン重視なのが素晴らしい。オバマスは5th以来だそうで、当時からライブ行ってたPは3人の成長も相まって感激でしょうなこれ……。隣の美希Pデュンヌさんが「はー……無理……」とか言ってたので私も心の中で相槌を打っておいた。

ちなみにステラステージの美希は、トリオのリーダー時にライブを大成功させると「また3人でこの曲を歌うからねー」とあいさつする。この曲もまたいつか、3人で歌ってくれる機会があることを祈りたい。

14.迷走Mind
15.追憶のサンドグラス

オバマスから始まる怒涛のかっこいい曲ゾーン。迷走は聴けたらいいなーと思っていたので、この日の楽しみの一つだった。迷走も追憶も、ダンスも2人の表情も実に素晴らしい。アッキーはステラステージで美希の声の出し方が以前と違うという指摘もあったけど、歌声に関しては特に違和感はなかった。プロミは不参加だけど、何とか次の単独ライブには参加してほしいな……。

16.Rebellion

「真実の赤」!

ライブビューイングでとはいえ、これをやれて会場でも綺麗に決まったので満足である。私はペンライト1本しかないので、Bサビで一旦下げて色を切り替えるという拙さだったけど……。しかし引いた絵で見ると、本当に皆さん綺麗に切り替えるのね。年々洗練されているのは知ってるけど。
しかし歌といいダンスといい表情といい、すさまじいパフォーマンスだった。アイマスのエースという称号は伊達じゃない。過去のライブと比較してもはっきりわかる形で、確実に進化していってるのはさすがと言うしかない。

17.CRIMSON LOVERS

吉原炎上とかいう謎ワードが思い浮かんだ曲。
しかし、組むのが極めて珍しい上に元々かみ合わせがいいという評価でもないはるちは曲だけど、こういうアイドルらしからぬ歌が綺麗にはまっていた。炎や光の使い方、カメラワークも抜群だったので、これはLV・DV、BD化で映える曲だったんだなあと。はるちはの新境地。


18.始めのDon’t worry

みきいおかわいい(語彙力喪失)ほんとかわいい。
ステラステージもちょこちょこみきいおしてるからいいぞ。MS06でみきいおに目覚めた私が勧めてるんだから間違いない。かわいい。




かわいい。

あとサビの合間合間の「イェイ♪」がかわいい。この曲と虹のデスティネーション、LEMONEDEが入ってるPOPPIN' YELLOWはいいぞ。かわいい。




……三十を過ぎ、動画の連載も終えたことで、ちょっとアイマス曲の趣味変わったなあ、私。




19.9:02pm

初日の精魂込めた「隣に…」から一転、楽しそうに歌うキングの姿が印象的だった。原点回帰をテーマに、これら2曲を選んでくれて本当に嬉しい。何より、草創期からオンリーワンのあり方でアイマスを支えてきた人が、ずっと先まで見据える場でこの曲を選んでくれたことが。






 

21.細氷

成功していることはわかっていた。それでも、この曲だけは、ペンライトを振ることさえ無粋。いや青にはしたけど。とにかく、ただただ歌に没頭したかった。端から見たら、180cmくらいの大男が青のペンライトを握り締めて祈るように映像を見つめているわけで、それライブDVに参加するスタンスとしてどうなんだと言われそうではあるが。
でも、この細氷という曲は、如月千早にとって、今井麻美にとって、特別中の特別なのだ。眠り姫やJBM、約束とも、また違う。




※以下OFAネタバレにつき注意





OFAの千早ストーリーは、千早に高みを目指してもらうため、あえて歌以外の楽しみを見つけてもらう物語だ。そこでは童心に返る、いい意味で幼い千早の新境地も見ることができる。当時、こんなの千早じゃないという批判も一部にあったが、私の考える千早の到達点としてはとてもありなので、気に入っている。いいじゃない、トップアイドルになった後で「私、きっと今幸せです。でも、(それで)もう歌う力が衰えるとは感じていません」とか言ったり、海を前に海外進出ではなく、育ててくれたPとずっと一緒にいることを夢として願う千早って。

……そんな、おおむね前向きで明るい話が進むのがOFA千早ルート。だがしかし、細氷を歌うEXエピソードでは、
バンナム「幸せな千早を楽しんでくれたかな? では死ね、千早P」
とばかりに一人だけやたら重い話をぶち込んでくる。


細氷は、千早が事故で失った弟の優や、地獄のようなその後の暮らしに区切りをつけ、未来へ歩むことを歌う曲である。千早が自ら作詞にも携わる、自分を表現する曲だ。
OFA世界線における千早は、弟の死に向き合えず、破綻した家庭で仮面夫婦を演じる両親(しかも母親は、仮面夫婦を続ける理由に千早の存在を挙げて責任を押し付けさえした)のいる家庭で心を押し殺して生きてきた。そりゃ表ルートで人生の楽しみを教えたら、少女のようになるわけである。
如月家の家庭内不和もたぶん歴代シリーズで最も詳しく描かれ、婉曲的にだが、千早が自殺さえ考えたことも示唆される。この時点で千早Pの胃はどっかの苦労人のようになり、「はやくきてー、はやくきてー」と救いを求める。

千早はこの曲を歌うことで、目をそらしていた過去と向き合うことになる。心身には大きな負担がかかり、最初のステージでは封じていた記憶が逆流して精神が破綻しかけ、作中最強のライバルからは身を削る曲と言われるほどだ。それを乗り越え、過去と折り合いをつけて永訣し、未来を見据えるこの曲とその物語は、アケマスから続く如月千早という少女のあり方に一つの決着をつけるものであり、まさに千早を表現する一曲だ。無印の千早の象徴であり、アニマスでは過去の象徴にもなった「蒼い鳥」のメロディが細氷に組み込まれているのもそのためだろう。

すべてを乗り越え、細氷を完全に自分の曲とし、あらゆるアイマス世界線で最強の如月千早として覚醒してライバルを上回った後に、彼女は「将来、母親になるかもしれない」とPに告げる。あれほど家庭というものに距離を置いてきた千早が、だ。そして子供に「生まれてきて、本当に良かったね」と告げたいといい、EXエピソードは、アケから紡いできた千早の物語は、完結する。
なんかもう書いてて泣ける。だって最後の台詞の言い方がね、もうね、ミンゴスから千早への祝福にも聞こえてね……。

私は如月千早の到達点は、トップアイドルでもなく、至高の歌い手でも、海外での成功でもないと思っている。それは到達点に至るための条件の一つでしかない。
千早の到達点は、幸せな家庭の構築だ。それをしてこそ、彼女は救われると考える。困難な道を進んでも、信頼できるパートナーと、子供たちと、かつて喪った幸せな家庭を築いた時が、本当の意味で報われる瞬間だと思う。だから私はああしたし、連載完結の後にこのOFA千早EXエピソードに触れて「私は間違っていなかった……解釈違いもしていなかった……」と安堵したのである。EXエピソードはニコニコ含めあちこちに転がってるけれど、OFA所持でまだ見ていないならぜひ実機プレイで見てほしい。



そういうわけで、細氷を歌うということは如月千早の歴史を、その集大成を歌うことと同義だ。ただでさえ、ゲーム登場曲では歴代千早曲や「隣に…」を抑えて最も歌うのが難しい曲とされており、かつてミンゴス自身も「今までで最も難しい曲」「収録翌日は立ち上がれなかった」と言っていた。これは技術的にももちろん、千早を降ろしてこういう曲を歌うということで負担が大きいのは言うまでもない。なので、初星では歌うと思っていなかったし、下手すると10thクラスの舞台が用意されないともう機会がないのではと思っていた。なので、

そうなればそうなるわな。




……だいぶ脱線したので曲の感想を。
上記のような背景を知っているからこそ、歌いきったとわかっているDVなのにただただ、「頑張れ……頑張れ……」と念じ、見守り続けていた。命を削りだしながら歌う、如月千早今井麻美という不可分の歌い手に圧倒されながら。あれほど聴き込んだCD音源を軽々と凌駕していくし、ほんとなんなのこの人たち……やばい……。
総合的かつ個人としての歌唱力なら、ミンゴスを上回る声優はASだけでも2人いるだろうけど。演じるキャラクターを、千早を降ろしたとき、アイマス界で誰も敵わない至高の歌姫が顕現するとか漫画かよと。

多分、後年の評価では完成度は10thの方が上という評価になるのだろう。それでも、例えDVでも、ああやって立ち会えた私にとっては、この細氷こそが最高の細氷だった。

私は私らしく今 輝き続けてるから
 傍にいてあなたの瞳で見守ってほしいよ
その一歩を信じてたい
 昨日までの私がいたから分かる
 涙にさよなら



細氷Bサビ、そして大サビ前。本当に好き。到達した千早のあり方が凝縮されているよね。





DVから1ヶ月近くたっても、論ずるに術がござらん。ありがとう如月千早。ありがとう今井麻美。蒼い鳥を歌っていた頃から、あなたたちがいなかったらここまでアイマスを好きになれていなかった。ニコマスPとしても完走できなかった。ここまで走り続けてくれて、成長し続けてくれて、十年経っても最高に素敵でいてくれて、本当にありがとう。

OFAのEXエピソード最終話で、勝負を通じて生きることの素晴らしさを説いてくれた玲音に感謝の言葉を重ねた千早のように、会場ではただただ心の中で感謝を繰り返していた。













22.Destiny

で、わかってた通り次はこの曲なんですね。MCで中村先生がすげー良いこというんですね。一番あざといのって実はこの人じゃないっすかこれ。そして「私たちと出会えたことが、運命でしょう?」ですよ。オイオイオイ、泣くわアイツ。振り返ってる今も目頭熱いわ。
細氷からのDestinyとか思い出ボム的にもわかってても殺しの反則。いつもの2倍のジャンプと3倍の回転でバッファローマンを上回る1200万パワーですわ。





……この後はアンコール待ちの告知事項になって、リアルタイム同様DVが発表されたわけだが、近くの席から「マジかよディレイビューイング絶対行くわー!」とかいうノリのいい声が上がってクスっとした。そういうの、嫌いじゃない。

23.自分REST@RT
24.TOP!!!!!!!!!!!!!

この2曲はもう最後ということで、遠慮なくコールしながら皆さんの一挙手一投足を刻みつけようと必死だった。それはとても幸せな時間だったけれど、同時に「もう終わってしまう」という寂しさが強まる一方だったわけで。プロミは決まっているけれど、行けるかはわからない。またこの規模の、奇跡と評されたライブがやれるのかもわからない。できれば今が終わってほしくない、そんな想いとともに2曲を駆け抜け、そして演者のアイマスを続けていくという決意に励まされた。


そうだ、これは終わりではない。だって、この直前の曲でこう歌われているじゃないか。

もし離れたって信じてるから 必ずまた逢えることを
上手く言葉にできないけど だってきっと運命だよね

すべてはこれに尽きるのではないだろうか。やっぱりDestinyって神曲だわ。


ありがとうアイドルマスター。ありがとう初星宴舞。











■これからのために

結果論で言えば、現地参加でメンタルを全回復状態にし、2月10日ごろのどん底の状態にもDVで気力を回復させたことで、私は修羅場の年度末3ヵ月を乗り越えた。まだ終わってなくてこれからも相当しんどいけど、山場は越えたし、万一危なくなったら温存してる9thのBDBOXを開ければいい。
……というか、初星のチケット当たってなかったらこれ全部なかった? ステラステージもたいしてやってなかったかも? 精神ぶち折れてたな確実に。

そんなわけで、今は11年前の初心に帰った気持ちで、ステラステージをちまちまプレイしている。1~2月はただただ激務だったので、まだ途中ではあるが。


ほーら真Pだ私ってば。Destinyもライブ革命も実質真曲だ(錯乱)



初星宴舞の事前アンケを覚えているだろうか。18年のPとしての目標を書く欄があったが、私は深く考えずに「ステラステージで全員Sランク」と書いた。今はそれを本気でやろうと思っている。ステラステージ自体、不満点はあるもののDLCのメールを買う前提なら余裕で良ゲーと言えるし、譜面もあえて難しくする必要もないので難易度という意味でも割と何とかなる。というかぬるい。EXエピソードを含まないOFAくらいか。何より、シナリオが既成概念をぶっ壊してくるので新鮮だしその落としどころにも(今のところ)納得もできる。

アンケは20日までだけど、765ASの今後の展開を左右するのは間違いない。みんな買おう。ステラステージは面白いぞ。

でもせっかく値下がりしてる分、DLCで全員分のメールだけは買っとこうな。後悔するから。思い出MAXのメールとかやばいぞあれ。騙されたと思って買うんだ。


ステラステージが終わったら、スマホの肥やしになってるゲームのどちらかを起動するのか、それともタイミングとしては丁度よさそうなシャニマスを覗いてみるのかは、まだ決めていない。そこは終わってからゆっくり考えればいい。










最後に。現地ではちょっと気恥ずかしさもあったあれ。










アイマス最高。








この11年で3回死にかけたけど、生きてて本当に良かった。

一度は離れかけたけど、また逢えて良かった。
ありがとう。そしてよろしく。